030 後始末が完パケた後は自慢話?
全員がひと仕切り休んだ後、アルローラに声をかけられた数人が蛇の解体に取り掛かる。
参謀役のユーリさんが監督だ。
声が掛かったのは若いEクラス、Dクラスの連中だ。
よくある体育会的なイジメとかではない。経験を積ませる為だ。獲物の解体は冒険者なら場数をこなした方がいいし、中には解体から何かを学びとる奴もいるだろう。
そうは言っても大蛇だが体格だけは最早、竜種に匹敵するぐらいだから結構大変そうだ。
疲れてるだろうけど頑張れ!
ちなみに竜系統の魔物なら鱗、牙、爪、肉、内蔵に至るまで余す所なく利用価値があるが、まず基本的に魔物は食えない。竜種が例外なだけだ。
では他の部位に関してだが、蛇系はどうかというとコレが何とも使えない。肉は勿論食えず、足がないから武器の材料にもなる爪はなく、角が生えているわけでもない。鱗は竜とは違い魔力で固めてるだけで、死ねばアイアンスネークであっても普通の蛇より厚い分、ちと硬いかな程度。薄い亀の甲羅程度かな。
最初のうちは碌に攻撃も通らなかったが、大きなダメージを与えてからは比較的キズが与えやすくなったのは、弱って全身の魔力が弱まってきていたのと、長丁場の攻撃で鱗にだいぶ傷が入ったからだ。そう言った意味でも今回の場合、鱗もあまり使えそうにない。
結局、使えるのは牙だけだ。
討伐部位も牙だが、今回は大きさを示す為に下顎も持ち帰るらしい。逆に言えば、解体は下顎と牙を獲ったら後は適当に細切れにして燃やすだけだ。
「おーい、クリス!毒は使えんのか?」
解体中の下顎の下辺りに嫌な色合いの臓器っぽいモノが見える。ありゃ毒腺かな。
ユーリさんがそれを見て俺に声を掛けて来た。
「いや。止めといた方がいいな。」
ユーリさんが折角、声を掛けてくれたのだが俺は即答した。
通常の蛇毒なら実はそれなりに使える。
特に弓矢に塗る魔物から採れる毒としては比較的ポピュラーな部類に入るかも知れない。
が、それはあくまで通常の毒の話だ。通常、よく見る魔物から採れる通常よく見る毒の場合だ。
分かり易い話をすれば、レッドコブラの毒なら威力も扱い方も広く知られており、使い道はある。
毒はまずは効き目、そして取扱方法が分かっている事が最重要項目である。
その上で誤って自分または仲間が触れてしまった場合に備えて解毒方法まで分かっているのがパーフェクトだ。
そういう観点から考えると、まず効き目だが今回のビックヘッドは特異種だ。しかもレッドコブラの変異種なのかヒュージアイアンスネークの変異種なのかもよく分からない。偶然かも知れないが今回のビックヘッド戦では毒で殺られたヤツはおらず、直接噛まれたヤツはそのまま死んだ。毒の効果すらこの目で見ていない。従ってその毒がどんなものかも全く分からない。効き目も分からないのに解毒法も何もあったものではない。
加えて取扱だが、どういう風に効くのか分からない毒劇物は自分や周囲を危険にさらす可能性がある。服毒がマズいのか触れただけでもヤバいのか。はたまた過度の衝撃もアカんのかも分からない毒は専門の薬屋ならともかく冒険者では到底扱えない。魔獣の死骸を燃やして処分するのはごく当たり前の処分法なのだが、万が一、蒸発したら周囲に毒臭を撒き散らす様なものなんかだと目も当てられない。
それに液体のまま保管するとなれば、持ち歩くとなると漏れないようにするのが大変なので普通は好まれない。武器に塗って持ち歩くんだって取扱方法が分かった上で相当な注意が必要だ。元の世界の古い神話では退治した大蛇系統の猛毒を矢に塗って戦力の底上げをした話があるが、物語では全く触れられていないものの取扱には相当注意しただろう。神話の英雄が自分で矢を刺して死ぬとかアホ過ぎる。
