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「ははは…、さすがは料理教室を首席卒業しただけのことはある!」
「ほう! そうなのか」
「友人が自分のことのように自慢してたから…」
取ってつけた嘘、とはよく言うが、咄嗟に口から出た嘘で、我ながら上手い…と、保は思った。里彩は座布団から立つと小走りでキッチンへ行った。
「これっ! 走るでない!」
長左衛門の叱りも、里彩には通じないようだった。保は、そんな里彩の後ろ姿を見て、思わず笑みが零れた。
「すみませんなぁ~!」
幾らか声を大きくして、長左衛門はキッチンへ向かって言った。その言葉の奥には、怪獣長左衛門をしても、いささか手強い沙耶への畏敬の念が含まれていた。
「いいえぇ~!!」
すぐさま沙耶のリターンエース球が帰ってきた。それも自慢たらしくない、相変わらずの猫なで声だった。
「里彩! それを食べたら、お暇するぞっ!」
「は~い!」
里彩は食べながら返した。
「えっ! もう…。じいちゃん、ゆっくりしていけよ」
「いや、なに…。お前の様子を見に来ただけだからのう、ワッハッハッハッ…」
長左衛門は豪快に笑った。




