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まさか聖女だとは思ってなかったので雑貨屋を始めました  作者: しまりす
第一章 雑貨屋準備編
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魔法の習得

精霊たちからの魔法指導は3日ほどで一区切りついた。

3日間で基本的な魔法が

全て使えるようになったというわけではないが、

魔法の仕組み、精霊から力を借りる方法、詠唱についてなど

実践の前に理論的な部分を教えてもらえたのは大きい。


いくつか魔法も実践してみたが、コツをつかめてからは

比較的上手くいくようになった。

魔法の成功にはイメージが必要で、唱えている魔法が

どのように具現化されるのか想像できていないと

形になりにくいらしい。

そのため、想像力と魔力の双方が揃っていないと

優れた魔法の使い手にはなれないようだ。


そういった意味では、異界の住人は有利だろう。

少なくとも、現在の葵の世界の人間はその多くが

様々なコンテンツで想像力を鍛え上げられている。


ひとまず、生活の中で利用することの多い5属性の基本魔法、

自衛のために使いやすそうな攻撃魔法と防御魔法、

森の精霊たちが知る全ての聖属性魔法を覚えることにした。

詳細は持参したノートとペンできっちりメモしてある。

一気に全てを覚えるのは難しいだろうと思い、

詳細をメモしていく中で、優先的に習得するものと

後回しにするものとを選別していった。


詠唱は、魔力と想像力の強い者であればあるほど短くて済むらしい。

明確なイメージを持っていれば、術名だけで

魔法を発動することも可能だそうだ。

詠唱は想像を補ってくれる効果があるらしい。


葵も最初は短めな詠唱をしつつ魔法を発動させていたが、

慣れていくうちに詠唱を省略していくことができた。


生活魔法は自分のペースで使えばいいが、

自衛や回復のための魔法は急を要するケースがほとんどだろう。

詠唱無しで発動できた方が良いに決まっている。

特に防御魔法は咄嗟に使うことも想定されるので

その辺りから重点的に練習をしていった。


魔法を発動させるのも楽しかったし、

何より練習すればするほど

素早く確実に魔法を使えるようになっていくという

手応えがしっかりと感じられたのがやる気に繋がった。

3日間の内、丸2日はひたすら魔法の練習に明け暮れたが

飽きることなく黙々と打ち込めた。


魔力も無尽蔵ではないらしいのだが、

この森は自然豊かで環境が良いため精霊も多い。

葵の魔力が減ってきた頃合いで精霊が葵に魔力を分けてくれた。

人間と精霊、双方の合意があれば魔力の受け渡しは可能だそうだ。

とはいえ精霊が見えて会話できる者は少ないし、

気まぐれかつ自身の欲望に忠実な精霊の合意を得るのは通常難しい。

人間たちの一般的な魔力の回復手段はやはり薬である。


ちなみに葵は魔力を分けてもらったお礼に

ドライフルーツ入りのクッキーを振舞っている。

これは先日フルーツティーの開発と並行して

密かに作っていたお菓子の試作品である。


日常ですぐ使えそうな生活魔法と

自衛のための防御を中心としたいくつかの魔法、

それから使い手が滅多にいない聖属性魔法を全て

上手く発動させられるようになったのが3日目の終盤のことである。

お昼ご飯以外はほぼ休憩無しでみっちり8時間は練習したが

精霊たちからアドバイスや声援をもらって楽しく過ごせた。


3日間の練習を終えた翌日、一区切りついたので

少しのんびりしようと葵はリビングでマリーと紅茶を飲んで

談笑することにしたのだった。


魔法の練習詳細は省いていますが

閑話として改めて書くか、

この先魔法を使う時に回想として書くかしようかと思っています。

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