要するに毒性、取扱方法、保管方法そして解毒法がキッチリ知られている毒なら使い物になるし貰ってもいいが、今回は何も分からない。俺個人で言えば、ミリーに数種類の毒は教わっているが、毒物の専門家ってわけじゃないから碌に調べも出来ないし、道具もないのにあんなデカい毒腺から安全に毒を絞り出すのも難しい。現状で特に新しい毒も必要としていない。
以上の理由から俺は「No!」を即答したわけだが、これは俺だけの判断ではない。罠猟をするヤツや、短いボーガンを持つ事も多い魔法使いも効き目は俺のミリー直伝のもの程ではないにせよ毒を使う事もあるが、それらしい連中も俺の意見に異を唱えることなく、皆一様に首を振った。
俺の知ってるミリー直伝の毒は作るのも取扱もとにかく楽だが、通常の毒劇物はそうじゃない。効けば絶大な威力を発揮することもある毒使いがあまり多くないのは、知識がないのに加え、とにかく取り扱いに慎重さが求められるからなのだ。
ちなみに剣に塗れば毒剣として使えるかも知れないが、毒の種類(酸性?アルカリ性?)によっては剣の寿命はガタ落ちになる上、手入れも碌に出来なくなるので剣は使い捨てになる。手裏剣とかである程度使い捨てが見込まれる武器ならいいが、それ以外では使い道がない。内容的に一撃必殺狙いかつ武器使い捨てでも結果最重要視の暗殺なんかでは使えるかもだが、俺ら冒険者にとってはコスパという意味でほぼ関係ない。俺ら冒険者は一応(?)、暗殺とかはご法度だ。
士官学校上がりで正規軍人崩れのユーリさんも薄々その辺りの事情は分かっていたのだろう。俺の即答と他の連中の否定的な様子も見ても特に反論もなく、ちょっと残念そうに「…仕方ねえな。分けて埋めるか」と呟いて、解体作業中の若い連中に声を掛けた。
「ソコの変な色のヤツは毒腺だ。直接手で触んじゃねえぞ。破かないように注意しながら引き剥がせ!」
先も言った通り、かなり苦戦した割には角も甲羅も爪もない蛇系統は得るモノが少ないからな。
ちょっとでも換金可能な成果らしいものがあればいいな、とユーリさんも思っていたのだろう。残念そうなのは理解出来た。
「おう、弓師!」
「ん?」
今の連中が疲れてきたら交替で作業とかもあるかな?と思いつつ解体作業を見ていると、今度はアルローラが横に立って話し掛けて来た。
「前に蛇系、殺ったって言ってたじゃねえか。でも、こんな大物はねえだろう?」
「ん~まあ、そうかもな。」
俺は改めてヒュージアイアンスネークの変異種を見た。
半分方、解体されてるとはいってもデカい。デカさだけで言えば、もう竜種に匹敵する。
「デカさ、だけで言えば一番かもな。」
アルローラは俺の言い様に彼は少し不満だったのか、眉を上げて聞いて来た。
「前に話してた仲間と殺ったってのは何だ?」
「あ?ああ…ありゃヒュドラだ。」
別に変な話じゃない。
ヒュドラは遭遇こそ滅多に無いから実際に見た、あるいは戦ったヤツは少ないかも知れないが、名前も姿も何も比較的ポピュラーな魔獣だ。
だから俺はサラっとゲロったわけだが、アルローラも含め周囲は空気が一点にすうっと吸い込まれる様な感じで沈黙した。
「………ヒュドラ?Aクラスの?」
「Aクラスだっけか?とにかく首が7つだか8つだかあって、口が臭くてかなわなかったぜ。」
俺の感想に周囲は更に空気が薄くなった感じで沈黙した。
確かに最初にヒュドラを見た時はビビったけど、その後は何回か殺ってる。慣れてみれば倒し方も俺ら的にはそう難しくはなかった。
