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#78 奇跡の雫の作り方

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#78 奇跡の雫の作り方


1月8日。

結局あれから奴らの動きはなく穏やかな日々が過ぎていた。

この1週間、楓や店長たちに奴らのことを警戒させないように気を張っていたが

何事もなさすぎて一緒に休日を満喫していたのである。

ディエルはあれから眠ったままで、カレー屋も年始休みだったからまあ....

ちょうどよかったのかもね。


そして今日からカレー屋及び学校が再開する....


--------


朝。

久しぶりの学校に気合を入れる私。

もちろん楓も一緒に登校した。


「あ、おはようございます、楓ちゃん、フィアラちゃん....!」


教室に行くと、真っ先に藍が話しかけてくる。

すると....


「ちょっと藍。今年初なんだからそうじゃないっすよ。」


いつものノリで美歩が入ってきた。

まったく....この2人は相変わらずね。


「...え?..あ....あけましておめでとうございますっ!!」


そうしていきなり頭を下げるものだから藍の目の前にいた私は頭をぶつけてしまう。


コンッ...


「痛っ...」


「ごっ.....ごめん、なさい.....!!」


藍は慌てて謝罪する。

その姿にちょっといじってみたくなった。


「ねえ....?余計なことしたら友達辞めるわよ...?」


「ひいっ!?」「いや、罪重すぎ。」


なんてね、冗談、と私は笑う。

休みの間、楓たちと過ごしていたおかげですっかり人慣れする私なのであった。


---------------


「えー、皆さん。明けましておめでとうございます。

いよいよ3学期のはじまりですね。皆さんの今年の目標は......」


続いて体育館で行われる始業式。

と言ってもこの式の半分以上が校長の話だった....。


----


昼。


みんな帰る準備をし、それぞれ解散。

そうだ、始業式の日は特に授業ないんだっけ....

私は楓と一緒にカレー屋に戻るため廊下を歩いていた。

すると....


「フィアラさん。ちょっといいですか。例のことでお話が....」


「...はい、なんでしょう。」


ちょうど、すれ違った福岡先生に捕まってそのまま校長室に行くことになった。

楓には先に帰っておくよう指示しておく。


「了解。じゃあ先帰って準備しておくね。」


-------


校長室にやってきた。

そこで校長が小さな紙を眺めて待っている。


「校長。フィアラさんを連れて来ましたよ。」


「おお、かたじけない。」


校長は早速、持っていた紙を私に見せる。


「実はだな、去年の年末、大掃除のときにこの紙が家にあったことを思い出してな。

この前は急な出来事すぎて持っていけなかったのだが....」


そう説明しながら校長が見せてくれた紙には、

なんと奇跡の雫の作り方が書かれていた....


[奇跡の雫の作り方。


その1。ビンに水を詰めるべし。


その2。ビンの水を沸騰させ、カフェインを加えるべし。


その3。知恵の実の粉を加えるべし。


その4。最大限の魔力を込め、それらを3分間混ぜるべし。


完成。


※ただし、完璧な状態に保つには最も若き魔力エネルギーが必要。]


「これは....」


思ったより簡単である。

もっと複雑な工程があるかと思ったけど、これなら.....


「うむ....ビンとカフェインはなんとかなりそうだが知恵の実の粉というのがどうも.....」


「いえ。フィレッチェが持っているはずです。帰ってからちょっと聞いてみます....」


「なんと....!?」


知恵の実の粉は、向こうの世界でディエルを覚醒させるため

フィレッチェが小人族から持ち帰った粉。

あのとき投げ入れた粉がきっとまだ余っているはず.....


なんて期待はすぐに裏切られることとなる.....


-------------


「は?知恵の実の粉....だと?

何を言うフィアラ。そんなものとっくに使い切ったではないか。」


....この日の夜。

早速フィレッチェに知恵の実の粉のことを話すがさすがに粉は余ってなかった。

はい、期待した私が馬鹿でした!はい....!


「えー、でも知恵の実の粉がないと奇跡の雫は作れないんだよね....?どうするの?!」


するとそのとき、カレー屋の仕事を終えて帰ろうとした優衣奈がやってきた。

話が聞こえていたようで、何のためらいもなく続ける。


「知恵の実の粉....?それって、小人族が守ってきたという伝説の実....の粉....?」


「...?!」


なるほど、そこまで知っていたとは.....

だけどどうして....


「あ、ごめん。実は私、ちょっと前に小人族がいるの見つけたんだよね。いつもの公園で。」


「いつもの公園.....だと?それはど....」


「落ち着いてフィレッチェ。」


私も気になることはたくさんあるけれど、ひとまず優衣奈の話を聞く必要があると感じた。

焦るフィレッチェを押さえて続きを聞く。


「....うん、それでそのとき知恵の実や世界の危機について教えてもらったんだよね!」


「そんな簡単に教えていいのか.....」


知恵の実とは、神より与えられし伝説の実。

与えた者に真なる力を与え、それはときに世界を変えるほどの変化をもたらす。

そのため実は神による結界で守られており、心が清く正しい者しか手にすることができない。


そして小人族はそんな神から認められた神聖なる一族だ。

知恵の実で力を得て、人間族より高度な文明を築くことができる。

よって彼らはその力でおよそ100年かけて育つ知恵の実を

たったの数か月で育てあげることができるのであった。


....しかしそんな小人族や知恵の実の存在は通常外から認知できる存在ではない。

知恵の実を狙った人間族に襲われてからは魔力を持つ者しか認知できないのである。

というとはやっぱり優衣奈にも魔力が....


するとここで優衣奈は口調を少し変え、話を続ける。


「....それで.....知ってるよ....?

この世界を救うには奇跡の雫が必要で、その材料である知恵の実を探してる、ってことも....」


「......は.....い.....?」


まさか....今までのこともすべてお見通し?!

そしてここまで話を聞いていたフィレッチェが言う。


「話が早くて助かる。ならば早く知恵の実の粉をフィアラに....」


ところがそのことについても知っていた。


「いや、それがね。知恵の実を混ぜるのは

この世界で最も若き魔力エネルギーを持つ子孫じゃないと安定しないんだって。」


.....そういえば昼の校長が持っていた紙にそんなことが書いてあったような。


「....校長の娘っ!彼女がこの世界で最も若き魔力エネルギーを持つ子孫だって言ってたよ!

はい、これで全部託したからね!!私、あなたたちの役に立ったでしょ?!」


...と、ここまで話し終えると優衣奈はいつもの口調に戻っていた。

にしても小人族はどうして優衣奈にここまで教えたのだろう。


すると....


「あれ?優衣奈まだ帰ってなかったの?明日学校だしそろそろ帰ったほうがいいよ。」


「わあ、ほんとだ!!そんじゃね!」


楓に催促されすぐにカレー屋を出ていく優衣奈。

とりあえずこれからは、優衣奈も作戦会議に参加させようと.....

そう決める私なのであった。


続く....


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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