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まさか聖女だとは思ってなかったので雑貨屋を始めました  作者: しまりす
第一章 雑貨屋準備編
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決意を新たに

区切りの都合で少し短めです。

聖属性に適性のある人間はほとんどいない。

マリーが言うには、適性のある者が数十年に1人現れる程度で

ほとんど存在しないと言う。

そのため、聖属性に適性のある者は

大抵国の保有する魔導師団に属し、

貴重な回復要員として重要な討伐に駆り出されるらしい。


もし葵が聖属性に適性があると知れたら

すぐにでも国から召集がかかるだろう。

異界の住人であるという事情を伝えたらそこからどうなるかは不明だが。


セルゲイを運んだ時にマリーからも念を押してくれたらしく、

またセルゲイの命を救った葵の願いを無下にするとは思えないので

グレイは今回の件を報告せずにいてくれるだろうとのことだった。


「その、聖属性に適性があるというのは私が異界の住人だからでしょうか?」

「異界の住人は、こちらの世界とは異なる魔力が好まれて、大抵が精霊の加護を受けると言われているのだけど……それは5属性に限った話で、聖属性や闇属性に適性があるかどうかは伝承にも特に記載が無いわね」

「そうなんですね」

「あとは…これは私も本当に聞きかじった程度なのだけど、稀に聖女がこちらの世界に降り立つことがあるらしいわ」

「聖女ですか」

「この世界の災厄を払うために、異界の聖女を召喚する儀式があるらしいのよ。詳細までは私も分からないわ」


マリーも人から聞いた知識なのだろう。

あくまで「らしい」とのことだ。


「でも、儀式って言うからには誰かが召喚を行うってことですよね。だとしたら、森の中に落ちてきた時点で私は違いますよね?」

「そうねえ。儀式って言うくらいだから、きっと召喚主の所に降り立つんだと思うわ」


聖女召喚の儀式。

自分はうっかりこの世界に落ちてきてしまった迷い人なわけだが、

召喚となると話は変わってくる。

意図的に、強制力を持ってこの世界に呼ばれるのだ。

一体どんな要求が待っているのか。


どんなに豪勢な生活が用意されたとて、

自らの生活を無理やり捨てさせられるのだ。

割りに合わない。


ただ、召喚の儀式があるということは

帰還の儀式がある可能性もある。

異界の住人、そして聖女に関する情報を集めていくことで

もしかしたら手がかりを掴めるかもしれない。


ここまでの情報から、異界の住人はもちろん、

聖属性魔法の使い手もかなり貴重な存在だ。

精霊の加護と聖属性の適性双方を持つ葵であれば、

恐らく利用価値は十分。

下手に利用されないように注意しつつ、

国と交渉し、情報を集めていくしかない。

聖属性の適正については必要がなければ伏せておいた方が無難そうだ。


ひとまず現在開発に着手している品物の

販売のめどが立った段階で、まずは今いるアウスト国と交渉し、

異界の住人や聖女関連の書物を見せてもらうことにしよう。

それから、その前に忘れずに市場にも行っておこう。

葵は密かに決意するのであった。


召喚の儀があると知り、もしかしたら帰る手段もあるのかも。

という期待があり、ちょっと前のめりになっている状態です。

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