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『そうなの? 馬鹿ね』
女っぽく言う仕草も違和感なく、保は自作に満足してバスルームへ向かった。
怪獣長左衛門とその手下の里彩がマンションへ来襲したのは、沙耶が予測システムで察知したとおり、土曜の夜だった。保が一つ気になったのは、兄夫婦がよくもまあ里彩を上京させたな…ということだった。これはある種、長左衛門が用意した周到な罠なのではないか…とも思えた。さしずめ、里彩は釣り糸につけられた餌である。保が食いつくのを穏やかな顔で待つ老人・・いや、そんな取り越し苦労はよそう…と、保は思い返した。細かなことながら、里彩は小学校の三年である。学校も平日だが? と思ったが、よく考えれば、保の頃とは違い、今の学校は土日休みになっているのだ。ということは、金曜だけ何かにこと寄せて休んだ…という筋立てになり、それなら何もおかしくはなかった。
━ ピンポ~ン、ピンポ~ン ━
次の日の夜、7時を少し回り、保は久しぶりに食後のテレビを観ていた。ドアチャィムが鳴ったのは、その時である。沙耶はキッチンで食器を洗っていた。
「あっ、いい。俺が出る」
沙耶は保との打ち合わせが出来ているから慌てた素振りも見せず、そのまま食器を洗った。保は椅子を立つと玄関へ向かった。ドアレンズから覗くと間違いなく怪獣と手下だった。