最初の時こそ後ろ手に縛られてたからムリだったけど、基本、俺のレーザーでアタマを一斉に一瞬でブチ抜くか、マトがデカいのでマサさんが正確に一発で胴体をぶっ飛ばしたら終わりだ。首が多くて放っておくと復活するから云々かんぬんという話もあるが、実は基本は1個しかない胴体を派手にぶっ飛ばせば終わりである。マサさんの詠唱時間を稼ぐ間は襲って来たクビでも適当にアイーシャ達が斬って相手しておけば良かった。
勿論、慣れもあるし、ちゃんとハメ技にハマれば、という前提条件はつくが、防御が固くレーザーを強くしないといけない今回のヒュージアイアンスネーク特異種のビッグヘッドよりは楽だと思うし、最後の魔王城で見た竜の大軍に比べれば大した事はない。
けど、まあ、前回の俺らの旅は普通旅じゃないから、言っても分かんないだろう。
俺らの変な会話には滅多に混ざって来ないクラウも珍しく口を開いた。
「ヒュドラって……あのヒュドラか?」
「どのヒュドラかは知らんけど、ヒュドラ。口から毒吐くとかはよく知らねえ。そんな事させる前に潰したし。」
ユーリさんが呆れた様に口を挟んだ。
「……マジか?」
「いや、だからこの前もちっと話したけど、仲間が魔法で5つぐれえかな?…首を一気にぶっ飛ばして、反撃してきた尻尾を俺が今日みたく叩き落としたところで、仲間が残りの頭もコナゴナにぶっ飛ばした。だから何もさせんで潰したから相手の攻撃とかはよく分かんねえ。」
「……」
何となくいい気分になってきて(←バカ)、俺はちょっと胸を張った。
「1つ1つのアタマの大きさはこんなにデカくなかったから、結構、ヨユーだったぜ。」
余裕カマしてみたけど、よく考えていれば最初のヤツの場合、殺ったのは100%マサさんで、シイちゃんも何もしなかったけど、俺が蛇のドタマ、カッ飛ばした訳でもなでもねえなあ。
それなのに俺が自慢みたく語ってるって何なの?どーなの?(笑)
「ヒュドラって、アタマ潰しても直ぐに復活するって聞いてるけど…」
クラウが言ったが、俺、マサさん、シイちゃんのトリオに死角はない!
「おう?マサ…いや仲間の魔術師が3秒フラットぐらいでアタマ全部ぶっ飛ばしたから復活も何もするヒマなかったみてえだったぜ。」
「「「……」」」
だから何でいつもみんな黙る?
周囲の冒険者の1人からボソッと質問が飛んだ。
「オマエ、騎士団とかにいたのか?」
「あ?あ~騎士団の連中もいたはいたけど、ヤツらが駆け付けた時には終わってたからこの件だけで言やあ役には立ってねえなあ。」
「いや、そういう意味じゃなくてだなあ…」
「……まあ、いいや。後始末とこの場で出来る手当したら町に戻んぞ!」
何か最後の方は微妙な空気になったが、リーダーのアルローラが気を取り直して俺の限りなく他人の褌な自慢話を何とかたたんだ。
ビックヘッドを解体し終わり、解体作業をメインで担当した若い連中がグッタリしている横で、今度は俺らベテラン勢も混ざって例の穴掘りスクロールを大量に使って穴を掘って埋め、最後に若い魔法使いが火を放って燃やした。
ビッグヘッド戦でただでさえ魔力が低下していたところにもってきて、今回は焼く量が多く、若いEクラスの魔法使い2人はこれだけで完全に魔力を使い果たし、盛大な焚火の横でぐったりしていた。もっとも魔力のほぼほぼ尽きた彼らの火力だけでは全然足りなくて、結局、火のスクロールの大量投入が必要だったのはご愛敬だ。
ま、なにはともあれ、言い方がモロ昭和かも知れんが、何事も経験だ。お疲れさん。
毒腺部だけは穴を深めに掘って慎重に投げ込み、火を点ければ何が起きるかも分からないので、これまた慎重に、ギチギチに埋め戻した。
