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体育館の駐車場に車は横付けされ、停車した。辺りには人っ子ひとりいなかった。…と、その時点では思えた。三人が分担し、機材の荷と梱包した自動補足機を持ち体育館に入った。山盛教授だけは白衣のポケットに両手を突っ込み、泰然自若として進む。四人が体育館に入ると、沙耶がいた。保は、またかっ! と思え、テンションが急降下した。
「沙耶! なぜここにいる!」
保は沙耶に近づくと、少し怒れたのか、声を大きくした。機材を手に持ったままだから、かなり慌てていたのだろう…とは、マンションに帰ったあとの保の追憶である。このときは教授達にどう説明したものかと困惑していた。
『来たかったから来たのよ。悪くはないでしょ?』
そう言われては、保も返せない。研究室の三人は黙って二人の遣りとりを聞いている。
「そりゃそうだけどさ。来るなら来るって言ってくれなくっちゃ。あっ! それより俺が忘れていたこと、どうしてお前が知ってんだ?!」
『保が忘れていただけでしょ。私には研究室のデータはすべて入ってるから、分析結果で来ただけ…』
「それにしてもなぁ~」
『だって、週刊アンノンの塚田さんとか言う人が、そう言ってたもん』
「えっ!? なんて言ったんだ?」
『この国では、どこへ行こうと自由だって…』
「…」




