033 初回にリタイアしなかったから
レイナが探索に出なくなって、俺ら高橋(翔)班は4人で探索に出る事になった。
出て行く時に俺、正田さん、ショータローさんは最早、レイナには声もかけない。
萩田さんだけがヘラヘラしながらレイナに「行ってくるわあ」とか言って、レイナも調子よく「いってらっしゃあい」とか手を振ったりしてるが、それだけだ。
誰も別に幸田さんに相談したりもしない。彼女自身の言い方を借りればチクったりもしない。
ある意味、これは俺らのパーティー内の問題でパーティー内で解決すべき話と捉えたからだ。それにリーダーのショータローさんは結局はレイナの言い分を認めているのだ。
何も言わなかった俺もマサさんも、レイナの勝手な言い分をよく分からん理屈で認めた萩田さんもそれ以上は何も言わなかった。言うなれば、俺らのパーティー内で解決すべき問題、と偉そうに言ってはみたものの実質的には投げた、と言っていい状態だった。
良い方に考えれば、萩田さんはこの結末が最初から分かっていて、無駄な言い争いをとっとと切り上げただけだったのかも知れない。
…ってあのチンピラがそんなわけがねえか。
それどころか他の班が出払った後に出る様に出発を調整する様になっていた。他の班にこの状態を問い質されるのを恐れたのだ。今考えればもう俺らは結果的にレイナの共犯と化していたと言ってもいいだろう。
そんな状態で5日程が過ぎたが、次の波乱は今度は全員が揃う夕飯時にやってきた。
「レイナが行かなくていいなら、明日からアタシも行かない!」
崎本アオイが突如言い出した。
彼女は幸田さんのパーティーにいる女子高生弓師だ。
幸田さんは、最初は年長者の余裕ある顔付きで苦笑しただけだった。
「おいおい、崎本、何言ってんだ?」
「だから、アタシもう行きません。」
崎本の顔付を見て、幸田さんも真顔になった。
「おい!どういう意味だ?」
彼女は大人の男性である幸田さんの真顔にちょっとビビった顔はしたが主張を繰り返した。
「だから、もうアタシは探索とかに出ません!レイナ、行ってないのはみんな知ってるんでしょ!だったらアタシも行かなくていいじゃんってことです。」
レイナは探索に行ってないからいつでも休憩部屋にいる。
上の階に移動する時だけ微妙に俺ら周辺に混ざってついてきて、次の日からまた休憩部屋に籠り切りだ。特に誰も説明もしないが、俺らがまだ戻らなくても彼女は常に女部屋にいたし、彼女が俺らと行動してないのは薄々全員が知っていただろう。
この種の話は何処でどう切り出すかは重要だが、自身の班のリーダーである幸田さんに個別に相談とかではなく、皆の前で敢えて言い、枕詞として「レイナが行かなくていいなら」と切り出して話の半分をこの場に同席しているレイナと俺ら高橋(翔)班に擦り付けた彼女のやり方は、意識的か無意識かは分からないが実に巧妙、というか狡猾だった。
対する全体リーダーの幸田さんはと言えば、大学生と言っても社会に出る直前で、俺らに比べれば大人だった。
その大人は、事情は薄々知っていただろうけど今まで何も言わなかった。他班の自分が口を出すのを遠慮したのか、はたまたこの班のリーダーであるショータローさんの顔を立てたのかも知れない。だが何より、俺らの班の揉め事は、俺らの班の問題であって口を出す様な話じゃない、と捉えていたのだと思う。部長が、俺らの課が何かギスギスしてても仕事が回ってる限り取り立てて口を出さない、それどころか、なるべく関わり合いにならない様にするのと同じだ。
君子じゃない方だって、空気を読んで危うきに近寄らず、というのは、どこの世界でも一緒だ。
