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 沙耶は間違ったことを言ってないから、保はまた返せなかった。それを見ていた山盛教授が二人の間に割って入った。

「この前のお嬢さんですか。確か…岸田君の…」

『はい、従兄妹いとこです』

「ええ、でしたよね」

『間違いなく…』

 沙耶が念を押した。正確さを強調したのだが、逆に不信感を抱かせる言葉だ。保は、沙耶の服を軽く押した。言葉では言えないからだが、内心では、いらないことを言うな! 逆に、おかしく思われるだろうが…的な思いが沙耶を手で押した意味だった。

『はい、従兄妹です』

 言い直さなくてもいいんだよ…と、保は、お前なっ! 的に沙耶を見た。幸い、教授は、おかしく思っていないようで、保は少し安心した。

「で、今日も、ご見学ですか?」

『はい!』

「なかなか勉強家でいらっしゃる。しかし、ひとつだけ、ここでのことは外部に漏らさないで下さいよ、未発表なんですから。岸田君から、そのことはお聞きとは思いますがね。ははは…」

 山盛教授が笑い、保はホッとひと安心した。

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