俺らがこの作業をやっている間に別の若いがDクラスの斥候が近場の村まで走らされて、運搬用の馬車を呼んできた。
そして討伐確認部位(+換金性のある部位)と、ひしゃげて役に立たなくなった武器や防具、そして殺られてしまった冒険者の遺体を数台の荷馬車に載せて、俺らはギルドのあるフルハットの町へ戻った。
一番近場の村では先に撤収して治療していたテオ一派と笑顔とハイタッチで合流し、3名のご遺体はフルハットに戻るまでに腐敗してしまうので、皆で手を合わせながらここで荼毘に付した。
討伐部位であるアゴと牙は、フルハットに帰った後でギルドで検分される。今回は相手が相手で、地元被害もデカかったから、検分は国の役人とやらも確認に来るらしい。
フルハットに戻るとギルド長以下からの歓迎と賞賛を受けた後、先に連絡を受けて準備されていた、簡単ではあるが亡くなった3人のギルド合同葬に全員で出席した。
「言い方はあんまし良かねえが…こんだけの討伐で3人しか死ななかったのは驚異的だ。」
アルローラが俺の方を見た。
「弓師が後ろからキッチリ守ってくれたし、最初に片目を潰してくれたからだな。巻き込んでくれたギルド長と旅の途中で参加してくれたアンタには感謝だ。」
彼の言葉に俺はちょっと動揺した。
前の旅で何度も何度も地方で暴れるAクラス相当の退治をやったが、褒められた事は滅多にない。いの一番に褒められるなど絶対ない。
コンビニで飲み物を買うとバイトの店員から「有難うございました」と声がかかる様なマニュアル的な形ばかりの感謝を示される事はあったが、勇者組はやって当然、という感じで心から礼を言われたり戦い方を褒められたりした事はほぼない。
動揺した俺が思わず周囲の様子を窺うように見ると、皆が笑顔で頷いている。
クラウは当然だ、という風に頷き、ガルも「おう!」という風に軽く手を挙げた。
「……いや…その…何だ…早めに斃せたんは前衛が削んのが早かったからだ。弓だけで倒せる相手じゃねえし…」
動揺して、その後はちょっとジーンときてモゴモゴ言ってる俺を尻目に、アルローラはクラウの方も向いて言った。
「前衛といやあ、連れのクラウ…さんも良かったぜ。正直、俺は流派の剣士があんまし役に立つとは思ってなかったんだけど、俺もヤバいトコを助けて貰った。あんがとな。」
対するクラウは素敵な笑顔でニッコリ笑った。
「そう言って貰えると私も嬉しい。旅の途中でいい経験になったよ。」
「「「……」」」
彼女の破壊力抜群の笑顔(俺にとっては本日2回目!)に皆、絶句して先とは違う意味で沈黙したが、その言葉には俺を除くほぼ全員がちょっとガッカリした雰囲気が漂ったのは仕方がないところだろう。
ただでさえ紅一点は人気が出ちゃう要素なのに、美人の彼女の周囲には、この短い討伐旅行の間にも多くの冒険者が集まった。
まだ討伐前で腕前も碌に見てもいないのに(俺が見てない所で!)「討伐が終わったら自分達のパーティーに加わらないか?」とストレートに誘ったのもいたらしい。
ましてや実際に腕前も目の前で見て何の問題がないとなれば、自分のパーティーに入れられるかどうかは別にしても残って欲しかった連中は結構いただろうけど、彼女はアッサリと旅を続ける宣言をしたのだ。
周囲のガッカリ感が理解出来、漸く自分の中の動揺も収まってきた俺はちょっと苦笑いだ。
彼女は風来坊の俺とは違い、明解な目的のある旅だ。
ここにいる間にワンチャン、彼女を口説き落とそうとする連中はまだいるかも知れないが、彼女は残らないだろう。
俺の存在はどうなんだって?