自分が直接巻き込まれていないトラブルは要領良く自分の立場を明らかにせずに見なかった事にし、困っている当事者達に自分達だけで解決させる。そういう判断の事を世間一般では「大人の判断」と呼ぶ。
だが、その大人の判断で見なかったフリをした結果、自分達だけで解決または自滅してくれれば良いが、そうはならず、それどころかある日突然より大きくなって爆発することもある。ある日突然、勤めている保育士全員が辞表を出したり、体育会の合宿所に警察が踏み込んできて大麻が見付かったりする場合だ。
今回の場合も正にそれだ。
俺らの班の状況を知っていても我関せずとまでは言わないが敢えて口を出さない大人の判断をしていた幸田さんは、問題が自班にも飛び火して今更ながらにアタマを抱えた。
「いや、崎本の弓がないと俺ら遠間からの攻撃が手薄になるしさ…」
当然、言われるだろうと予想していた幸田さんの説得というか反論に、アオイの方はこちらも当然のように我々の望まない回答を用意していた。
「でも最近出て来る魔獣、アタシの弓とか弾くじゃん!アタシ役に立ってないじゃん!一緒に行く必要なくないですか?」
不謹慎だが、論の組み立てに俺は驚いた。
いや、驚きを通り越して感心した。
俺のアタマでは、役に立ってない→役立てる様に頑張る、である。
しかし彼女は、役に立ってない→行かなくていい、と組み立てたのだ。
3段論法にすらなってないが、俺にとってはコペルニクス的な展開の論理構成だった。
やはりこの場合、中世ヨーロッパで地動説を唱えた学者に対する地元宗教の司祭の様に「異端だ!」と叫んで磔火炙りの刑にするのが正しいのか!?
「アオイちゃん、そんな事言わないでさあ…」
勝手な事を言うアオイへの反感半分、感心半分で自分1人ちょっと混乱中の俺のアタマの中は当然相手にされず、新宮班の佐藤ハルカさんが異端者の説得にかかったが、最早、彼女は聞く耳を持たず、甲高い声で喚き散らした。
「だってアタシが行っても意味ないじゃん!なら強い面子だけで上の階探したらいいじゃん!アタシ、何か間違った事、言ってますか!?」
「分かった。もういい。」
論理は繋がっているかも知れないが自分達と180度違った事を言われてイラつき、中世の司祭宜しく慈悲深くいち早く神の御許に送ってやる為に火炙りが相当と確信する俺ら大半の冷めた眼差しを他所に、リーダーの幸田さんは厳しい表情で言った。
「行きたくないヤツを無理には連れては行けない。他に、もう自分はもうムリ!ってヤツはいるか?」
みんな一瞬黙った。幸田さんが改めて全員をぐるりと見回す。
1人が手を挙げた。
「すいません。俺もムリっす。」
高橋直哉君だった。
彼の言葉に幸田さんの横に座っていた副将格で直哉と同じ班の新宮さんが、席を蹴って立ち上がった。
「何だよ、テメエ!それでも男かよ!」
新宮さんに怒鳴られて彼はビクッとなって下を向いたが、そのままボソボソと言った。
「……だって、俺の技も役に立ってないじゃないすか。新宮さんだって俺の事、いつもジャマだ!ジャマだ!って言ってたじゃないすか。ジャマなら、いない方がいいんじゃないすか?」
「おう!何だとテメエ……」
ここでは槍使い、本職はガデン系の庭師で俺らの中ではひときわガタイのいい新宮さんは完全にブチ切れた表情で直哉の方へ行こうとした。
が、幸田さんが手を挙げた。
「新宮さん!止せ!聞いたのは俺だ!」
新宮さんは迫力ある眼差しで止めた幸田さんの方を睨みつけた。
しかし社会人一歩手前で先生になろうという幸田さんは、ガデン系で体格で遥かに勝る新宮さんに対しても怯むことなく目を逸らさなかった。
暫く睨み合っていたが、やがて新宮さんは席に戻り、不機嫌そうにドカッと大きな音を立てて座り直した。
