#70 踊りに翻弄され
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#70 踊りに翻弄され
11月下旬。
この世界では秋を迎え、もうすぐ冬になる時期。
この日、商店街のほうでは秋祭りと題し
福引きや季節限定商品の販売などで商店街を盛り上げる地域イベントが行われていた。
そのイベントのひとつ、特設会場のほうで行われる踊りを見に行くことになった私たち。
途中、同じクラスの山村や幸佳と出くわしながら向こうにある踊りの会場に行くと
会場周辺は想像以上にたくさんの人で賑わっていた....。
「さて、いよいよステージ発表のメイン、阿知良野中の皆さんによる
歌とダンスのお時間です!それではどうぞ!」
ステージではちょうど踊りが披露されはじめるところだった。
大きな拍手と共に踊りがはじまる。
「へえ....思ったよりすごい踊りだ、ね、え....☆」
山村は相変わらず私たちに声をかけていた。
すると.....
「梨衣亜ー!」
もっと前のほう、楽しそうにステージのほうに手を振る楓を発見。
梨衣亜....?まさか、妹....?!
私は山村や優衣奈を置いて楓のほうまで行ってみることにする。
すると私に気づいた楓は、ちょっと恥ずかしそうにしていた。
「...あっ....フィ、フィアラも来てたんだ....」
「いや、みんな一緒に来たじゃない。」
「そうじゃなくて....まだ向こうのほうにいると思って.....」
まあ確かに。
結構みんな自由行動をしていたからね。
そういえば他のみんなはどこにいるのかしら....
すると....
「おお、フィアラ。それに楓じゃないか。」「お疲れ様、です....!」
店長と真乃と合流。
今は一旦この4人で踊りを見ることになった....。
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踊りが終わった。
最近流行りの曲に振り付けをしたものらしいが、もちろんそんな曲
私には分からないのであった。
ただ、踊りのほうはリズムに乗れていて
とても楽しそうに踊っていたことは分かる。
「阿知良野中の皆さん、ありがとうございましたー!!
さて、続いては.........
って、ちょっと君.......?!」
踊りのあと司会の人が次のアナウンスをしようとしていたそのとき。
なんとディエルがステージに登り何かしようとしていたのだ。
そして私の隣にはいつの間にか山村と幸佳がいた。
「....おや...?彼、さっきまで君たちと一緒だった人だよねぇ。大丈夫なのか、な.....?」
何を吞気に....
...って、今はそれどころじゃなくて!!
「なあなあ!!あんなヘンテコな踊りより、俺のほうがカッコよく踊れると思うぜ!!」
そう言って突然踊り出す。
私は止めに入りたかったが人混みに飲まれてなかなか追いつけないでいた。
そんなとき.....
「ちょっとー!!勝手に...!!ステージの上で...!!暴れたら....!!
いけないでしょーー!!」
バーランドが私よりも先にステージに上がっていた。
また、リアンも一緒にステージに上がっている。
踊りを見に来ていた観客たちからはざわつきの声が収まらない。
「はあ?なんでだよ!俺はちゃんと
アイツらの踊りが終わってから踊りに来たぞ!!エライだろ!?」
「そういうことじゃなくて....!」
話を都合よく解釈するディエルに痺れを切らしたバーランドはさっさと捕まえようとする。
しかし右に左に避けられて、なかなか捕まえられないのであった。
すると....
「いけいけー!」「捕まえろ捕まえろ!」「うおーっ!!」
いつしか観客たちのざわつきは声援に変わり、
ディエルを追うバーランドの様子はエンタメとして盛り上がっているのであった。
「お?鬼ごっこか?いいぜ、受けて立つ!!」
「あ、あのー.....」
やがて司会のアナウンスも届かないほど大きな盛り上がりに。
リアンも参加して、ステージ上では2対1の鬼ごっこが始まっていた。
「おとなしくしなさいっ!!」
しかしディエルはひらりと身をかわす。
「リアン!!挟み撃ちよ!!そっちから徐々に詰めて!」
「わ、わかりました...!」
反対側にいたリアンと協力し、ディエルを追い詰めることに。
もちろんその作戦はディエルの元にも聞こえていた。
「へへーん、2人の挟み撃ちなんて絶対捕まらな....」
「誰が2人だと?」
調子に乗ってよそ見をしていたディエルの目の前に、私とフィレッチェが現れる。
気づいて逃げようとしていたディエルだったが既にその首根っこを掴んでいたので
動けなくなるのであった。
「勝者、鬼チーーム!!」
[うおおおおおーーー!!]
気づけば司会の人も代わっていて、完全に大会のような盛り上がりを見せる。
とりあえず捕まえたディエルの腕を上げ、フィレッチェと共に
勝者のポーズをするのであった....。
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夕方。
お祭りは終わり、ステージは撤収作業が行われているのであった。
山村、幸佳とは別れ、メンバー全員である楓、店長、真乃、優衣奈、
私、フィレッチェ、リアン、ディエル、バーランドのみんなで
カレー屋に向かって歩いている。
「んもう、フィレッチェってばー!!あれだけ目を離すなって言ったのにー....!」
「今回ばかりは面目ない....。」
バーランドに押され、珍しく自分の非を認めるフィレッチェ。
ディエルがステージに上がってきたとき、フィレッチェは
(まだ)ガチャガチャに夢中で気づかなかったらしい。
ああ...それで言うと私も.....
「いや、今回は私の責任でもあるわ。ガチャを回したあと、
クラスメイトに会ってそのまま.....」
なんて申し訳なさそうにしていると、
「まあまあ2人とも.....無事に捕まえらえんだからいいじゃないですか.....」
リアンが私とフィレッチェのことを慰める。
そして....
「そうよそうよ。それにディエルがあんな身軽に動けるなんて....私、はじめて知ったし....」
優衣奈も声をかける。
「なるほど、だから外に出ようとしなかったのか.....ごめんな、気づいてあげられなくて....」
店長はまた何か察したようで急に謝ってくる。
さらに....
「な、なんていうか、色々苦労しているんですね....
いつも先に帰ってしまい申し訳ありません....」
真乃まで急に謝り出した。
いや、店長や真乃が謝る必要なんて一切ないのに....!!
「なあなあ!なんでみんなそんな変な顔してんだ?
今日はめーっちゃ楽しかったのにな!!ぎゃーハハハハ!!」
一方、ディエルは何も考えず堂々とそのような発言をする。
そして....
「いや.....アンタのせいでしょうがよーっ!!」
ずっと黙って話を聞いていた優衣奈がポコポコとディエルを叩いていた...。
けれどなんでだろう...この感じ.....
ちょっとどこか懐かしい、そんな気がしてならない私なのであった...。
続く....
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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