#69 商店街の秋まつり
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#69 商店街の秋まつり
11月中旬。
この世界ではもうすぐ冬の季節を迎えるらしい。
確かに朝晩の冷え込みは日に日に増し、あんなに暖かかった日々が嘘のように感じる。
「これが....四季....」
そう、私たちが住んでいたホープヒルズ王国には四季がなく、年中温暖な気候なのである。
もちろん北の国では雪が降り積もる冬だったり西の国では身体も溶けてしまいそうな
暑い夏だったりと、地域によってまったく異なる気候を持っているが、
それらの気候は年中変わらないのでまったく同じ場所で季節が変わる四季というものは
私たちにとっては珍しい体験なのである。
そんなある日の放課後。
今日も仕事のため、楓や優衣奈と共にカレー屋に戻ってきた....。
「あ、みんなお帰りなさい。」
入り口の窓で何か作業をしていたリアンが私たちに気づいて挨拶してくれる。すると....
「あれー?何それ。何のチラシ?」
優衣奈はリアンが持っていたチラシを見て言う。
「....え?えっと.......
先ほど店長からこの辺りに貼ってと頼まれただけで、何のチラシかは....」
するとそのとき、ちょうど店長が私たちの前に現れた。
「おっ、優衣奈。このチラシが気になるのか?
ハハハ!そうだろうそうだろう!何せ私がパソコンでデザインしたからな!」
「ちょっとパパ.......そういうことじゃないでしょ....」
楓はやれやれ、と小さく呟く。そして....
「んんっ。 商店街の、秋まつりのチラシ。
再来週、向こうの商店街で秋まつり、豊年祭イベントをやるんだって。」
へえ.....秋まつり....
お祭りは世界問わず様々な形で行われているけれど
この秋まつりはどんな感じなのかしら....
そんな風に思っていると、
「へえーっ!お祭りがあるの?私、参加したーい!」
優衣奈だって興味深々だった。
「ゆ、優衣奈が行くのなら私も....」
一方、心の声が漏れてそう呟く私。
そしてそれを聞いた店長は....
「ハッハッハ、ちょうどその日は仕事も学校も休みだな。
楓。この2人はじめてみたいだから一緒に行って秋まつりを案内してやったらどうだね?」
「なんで私だけ強制なのよ....!」
鋭い返しに飲み込まれる店長。しかし....
「べ、別に最初から私だって2人と一緒に行こうと思ってたところだし.....!!」
楓は恥ずかしそうに、腕を組んでそっぽを向くのであった。
「ハハハ、すっかり仲良くなったんだな、3人とも....」
こうして秋まつりへの参加が決定した私たち。
お祭りは再来週だが、今からワクワクが止まらない私なのであった...。
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11月下旬。
秋まつりが行われる当日。
今日は学校もカレー屋もお休みで朝からみんなで商店街にやってきた。
しかもそのみんなというのは.....
「ぎゃハハハ!!うおー!なんだこれー!」
ディエルも含めたカレー屋にいる全員のことなのであった。
「...はあ...どうしてこんなことに....」
「いいじゃないか。たまには。」
フィレッチェは久しぶりの外出で伸び伸びしていている。
「ハハハ、すまんなフィアラ。
本当は行く予定なかったのだが、私がみんなを誘ってしまったばっかりに....」
「そんな!謝ることないよ店長!!むしろ外出の機会をくれて感謝してる!!」
バーランドは店長の会話を聞いて楽しそうに肯定。
そう、昨日になって店長が真乃やバーランドにもお祭りを誘ってみた結果、
なら店長も含めた全員で行こう?!、という話になって今に至る。
「これ....なんですか、真乃さん....?」
「それは入浴剤ですね。お風呂とか入るんです?リアンちゃん?」
一方リアンと真乃は近くの雑貨屋に入り商品を眺め、
「わあ!この服とか楓に似合いそうじゃない?!」
「そ、そうかな....優衣奈こそこの服似合いそうだよ...?」
楓と優衣奈は向こうの洋服店の入り口で服の選びっこをしているのであった...。
「なあなあ!このちびっこい機械はなんだ?魔道具?」
するとちょっと目を離した隙に
あっちの機械に目を奪われるディエルとフィレッチェ。
「ふむ....なんだろうな.......ん...?ここを回すのか....?」
しかしその機械はお金を入れていないので全く動かないのであった。
「ああ、それはガチャガチャよ....お金を入れてそれを回したら、
中に入ってる景品が出てくるんだって。」
ちょうど2人の様子を見に来た私はそのままお金を入れ、ガチャガチャを回す。すると....
ガチャン....
「おお、本当だ。さっきは動かなかったのに綺麗に回っているではないか....!」
はじめてのガチャガチャに驚いているフィレッチェ。
その仕組みに興味を持ち、ガチャガチャに顔を近づける。
一方、私は中にあった景品を取ってディエルに渡す。
「...ん。なんだこれ?これが景品か?」
「そうよ。回して中身を開け....」
バキッ....バキバキッ!!
「んだよ、固ったいなあ....」
そうだった....
ディエルはこれでも元勇者。力だけは有り余っているので
カプセルごと手で握り潰して開けるのであった....。
「.....?これのどこが景品なんだ?いらねっ。」
しかし中に入っていたのはこの世界で人気の
エーテルとかいうキャラクターを模ったキーホルダー.......つまりただの飾り物である。
ディエルはキーホルダーを取り出し、ポイっと遠くに投げ捨てるのであった。すると.....
サササササ....パッ....!!
ディエルが投げ捨てたキーホルダーに飛びつき、
地面に落下する前にキャッチする少女の姿。
そしてそれを遠くから見守る少年もいた。
「ど、どうしたんだい、幸佳....急に目の色が変わったかと思えば.......おや?」
するとその少年は少女を連れて私のところにやって来るのである。
そういえばこの人達、どこかで......
「こんなところで会うなんて奇遇だねぇ、フィアラちゃん☆」
うわ....思ったより関わりづらい奴だった。
しかも相手は私の名前を知っている。
「ど、どうしてそんな嫌そうな顔をするんだい....?僕たちクラスメイトじゃないか....☆」
クラスメイト.....!!
その言葉で思い出した。そう、文化祭で王子役だった山村って人である。
「あのねぇ....山村.....クラスで一緒にいるくらいで
簡単にレディのことをちゃん呼びしないで。」
「おぅ...思ったより辛辣なんだねぇ、君....」
フィアラちゃんと呼ぶのをやめ、かなり落ち込む山村。
ま、これで少し距離を置くこともできたし私的には一安心ね。
すると今度は....
「あ、いたいた、フィアラ!今度はあっちで踊りが....って山村じゃん!!」
「おや?優衣奈ちゃんも来ていたのかな?こんにちは☆」
優衣奈に会った山村はさっきまで落ち込んでいたとは思えないような態度で
優衣奈に接する。なるほど、普段からこういう奴なのね....
そんなとき....
「踊り....見に行く.....!」
さっきキーホルダーに飛びついた少女が小声で山村に言う。
えーっと、確か、幸佳っていうんだっけ....
「分かった分かった。それじゃあせっかくだから2人も一緒に行こう。ねぇ?」
「はいはい。アンタに言われなくても行きますけど....?!」
こうして山村や幸佳と合流し、踊りを見に行くことに。
外出には思いがけない出会いがあるものだと....そう思う私なのであった。
続く.....
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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