全体のリーダーは幸田さんで、新宮さんもそれは認めているのだ。
そして彼もまた、気に入らない事があれば暴れるだけのガキではなく、集団のリーダーの決定には従うことの出来る大人だった。
「他はいいな?」
誰も声を発さない。
「じゃあ、明日から3人を除いて探索だ。」
幸田さんの言葉に新宮さんは勿論、3人を除く他の全員も完全に納得してはいない顔だった。
けど、リーダーの幸田さんの大人の風格で厳しい顔の言葉には従うしかなかった。
その頃の俺らは半分の25階層に到達していた。
俺ら14人は3つに分かれた班編成で階層探索をしており、それぞれのメンバーは、俺ら高橋(翔)班、通称ショータロー班の高橋(翔)、萩田、橋本、正田、俺の他、全体のリーダーでもある幸田さんの班が、幸田、石原、崎本、坂本、副将格の新宮さん率いる通称新宮班が新宮、椎葉、佐藤、林田、高橋(直)のメンバーで構成されている。
うち、崎本アオイ、橋本レイナ、高橋直哉が今後は参加しないとなると、偶然だが各班で1人づつ抜ける様な状態になる。特に幸田班は3人で少し不安だ。
それもあってか幸田さんは自班の石原さんに声を掛けた。
「石原、お前は大丈夫か?」
「アタシ!?」
石原さんはC大学で電気系を学んでいる所謂リケジョで女子4人の中では一番の年上だ。
その彼女は、幸田さんに問われて、少し驚いた顔をした。
「アタシは全然オッケー!むしろちょっと楽しくなってきたトコだし。」
今までの話と180度違う明るい返事に皆、ちょっと呆れたが、同時にさもありなん、とも思った。
彼女は雷系統の魔法を得意とする強力な魔法使いで、探索当初から冗談半分ながら実は最強なんじゃないかと言われていたのだ。
そんなつもりはなかっただろうが、笑顔の彼女の明るい一言で場も少し明るくなった気がした。
「ウチは3人だけど…まあ、大丈夫かな。」
元々1人少ない幸田班は彼の言う通り3人になってしまったが、これまた彼の言う通り大丈夫だろう。
二刀流で手数の多い直接攻撃の出来る幸田さんに、虎のビキニではないが雷オヤジならぬ雷娘の石原さん、そして防御の魔法も使える白魔導士、本人曰く、聖者の坂本の組み合わせは、前衛が少し薄い気もするが戦力的にはバランスもいい。
まあ、考えてみれば前衛は今までも幸田さん1人だったから問題ないのか。
「新宮さんは?」
槍使いの新宮さんはフンっと鼻を鳴らした。
「ウチは抜けるのはナオヤだからな。前は俺と林田シンちゃんで充分だし椎葉っちの死体操りもある。後衛はいねえけど戦闘力に問題はねえだろ。多少のケガはハルカちゃんいるしな。」
新宮班には直接攻撃出来る類の魔法使いはいないが、槍の新宮、剣士林田と前衛は揃っていて、その上、椎葉さんの死人使いはグロいが役立ってると聞いていた。
死人使いというものの、実際には魔獣の死体も全然操って攻撃させたり、肉の盾扱いで使ったりらしい。そして佐藤ハルナはケガを治せる白魔法使いだ。
新宮さんは、恐らく彼には事前に何の相談もせず、いきなり「行かない!」と言い出した直哉に当てこする様に言ったが、ナオヤは素知らぬ顔で黙っていた。
「ショータローさんのトコは?」
常に適切でない方のショータローさんは、他班の様に戦力分析をすることもなく端的に答えた。
「ウチはもう慣れた。」
もっとも実際、ショータローさんの言う通りだった。
レイナが勝手に抜けてもう1週間弱程が経つ。フォーメーションも4人が自然体になっていたから特に問題はない。元々レイナは殆ど何もしてなかったのもある。
レイナも素知らぬ顔で何も言わない。
幸田さんは一応、新宮さんにもショータローさんにも聞いたものの、他の班に回せる人員がいるわけでもない。
