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#83 吸収魔術の秘密

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#83 吸収魔術の秘密


1月終盤のある日。


魔王の弟に襲われてから半月、向こうもエネルギーを切らしているのか

なかなか襲って来ない。


その間に奇跡の雫の準備を進めることにした私たち。

ところがその最中、楓から妙な魔術(違和感)を感じた。


それはなんと楓にかけられた吸収魔術で、優衣奈の魔力を吸収していることが判明。

この件で楓と優衣奈にも帰ってきてもらい、さらには店長とも話をつけて

カレー屋を休みにしてもらうこととなっている。

それに伴い真乃は先に帰ってもらった。


そしていよいよ楓と優衣奈が帰ってくるのである....


--------


「お帰り、楓。早速ですまないが2人に話がある。」


「うん、わかってる....」


とりあえず楓と優衣奈を席に座らせて、周りのテーブルにみんなが座る形に。


「何何何?カレー屋を休みにするほど大事な話って聞いたけど...もしかして魔術とか?」


バーランドが言った言葉に、私は何か違和感を覚えた。

あれ....魔術って....な.....


「みんなどうしたのそんな神妙な顔して!

今日カレー屋休みなら私、来る必要なかったんじゃない?」


すると突然、優衣奈はそんなことを言い出す。

確....かに、優衣奈はただのアルバイトでクラスメイトなのだからここにいる必要ないのでは?

ってかこれ何の話だっけ......


「....いや、今のあなたのことを知らせたかったの。

たぶんだけど、私が優衣奈の魔力をすべて吸収したせいだと思う.....」


さっきから魔術とか魔力というワードに引っかかる。

するとそのとき....


「おい、これは思っていたより危険だぞ!

フィアラ、今度はお前が楓の吸収魔術にかかっている!!」


「....?」


突然おかしなことを言うフィレッチェ。

私が.....楓の吸収魔術にかかっている.....?


「そ、そういえば確かにフィアラ、さっきから口数少ないよね.....

魔術のときはもっと説明してくれそうなのに....」


「言われてみれば....そうかも?」


バーランドとリアンにも心配される。

そうかしら。ただ、黙って話を聞いていないとなぜか理解が追いつかないから.....


「しかしこの吸収魔術は二重干渉は不可みたいだな。それだけが唯一の救いか....」


「ねえ、分かるように説明して。」


私は思わず声をあげてそう言ってしまった。

本当に何を言っているのか分からない。


「...今のお前に何を言っても分からない。

あとで説明するから誰か楓を連れてこの町の外へ出てみてくれないか?

でないとじきに全員の魔力が吸収されてしまう......」


「分かった!じゃあ私!行こっかな!?」


よくわからないけど楓と一緒に町の外へ行くことになったバーランド。

それ以外のみんなは、フィレッチェによって現状についての説明がなされていた。

一応私も聞いてみることに。


「な、何がどうなっているというのだフィレッチェ君....」


どうやら店長もあまりよくわかっていない様子。優衣奈はそもそも聞いてすらいなかった。

ここから真剣な眼差しでフィレッチェが話を続ける。


「ああ....楓には今、魔力を感じた相手からその魔力を奪い、

吸収するという魔術がかけられている。」


魔力を...奪う魔術....?


「魔力を感じるというのはつまり、楓以外がその吸収魔術を感知したり

もしくはどこかで魔術を使用したときに発生するエネルギーを感知することだ。

要するに魔力が動いたところに反応して吸収を行っているわけだな。

逆に言えば魔力を意図して止めれば吸収は防げるということでもある。」


「ふむ......よくわからんの。」「ええ、私も。」


しかし結局私や店長には伝わらなかった。

やれやれと額に手を当てるフィレッチェ。


「私は....今ので分かりましたよ....?

簡単に言うと、電池が電子の流れに反応して機械が動くのと同じで、

楓ちゃんが魔力の流れに反応して吸収しているんですよね....?」


「うむ.....電子、というのはわからんが大体そういうことだなリアン。」


珍しく人を褒めるフィレッチェに、まんざらでもないという顔をするリアン。

そんなリアンの説明は店長にも分かったようで、


「なるほどなるほど。だから楓が町の外に行くことで

電池そのものを外そうというわけだな。そうすれば吸収魔術は止まる、と....」


納得した表情で頷いていた。

ところがその後再び顔を曇らせてしまう。


「だが仮に電池を外したとて、楓がここに戻ってくれば

結局また電子に反応してしまうだけなのではないだろうか....?」


「いいや、それは大丈夫だ。

少なくともこの私は自身の魔力を制御することができる。楓の魔力に反応しないようにな。

フィアラもそれは可能だろう。」


「じゃあどうして今回は....」


「それは恐らく優衣奈の魔力を吸収し終わった直後だったからだ。

フィアラは直前まで優衣奈と楓の魔力を感知していたのだろう?

制御する間もなく吸収されはじめるのも無理はない。」


なるほど...とリアンと店長は納得した表情を浮かべる。

一方で私は何が何だかさっぱりわからなくて話に入る余地など一切なかった。すると....


「ねえねえ、話終わったー?...そうだ、私ゲームがしたい!

最初ここに来たときフィレッチェとディエルで遊んでたよね?!」


私より暇でただテレビを観ているだけの優衣奈が話に割り込んできた。

ああ、あなたは話聞いてすらいなかったものね。

一方それを聞いたフィレッチェはなぜだか嬉しそうに立ち上がる。そして....


「おお、ならばそろそろアイツを起こそう。ちょうどフィアラの魔力がなくなったことで

アイツへの催眠魔術も効果が切れそうだったからな。時間は大丈夫か?ならついて来い。」


早口で説明すると優衣奈を連れて2階に上がっていくのであった...。


--------


プルルルル....


それからしばらくして。

カレー屋に設置された固定電話から音が鳴った。

店長がすぐに受話器を取る。


「はい、こちらカレー屋MKスパイスです....ってなんだ楓か。どうしたんだ?」


MKスパイス....

へえ。はじめて聞いた。まさかそれがこの店の名前だったりしないわよね....?


「....うん?おっ、そうか。今もう都内のほうにいるんだな。

....分かった、フィアラの様子を見てみる。」


電話を切ったあと、店長は私に話しかけようとする。

するとちょうど2階から降りてきたフィレッチェが店長を止めて、


「いや、大丈夫だ。よくやったな。

これで魔力を分け与えることができるはず....」


あとは任せるよう指示する。そして.....


「魔力よ....彼の者に正しき力を与えん....」


次の瞬間、部屋が大きな光に包まれたかと思うと私たちの目の前は真っ白になって....?!


-------------


「これでどうだ、フィアラ。思い出しただろう?」


「....!!私としたことが.....」


確かに全部思い出した。

楓に憑りつけられた吸収魔術に魔力を吸われ、

魔術の記憶すらあやふやになっていたことを....。


あとはこれから楓の吸収魔術をどうすればいいのか....

再びみんなで話し合いを続けていくことになった。


続く....


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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