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保にとっては、まったく予想外の言葉で、味もそっけもないな…と思えた。『お帰りなさい!』などという優しい言葉を期待したのが、いけなかったのか。それにしても、少し愛情を加味しないといけないな…と、保はプログラムの再修正のことを少し思った。だが、その心配は徒労に帰した。
『大学の様子は分かっていたから…。でも、少し寂しかった』
うるんだ目でそう言われた時、自分に関するあらゆるデータを沙耶にプログラムしたことをすっかり忘れている自分にふと、保は気づいた。愛情を加味しないといけないのは自分の方か・・と、保は反省した。
「そうか…。バスは?」
『いつでも入れるわよ』
柔和な笑みでそう言われ、保はデレェ~として頬を緩めた。
丁度いい湯加減で、着替えも出ている。申し分なしだ。これなら、下手なカミさんをもらうより増しだ、…いや、かなりいい! と、保は浴槽に浸かりながら、鼻唄を出した。
心地よくバスルームを出て、キッチンのテーブルに座ると、すで準備された美味そうな幾品かの料理が出ている。保は満足げに沙耶を見た。その動きは今のところ申し分ない。明日は研究室を休めるから、思い切って郊外試験が出来る絶好の機会だった。
「明日、ぶらっと出てみないか?」
保は冷えたビールで喉を潤しながら、そう言った。