俺がどうこうは彼女の判断には何も影響を及ぼさないのは間違いないわな。
俺が旅立つと言えば今はツレだから一緒に発つだろうが、俺がここに残ると言えば彼女は「そうか。世話になったな」と1人でリバードアに向かうだろう。
最後にギルド長以下ギルドの職員から各々の活躍ぶりを聞かれ、つまり報酬の査定を受けた。そして賞金を山分けした。
結構な人数だし、活躍度合いによって各々が手にした額には多少の傾斜はあったが、元の額が額だけに全員に結構な額が行渡った。俺だと半年分に少し欠けるぐらいの額だ。金出した何だっけ…何とかロードさんとかってのは領主でもないのに大したモンだな。
死んだ3人のうち、1人は親兄弟がこの町に住んでおり、もう1人は結婚していて子供が1人いたから、この2人の遺族にはアルローラが身寄りがいなくて死んだ1人分を分ける形で見舞金として賞金分けを提案し、俺らは誰も異論なく頷いた。ギルド長も特例として認めた。
こういうところがアルローラがリーダーとして扱われる所以だろうし、誰も異議を唱えないこのギルドの雰囲気がいいと思うところだ。
言うまでもない事だが、本来、死んだメンバーに賞金の分け前などないのだ。
賞金の山分けとは別に冒険者としての実績査定もある。今回の討伐はギルドでの仕事請負実績として各個々人に反映される。
先ずは見事にビッグヘッドを誘導して連れて来たテオ一派は全員が一段昇格、リーダーのテオともう1人はB、残りはDからCクラスに昇格が決定した。
彼らだけで倒したわけでも、討伐の本番にいたわけでもないが、一番危険度の高い役割を引き受けた度胸と蛇相手には不利な暗闇の中、半日がかりでビッグヘッドを誘導してきた腕前を高く評価されたのだ。
リーダーのテオは「おっしゃあ!苦労した甲斐もあったってもんだぜ!」と飛び上がってガッツポーズをし、彼らとこれに全く異論がない俺らは拳を合わせて喜びを分かち合った。
他のCクラスの連中も実績を評価され、Dで参加した連中は流石にこれだけで昇格とはいかないが、戦歴としては大きく評価されたから、Cクラスへの昇格が見えて来た連中も多いらしい。
そして俺らを率い、戦闘でも率先して突進して最後はアタマの1つを戦斧2発で叩き潰したリーダーのアルローラはAクラスへの推薦が決まった。
「Aは流石に1つの町のギルドの一存じゃ決められない。年に1回、国のギルド長が集まる会議が…ちょうど来月あるから、そこで推薦するつもりだ。」
一応、手続き的にはそういう話だが、ギルド長の言い方、顔付から想像するに実際にはほぼ決まりなのだろう。
甲子園への出場校を決めるのは高野連だが、地方大会を制すれば出場はほぼ決定だ。
自分の町、自分のギルドからAクラスが出るのは、これも甲子園と同じく、例え野球部OBでなくとも自分の出身校が出場すれば嬉しく誇らしい事で、他人に自慢話も許される。
と、いうより皆で戦った結果だ!
最初のヒュドラの時とは違い、今回は俺も充分に戦力になったと自信もある!
例えて言えば、同じ野球部で甲子園に一緒に出たメンバーがプロ球団からドラフト1位で指名された状態に近いだろう。
ギルド長の言葉に俺もクラウも含め全員が「おしっ!」とガッツポーズをし、アルローラはらしくなく照れて頭を掻き、その後で皆のハイタッチを受けた。
必要な話が終わった後は、討伐に参加しなかった者も含むギルド全員で、太っ腹なギルドの奢りで盛大な宴会に雪崩れ込んだ。
王都から地元のギルドが協力しないから、と騎士団派遣を断られた手前、今回の一件は実はここのギルドの威信も掛かっていたのだ。首尾良い結果に太っ腹な宴会も頷ける。
ギルド全部持ちとあらば元々遠慮とかと無縁な我々に手加減などない。全員がぶっ倒れるまで飲んで、俺とクラウはお互いにお互いを支えながらフラフラと宿に戻った。
だからその我々を宴会の陰で見ていた人物には全く気が付かなかった。
相変わらずのスローモーな展開ですが30話まで到達しました。内容もやっと冒険らしくなってきた…かなと思っています。
ここまで読んで戴いた方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
これからも続けていく力になりますので、気に入られた方は「読んでるよ」という印代わりにお気軽にブクマ、評価、感想をお願いします。




