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#75 年明けは絶望と共に

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#75 年明けは絶望と共に


12月31日になった。

間もなく世界では1年が終わり、新しい年がやってくる。


それはどの世界でも同じだが、まさかイセカイで年明けをするなど夢にも思っていなかった。


「....今年は色々あったねー....」


...夜。楓はテレビを眺めながら言う。

さすがにカレー屋も年末年始で休みである。


「年明けかー。なんかこう、今年最後の日っていつもよりソワソワしちゃうよね!」


バーランドもテレビを見ながら言う。


「おっと。もう間もなく年が明けるみたいだぞ、みんな!」


すると店長が厨房の片付けを済ませみんなのいる客席テーブルのほうに戻ってきた。

みんな、とは言ったがディエルだけはいない。彼は....


「くかーっ!!」


実は、今日のアイツの晩御飯である年越しそばに

こっそり睡眠魔術を仕掛けていたのである。

と、年越しくらいゆっくり過ごしたかったから.....!!


そんな風にひとり考えていると....


「3、2、1......明けましておめでとーう!」


楓のカウントダウンでぬるっと年が明けるのであった....。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------


翌朝。


1月1日の朝をこの世界では元旦というらしい。

ただ、午後を含めた1月1日のことを元日という。

私が起きた頃はまだ元旦だった。


「おはようございます.....」


....すると私よりも早く起きていた店長が

テーブル席のほうで何か書いている。


「おお、起きたか、フィアラ。」


私は店長が何を書いているのか気になったので直接聞いてみる。


「あの....それは何ですか、店長.....」


「ああ、これか?これは....ほら、今年の目標だ。

一年の計は元旦にあり、というだろう?だから今年一年の目標を立てているところでな....」


へえ....この世界ではそんな習慣が....

ちなみに店長はどんな目標を立てているのかちょっと覗かせてもらった。


なるほど....年間売上1000万円、新メニューの開発....?


「あ、ハハハ.....そんなまじまじと見られるとちょっと恥ずかしいな....」


するとここで楓やバーランド、リアンも起きてきた。そして....


「みんなおはよう!....ってあれ!何してるの、店長!」


やっぱり私と同じところで引っかかるバーランドなのであった....。


-----------------------------------------------------------------------------------------------


「ククク....盛り上がっているようだな.....」


警察署の署長部屋。

以前の警官訪問で居場所を突き止めていた彼らは

そこに盗聴魔術を仕掛け動向を追っていたのである。


「いよいよ作戦決行ですね、署長......!」


「ククク....では夕方、奴らを包囲して連行だ!」


------------------------------------------------------------------------------------


夕方。


私たちは外に出ることもなく家でゆっくり過ごしていた。

すると....


ウウー.....


たくさんのサイレンの音が聞こえてきた。

しかも確実にこちらへ近づいてきている。


「なんだなんだ。元日から騒がしいな....」


そうして店長が窓を覗いていたところ....


「公務執行妨害で逮捕する!」


「は....?」


ガチャン.....


突然、店長は警官に捕まってしまう。

そして次々に警官が入ってきて私たちのことまで捕まえにやってきた。


「こちら新京市。警察への暴行、器物破損により現場の7名を現行犯逮捕しました。」


[うむ、ご苦労....]


「ちょっと....!離しなさいよ....!」


私たちは必死に抵抗した。しかし....


「うはっ...?!」


警官に強く腹を蹴られ、

そのまま意識を失ってしまった......


------------------------------------------------------------------------------------


「.....?」


次に目を覚ますと、そこは薄暗い牢の中だった。

隣にはディエルにバーランド、リアンにフィレッチェがいる。

一体何が起こったというの....?!


「ククク....久しぶりだな、勇者たちご一行よ....」


脳に響く低い声。まさか.....


「この間はよくもまあ勝手なマネをしてくれたなぁ。んん?」


やはり魔王の弟の声。

ということはここは例の牢獄である。


「しかし貴様らが本当に馬鹿で助かったよ。

皮肉にも、そのおかげでこちとら魔術の封印を解くことができたのだからなぁ。」


魔術の封印....まさか.....!


「ほほう....?今さら気づいたというような顔をしているな。

もちろんそうだとも!あのとき貴様に封印魔術を解く方法を教えたのは

校長に憑りついた私だったのだからなぁ!!」


そんな....

やってしまった.....


確かにあのとき妙に信頼されているとは思ったが、そういうことだったの.....

....などと後悔している場合ではない。かなりマズいことになった。


「.....!!ちょっと!!これは一体どういう状況なの?!」


続いて目を覚ましたバーランドは慌てる。

それに続きリアンやフィレッチェも目を覚ましていた。


「フン....やっと起きたか......貴様ら.....

見よ!!貴様らには今から絶望エネルギーの礎になってもらうのだからな!!」


すると私たちの目の前には

気絶して眠ったままの楓と店長が入った牢が上のほうからゆっくりと降ろされてきた。


「ちょっと....!!楓と店長に何をするつもり.....?!」


「まったく愚か者め。さっきから言っているだろう?

貴様らを絶望エネルギーとして回収するんだよ!!」


そうしていきなり楓の頭上にナイフが飛んでくる。


ピシッ!!


「......!!!!」


それを見せられた私やバーランドは声も出ない。

自分が命を失うより仲間の命が危険にさらされるほうがよっぽど恐怖だった。


「さーてと、次は脳に直接.....」


このままでは楓や店長が......

私やバーランド、それにリアンは恐怖と絶望で頭が真っ白になっていた。


「おい、落ち着けフィアラ...!!我々には魔術が.....」


しかしフィレッチェだけは冷静で私に魔術を使うことを提案する。

すると...


「ほう?この状況でまだ冷静さを保つか。貴様は。」


どうやら全員同時に絶望状態にしたほうが効率的らしい。

フィレッチェ(とディエル)が絶望していないことに気づいた魔王の弟は、

楓や店長を襲うのをやめて魔術書を取り出した。それは....!!


「だが残念だったな!人間族が魔術を扱うには

この魔術書がないと発動できない!!つ、ま、り.....?」


魔王の弟の言うとおり私たち人類が魔術を扱うにはあの魔術書があってこそ。

だからこの音を聞いたときは本当に絶望した。


ビリビリビリ.....


「んなっ.....!!」


さすがのフィレッチェも絶望する。

たった今、この世界で魔術を使えるのは奴....魔王の弟しかいなくなったのだから.....


「フハハハハハ!!さあ、これでおとなしく絶望エネルギーの礎になるがいい!!」


完全に勝機を奪われ逃げることも助けることもできない状況。

嫌だ、こんな運命、絶対嫌.....!!


するとそのとき、ディエルのほうから眩い光が溢れ出し、

やがてみんな目を開けられなくなるのであった....?!


続く....!


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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