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『帰られたようね…。どうしようかと思ったわ』

 保が振り向くと、すぐ後ろに、いつ現れたのか沙耶が立っていた。

「沙耶のことは妹と言ってあるから、今日から俺の妹だ。奈々と二人か…」

『ああ、妹さんがいるって言ってたわね』

「そう。遠い田舎だけどな」

『怪獣、長左衛門の生息地ね』

 沙耶の感情システムの融和プログラムが働き、沙耶は少し砕けた物言いをした。

「ははは…、お前、俺以上に口悪いな」

『そこまで言えば、口が悪いのか…。難しいわね』

 沙耶は考え込んだ。

「いや、まあ…。いいんだ、いいんだ。そんな言い方もあるからな」

『そう?』

「ああ、ドンマイ! ドンマイ!」

保としては沙耶を考え込ませないようになだめているつもりだった。確かに、保の祖父である長左衛門は、なかなかの強敵で油断がならなかった。沙耶が言うように、それは絶えず警戒しておかねばならない。この前は中へ入らず、スンナリと入口でUターンしたから事なきを得たが、いつ現れ、さらに上陸するか分からない。加えて、長左衛門には沙耶のことはバレていて、保の彼女と怪獣は思っている節があった。注意せねばならない問題は、もう一つあった。

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