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『汚いわねっ!』
「えっ?! なにが?」
後藤は意味が分からない。
『見えない? 飛び散ってるでしょ、不潔よ、フ・ケ・ツ!』
沙耶以外の者はその言葉で辺りを見回したが、何も見えない。山盛教授は大笑いした。沙耶はギャグを言ったつもりではなく、視線に映ったフケの粒子を捉えた真実を言っただけだったのだが…。
「上手い! フケと不潔ですか。私のギャグよりお上手だ、はっはっはっ…」
教授に釣られて三人は軽く笑った。沙耶だけは真顔で怪訝な顔をしている。教授の言葉が認識システムで理解できないからだ。保はそんな沙耶を見て、口を開いた。
「ははは…、こいつは神経質なんですよ。見えないものでも感じる体質なんです。なっ!」
保は沙耶に向かって念を押した。
『えっ?! あっ! そうなんです、はい』
「いやぁ~、それにしても足が早いな、君は。陸上とかやってたの? ありゃ、ウサイン・ボルトも顔負けのぶっちぎりの金だぜ!」
後藤がフケの中傷にもめげず、褒めた。
「いや、そうじゃないんだ。俺がスピード、落としたから、そう見えたんだよ。それだけのことさ」
「そうかなぁ~。かなり早かったぞ。そうでしたよね?」
後藤は教授達の応援を求めた。




