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人と見紛まごうほど完璧に完成した沙耶だけに余計、そう思えた。かといって、沙耶がアンドロイドである以上、仕方ないのか…というきらめの気分も半面、あった。今後を思えば、沙耶には習熟機能があるから、変化していく可能性もあった、要は、今後の展開は未知数だということだ。それがデータとして沙耶に集積されれば、1+1=2+αになることだって有り得る。プログラムした保でさえ現時点で、この未知数の結果を解くことは出来なかった。

 とにかく、無事にセットアップ出来た・・と、保がほっとすると、ピッタリとタイミングを推し量ったかのように保の目の前にカフェオレが置かれた。これこれこれ…! 今、欲しかったんだ。保は沙耶の緻密ちみつな洞察機能に恐れさえ感じた。しかしまあ、有り難かったから、とりあえず、カップを啜った。熱からず冷たからず適度で、疲れた身体に美味かった。そのとき、ふと保の脳裡に浮かんだのは、いつかの沙耶に対する発想だった。今は俺一人のためのアンドロイドだが、この製造法を使い量産すれば、多くの障害者や介護者に有効利用してもらえるのではないか・・という過去の発想である。そして、そのためには、より以上に沙耶の機能を高めねばならない…と思っていた。それの思いが、ふと、想い出したように浮かんだのだ。これで、沙耶に外部からの影響を与える電磁波、音波とも防げるだろう。新たな障害が起こらない限り、今度こそ完璧なはずだ。保はカフェオレをまたひと口、啜りながら沙耶を遠目に見た。沙耶はそんな保の思いは知らず、洗濯作業に余念がなかった。

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