ショータローさんの答えに幸田さんも苦笑した。
「だな。」
次の日から3人を除いて探索に出る事が決まった。
「タカト、いいのかよ?」
高橋直哉君と俺は歳も近いんで実は結構仲良くしていた。
その彼が、夜にコッソリ、俺の所に来て言った。他班だが仲良くしてる彼は俺があまり役に立ててないのを知ってる。
「……俺はもう少し頑張るつもり。」
「ちっ!いいよな。タカトのレーザー、最近は効く様になって来たんだろ?」
「まあな。だいぶマシにはなってきた。まだ萩田さんにはガタガタ言われてっけど。」
実際に急速にマシになってきていた。
初期の頃から見ているゴブリンとかなら一発で倒せる程の威力になり、5発ぐらいなら連射も効く様になった。
まだ弓師程ではないかも知れないが、射程距離も伸びて来て、漸くマサさんと俺で、棒術士のショータローさんと武闘家の萩田さんの前衛の2人を後衛、つか中衛ぐらいの位置から援護出来る様になってもきた。
マシになってきた、という事実もある。
それに自分の中ではやはりアオイの様に自分は出来ない=自分はやらなくていい、という論理構成はムリだ、という思いもある。
全員の生存率に関わる問題なのだ。投げ出すわけにはいかない、とも思っていた。
だが、何より不謹慎な様だが石原さん同様に面白くなってきた自分がいるのも感じていた。
最初は然したる強敵でもないゴブリンやウルフにすら当たらない、当たっても効かなかったレーザーが、最近は当たるし、当たれば効く、倒せる、上手くすれば連射で倒せる様になってきたのだ!
自分の努力のお陰かどうかは分からないが成長が感じられてきたのだ!
今の俺は、むしろもっと戦って、もっと上手く、もっと強くなりたい!という思いを抱いていた。
だが今のナオヤ相手にそんな事は口には出せず、対するナオヤはウンザリした表情で愚痴った。
「俺の投擲なんて石、投げるだけだぜ?そりゃ、魔力かなんかで面白いぐらい当たるは当たるけど、威力がねえから意味ねえんだ。自分で言うのもアレだけど、新宮さんがキレんのも俺的にもちょっと分かるんだわ。」
今思えば、彼は投げ槍かなんかを抱えて戦えば良かったのだろう。無ければもしかすると剣を投げても良かったのかも知れない。それなら最初から一定の戦力になり、俺の例を見れば分かる通り戦っているうちに徐々にレベルアップして、威力も上がったはずだ。
だが、当時は投げ槍なんて武器はなく、他の物を投げるなんて思い付きもせず、彼の技は投擲ってことで、その辺の石ころを投げて戦っていた。これも今から考えれば、最初の頃より威力は上がっていたろうが、所詮は石ころだし、階層が上がるにつれ魔獣もレベルアップしていたから本人にも周囲にもそんな風に見えなかった可能性が高い。
なので、俺がレーザーが利かないのを溢すのと同じく、石なんて魔物には碌に効かない、とナオヤは普段から溢していた。俺達は2人で同じ悩みを持つ仲間だったのだ。
「まあ、俺はもうとにかく、魔物倒せねえのにも新宮さんにブチブチ言われんのにも心折れたわ。ここまでは俺も俺なりにやったんで、悪いけど後は強い面子だけで頼むわ。」
レイナが抜けた時は「お前、ふざけんな!」と思ったものだが、ナオヤが少し寂しそうに言うと責める気になれなかった。
親しいヤツが言えばこんなもんだ。
勝手なものだと自分でもちょっと思った。
今思えば、これが運命の分かれ道だったのだろう。
最初からやる気もなく、明らかに役に立っていなかったレイナ。
身につけた技の役立て方が分からず、見てはいないが役立たずと新宮さんに言われ続けていて心が折れたナオヤ。
