#87 優衣奈を取り戻せ!
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#87 優衣奈を取り戻せ!
2月。
楓に憑りつけられた吸収魔術を解除するため翻弄していた私たち。
魔力を使わずこの魔術を仕掛けた人物を特定する必要があり、なんとか特定に成功していた。
ところがその際私とディエルは魔力を消耗してしまい
フィレッチェによって私だけ先に魔力エネルギーを回復する。
このまま魔術を仕掛けた人物副署長NEOと戦い勝利することで楓の吸収魔術は解けそうだが、
その前にまずは優衣奈の魔力の回復を提案。
なぜならこの戦いに参加できるのは限られているし、その上で
優衣奈の力も必要不可欠だと感じたから。
...それに、私だってまだ魔力の量が完全回復していなかったものね。
いずれにしても今すぐ戦うにはまだ準備不足である。
途中、バーランドの焦りも感じられたがなんとか優衣奈の魔力の回復について合意。
そんなわけで今は通常通り学校での生活を過ごしているのであった....
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ある日の昼休み。
いつものように私たちは5人集まって会話とお弁当を広げる。
「それでさー、優衣奈ってばお釣り間違えちゃってさー....!」
まあ会話と言ってもただの雑談みたいなものよ。
楓、藍、美歩を中心に盛り上がっている。
そして私は特に興味がないためいつものように魔術書を読みながら話半分に聞いていた。
すると.....
「...ん?どしたの?」
「え...?い、いやー?なんでも...?」
話をしていた楓だが、何か様子がおかしい優衣奈のほうを気にかける。
待って、それって.....
私は知っている。
たくさんの魔術書の中にそれらしい文献があったことを。
そう....もしも魔力を持つ者が長い間魔力に触れなかった場合、
この失った魔力のひずみを自力で解決しようと何か思い出そうとする。
今の優衣奈から察するに楓に何か違和感を感じていたのだろう。
しかしもしもそこで魔力のことを自分で思い出してしまえば、
以前の記憶は上書きされてそこから新たな魔力の記憶だけが作りこまれる。
つまり私たちとの日々の記憶は消え去り、魔力の記憶だけを取り戻す形になってしまうのだ。
これは....今日で回復させるしかない......
私は読んでいた本を閉じ、優衣奈のところに行って呟く。
「放課後、私のところに来て。」
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...放課後になった。
楓たちには無理言ってみんなと仕事を交代し、優衣奈と私はお休みということにした。
これで安心して優衣奈の魔力を戻せる。
優衣奈と合流し、誰もいない空き教室のところへと歩みを進める。そして....
「もしもし、楓。もう駅には着いた?
....うん、こちら準備完了。着いたらまた連絡して。それじゃ....」
楓には既に町の外へ行ってもらうよう指示してある。
さらにそのとき、今日、明日で副署長NEOと戦うことも決意した。
当然そのことはカレー屋のみんなにも連絡済みである。
それだけでなく....
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「...なるほどなるほど。そうなるとこの戦いが終わるまで楓さんは帰ってこれませんね。
分かりました、こちらで都内のホテルを手配いたしましょう。」
昼の間に福岡先生にも報告していた。
明日からの数日間、楓が休みになることを報告しに行っただけなんだけど....
なんとホテルまで手配してくれることに。
これはもう後戻りはできないわね....
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ガチャ...
電話を終え、私は教室の内側から鍵をかける。
ここで誰かが入ってきてしまったら大変だから....
2人きりになった空間の中、優衣奈のほうは緊張しているようで.....
「ちょっ....えっ....?!」
「大丈夫大丈夫....別に....あなたを本来の姿に戻すだけだから.....」
「いや、全然大丈夫じゃないんですけどこちとら?!」
慌てながらも怖がってはいないようにくみ取れた。
するとしばらくして、私のスマホから着信音がする.....
「はい、もしもし。....着いた?了解。じゃあ終わるまでその辺ウロウロしてて。」
楓が着いたのはこの町からデンシャで15分ほど先にある浦安という場所。
ここなら間違いなく魔力エネルギーの範囲外だし、かつその先にあるトウキョウとう街へ
行くための最短ルート上にあった。これであとは魔力を分けるだけ。
ちなみに楓はトウキョウへ行く必要はなかったけれど
福岡先生が手配したホテルがたまたまトウキョウにあったから行くことになっただけ。
さらにこのあとリアンが合流して楓としばらく過ごしてくれる。
電話を切り、スマホをカバンにしまった私は魔力を集中させる。そして.....
「魔力よ....彼の者に正しき力を与えん....」
次の瞬間、部屋が大きな光に包まれたかと思うと目の前は真っ白になっていき.......
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「.....優衣奈....分かる?今のが魔術で.....」
「ああ、思い出した!!!私、楓に魔力を吸収されてたんだよね?!!」
無事に優衣奈に魔力を取り戻すことができた。
これでたぶん魔力が上書きされることはないはず。
「もしもし、楓...?ええ、上手くいったわ。やっぱり魔力を吸収できるのは
この町の中だけだったみたい。協力ありがとう。それじゃ....」
すかさず私はもう一度楓に連絡し、そのまま教室にかけた鍵を開けて
優衣奈に外に出るよう促した。そして....
「....まだ終わってないわ。一緒に楓の吸収魔術を解くのを手伝ってちょうだい。」
「ああ...ええっ?そ、そっか....」
優衣奈はまだ魔力を受け取ったばかりで完全には理解していない。
そこで優しく今起こっていることについて教えてあげることにした。
「そう....この吸収魔術、実際には魔力が動いたときにその反応を検知して吸収している。
だから優衣奈、あなたは楓のことを心配しすぎたあまり無意識のうちに
吸収魔術を感知し続けたからすべての魔力を吸収されたというわけ....」
なるほど....と納得している様子の優衣奈。
しかしまだ気になることはたくさんあるようで.....
「ねえ、それで?楓はどうなるの?つまりこの町で楓と会うことはできないってこと?」
「....まあ....しばらくそうなるわね。
大丈夫、このことは店長や福岡先生にも知らせたうえで
トウキョウのホテルに宿泊することになったから安心して。」
「いや、そういう心配じゃなくて.....」
今ので優衣奈が気になっているであろうことはなんとなく分かった。でも....
「...ええ、分かってる。きっと一人じゃ心細いだろうからリアンを派遣して....」
「その心配は....!大事だけど今聞きたいことじゃないの!ねえ、教えて?!」
試すようにあえて焦点をずらすと優衣奈は力強く私の肩を揺らしながら質問してきた。
これは....彼女も本気なのね...
「分かった分かった。じゃあ楓の吸収魔術を取り除くにはどうすればいいと思う?」
優衣奈の本気が分かったところでここからは真面目に返答する。
「んー....私たちが魔術で吸収魔術を解く、とか...?」
「それだとダメなの。魔術を感知した瞬間、楓の吸収魔術が反応してすべて失われる。」
「つまり帰ってこれないじゃん!!」
まだ何も分かっていないわね....
私はそっと首を横に振ると、廊下側の窓から見える警察署のほうを指す。
これには優衣奈も驚いた顔をしていた。
「そのまさかよ。ええ、魔術を施した本人を倒して魔力を解除すればいいの。」
「なん...ですとー?!」
この話のあと、私は勢いよく優衣奈を引っ張り、
カレー屋へと強引に連れていくのであった....。
続く....
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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