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#84 吸収魔術を解くために....

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#84 吸収魔術を解くために....


2月になった。

楓につけられた吸収魔術により魔力を吸収されてからしばらく経つ。

時間が経った理由はシンプルで、私の魔力量を元に戻すためだった。

魔力エネルギー自体は魔力を持つ者から分けてもらうことで瞬時に回復するが

魔力エネルギーの量に関して言えば元に戻るのに2、3日かかるのである。


ちょうどあれから3日ほど経った頃で、その間は楓についても普段通り学校に行ってもらいる。

私やフィレッチェについては一度その吸収魔術の仕組みを理解しているので

意識して魔力を感知しないようにすることが可能だったからだ。


逆に優衣奈に関しては、いちばん最初に吸収されていたということ観点から

恐らく私たちみたいに意識して魔力を感知しないようにすることができないんだと思う。

そのため根本的な原因が見つかるまではまだそのままにしておくことにした。


一方で、近くにいる店長や福岡先生、校長といった面々はそもそもが魔術の使えない世界で

生まれた一般人なので魔力を吸収されても記憶まであやふやになることはない。

そしてバーランドやリアンは元々の職業が戦士、武闘家なので魔力を感知しても意味はない。

だから皆吸収されないのである。


そしてもうひとり、ディエルはというと.....


「くかーーっ!!」


魔力を使うことができないので直接催眠の粉を昨日の料理にふりかけてやった。

どこから手に入れたのかは秘密にしといて。。。


そんなある日のこと。

今日は学校が休みでありさらに私の魔力量も戻ったので

根本的な原因を探すべくフィレッチェたちと調査を進めていくことにした....。


-----


「ふむ....まず、吸収魔術をかけた相手はほぼ確実に魔王の弟かその手下だろう。

つまりその出どころを調べる必要がありそうだな。」


カレー屋の2階。後ろでディエルが眠る中、

フィレッチェ、私、バーランドにリアンの4人は話し合いをはじめる。


さすがに毎回カレー屋を休みにさせるのは申し訳ないので

楓や優衣奈、真乃に仕事を任せた上で調査することになったのだ。


楓は吸収魔術こそかけられているもののそれ以外は問題ないし、

むしろ下手に動いて魔王の弟たちに警戒されては困る。

優衣奈は今、魔力を持っていないのでただのバイトとして認識していて

真乃については魔力のことを伝えてすらいない。


「ええ.....ですが魔力を使わずどうやって調査すればいいのでしょう....」


そう。魔力を使った探知ができればもっと早くに調査は終わっているはず。

リアンの言う通り魔力を使わず調査するということに苦戦していた。


「そうなんだよねー。これについてはどう思いますか、フィアラさん?!」


...と、ここでいきなりインタビュー形式で話を振ってくるバーランド。

ちょっと....今は真面目な話しているの。

でも....


「....まあ正直なところ、魔力が使えないのであれば

警察署付近を調査して怪しい奴を見つけ出すしかないわね。

それか、魔王の弟の手下たちを片っ端から攻撃するとか。」


「え、ええー....?」


いつもは逆の立場にいるバーランドにちょっとだけ引かれた。

いや、だから...!警察署を襲いに行くっていうのはあくまで最終手段なの....!


するとこの話を聞いていたフィレッチェは今一度考えこんで、


「待て。フィアラの言う通りかもしれんぞ。魔力を使わず、警察署の張り込み調査する。

それが一番手っ取り早いであろうな。」


私に賛成する意見を述べる。さらに...


「わ、私も賛成です....!魔力を動かさず調査するにはそうするしかないと思います....」


リアンまで賛成だった。

これで多数決だと3対1に。


「で、でもでもでも....!警察署付近を調査するっていったって

相手は数十人から数百人いるんだよね?!

その中からどうやって怪しい奴を見つけ出せばいいの!!」


しかしバーランドはまだ納得できていない様子。

確かにそれについてはちゃんと考えないと

怪しい奴を見つける前に自分たちが怪しまれてしまうという危険があった。

だから何も言い返すことができない。


「.....」


するとフィレッチェは、

寝ているディエルのほうを振り返って無言のまま私たちに伝えてきた。まさか....


「えっ!!もしかしてディエルを囮にするの?!」


-----------------------------


...フィレッチェの作戦はこうだった。


まず、ディエルを起こして警察署へ連れていき

あえて魔力を感知させる。


その間、私とフィレッチェが隠れてその吸収されている魔術を感知する。

吸収しているのは楓なのだが、さらに辿れば

楓に引っついている魔力を感知することができるのだ。

吸収魔術といえど元の操っている側も微量の魔力を消耗し続けているのだから。


それはつまり、ディエルの魔力を囮にしたまさに一発勝負の危険な作戦であった。

なぜならディエルの魔力が切れるまでに正体を見つけきれなければ

私やフィレッチェもろとも魔力を吸収されてしまうから。


「...ええ....本当に大丈夫、なの....?」


バーランドはとても心配そうにする。

確かに安全策ではないがどちらにせよ見つかったら終わりである。


「私は覚悟できたわよ。それに、あんまり敵を見つけるのに時間をかけすぎても

その間に奴らの魔力が溜まってしまったら元も子もないし....」


「その通りだ、バーランド。何よりお前は

ディエルと共に逃げまわればいいだけだから負担は少ないではないか!」


「そ...そんなことないけど....!!」


なかなかバーランドの覚悟が決まらない。

このままでは言い合いになってしまいそうである。


「違うよ...!私は....!ただもっと安全に、

もっと確実な方法がないのかを探りたかっただけ....!」


バーランドの言いたいことも分かる。

確かに彼女は人々を守るために戦士としての役割を受け入れていた。

だから自分ひとりでは守りきれない可能性がある作戦をあまり受け入れられないのである。

すると....


「大丈夫.....バーランド.....2人を信じて.....」


リアンは優しくバーランドの肩に手を置いて話を続けていた。


「そう...戦士や武闘家は、ただ最初から負けることを受け入れたりなんかしないでしょ....?」


この静かで熱い言葉にバーランドははっとした表情を浮かべて顔を上げる。そして.....


「....ふふ...そうだね....私が間違っていたみたい.....

....よしっ!分かった!!その作戦、一緒に戦わせて!!

ただし絶対にみんな無事に帰ってくること!!いいわね?!」


よかった...

いつものバーランドに戻ったみたい。


こうしてディエルの囮作戦で吸収魔術の出どころを調べることになった私たち。

果たして無事に魔力を吸収されることなく出どころを突き止めることはできるのであろうか....


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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