努力が足りないのか元々の力が足りないのか弓の攻撃が通じなくなってきていると言っていたアオイ。
そしてその3人と同レベルで戦闘の役に立ってなかったのが初期の頃の俺だっただろう。
この4人の役立たずは、偶然にもそれぞれの班に適度にバラけたからこそ、ここまでは生き残った。
それでも探索に出て、戦い続けた俺は、俺だけは結局大きく戦闘力を上げて試練の迷宮を突破して地上まで這い出た。そして更に経験を積んで魔王城まで到達して日本へ戻った。挙句、今もこの世界でもその経験が活きている。まあ今でも役立っているのは全線想定外だけどね。
逆にそもそも弱かった彼らは、外に出なくなって目先は安全にはなったが、成長の機会も無くなり、結局は死んだ。
それに今考えればやはり俺らの生存率にも影響はあっただろう。14人しかいないのに実に5分の1の20%にもあたる人員が不稼働かつ稼働の見込みがなくなり、かつ非戦闘員を守って戦うというハンデというか新たなタスクを背負う事になったのだから。
そう考えると、戦闘を望まぬ者は外すという幸田先生の判断は人道的には誠に正しい判断だったけど、現場の戦闘指揮官としてはどうだったのかな。俺を見て分かる通り、嫌々でも何でも続けていれば戦力として育つ可能性はあったわけだし。
でもそれは潰れた会社の役員でありながら後に潰れた理由を偉そうに本にして売り出す様な、結果から逆算しているだけの傲慢な意見なのも分かっている。しかも自分は悲惨な結果になりつつある当時は座して見ていただけなのだ。今になったって俺に幸田先生を批判する資格はない。
「しかし大きな河だな!これが見れただけでも来た甲斐はあったよ!」
上手くいってる今の旅から何でか勝手に昔の上手くいってなかった最初の頃を思い出して、自分1人、勝手に少しブルー入った挙句、最後はモヤモヤしていた俺の横で、その上手くいってる今の旅の仲間であるクラウが、俺の暗い物思いを吹き飛ばす様に明るく言った。
とにかく、この女は明るい。
キャンプでは俺の指示に従って鼻唄交じりでテントを張り、時には近場で夕飯となる獲物を楽しそうに獲った。旅の最中に魔物が出れば囲まれてさえ悲壮な顔もせず、これまた俺の指示で妙に明るい感じで剣を振るう。挙句、道を歩いている時ですら飛び跳ねる様に楽し気に歩いている。
いいヤツと旅の棒組になったな。
彼女は道を2、3歩先に飛び跳ねて進み、クルッと振り向いて訊いてきた。
「この後はどーするんだ?」
楽しそうなのはいいのだが、旅については完全に俺任せだ。つか俺からすれば基本的な事すらいい加減な点が多い。ここまで1人でどうしてたんだ、コイツ?
だいたいこれだけデカい河を目の前にしてやることは1つしかない。
俺は答えた。
「近場の町に行って渡し守を探す。」
「ワタシモリ?」
「この河に橋とかはねえ…はずだ。だから渡し守というのがいて、船で向こう岸に連れて行ってくれる。」
「ほほー!それは楽しみだな!」
彼女はまた楽しそうに笑い、ちょっと真顔になった。
「…と、言う事は今日は町だな?」
「まあ…出来ればそうしたいね。」
「やったー!」
彼女は両手を上げて喜んだ。
「そろそろ風呂に入りたかったんだー!」
「…まあ、風呂とかがある町ならいいな。」
彼女は私の前で指を立てて振った。
「いや、それは違う!風呂のある町を探すんだ!」
彼女に言われて俺は自分の身なりを見た。
……まあ、風呂に入ってサッパリしたいのは同じだ。彼女の言う通り風呂のある町、風呂のある宿を探すべきだ!
「さあ、行こう!」
彼女はニコニコしながら半ば踊る様に歩き始めた。
底抜けに明るい彼女の言葉に俺も何か気分が晴れて、その後に続いた。




