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スピードについては、左右前後感知センサーの働きによって速度変化した。もちろん、自動変速である。マスコミに公表され、広く一般社会に知られれば、道路交通法によって自転車並みの規制がかかることは必定だった。ことによれば、新たな規制条項が追加される可能性もある・・とは、山盛教授と知己の法学部教授の見解なのだ。SF映画の特撮シーンを彷彿とさせる場面が、まさに現実として進行していた。沙耶は保と並走して横に位置した。すなわち、保が装着して履いている自動補足機と同じ速さで走っているのだった。
「お、お前! おかしいだろ! 止まれ、止まれよ! …止まりなさい!」
保は思わず上擦った声で叫んでいた。
『だって、走りたかっただけだもん。おかしくないでしょ?』
「いや、おかしい! 皆が見てるだろ! 人は、こうは走れん!」
『あっ! そうだった、ごめん!』
その声に、ふと何か思い当ったのか、沙耶は急に速度を落とした。保との距離は、みるみる間に広がった。保は、とにかく安心し、溜息を洩らしながら沙耶の方へUターンした。
「俺がなんとか説明するから、お前は黙ってろよっ!」
『うん!』
自分の衝動から出た勇み足だけに、沙耶としても素直に頷くしかなかった。保と沙耶は歩行速度でゆったりと、教授達の方へ近づいた。
「す、凄いなっ、君!」
まず驚きの高い声を出したのはアフロ頭の後藤だった。沙耶の視線はアフロの髪から飛び散る微細なフケの乱舞を捉えていた。




