第91話【狂人と怪人の境界線】
前回のあらすじ
夏場はしっかり水分補給をしよう!!
怪獣騒動も収まり復興も終わった秋頃、夢宮は笹波街と言う街にやって来た。
この街は小波の音が聞こえる海沿いの街だがシーズンオフだからか閑散としている。
この街に来たのは怪人を探しているからである。
喫茶店の片隅で新聞を読みながら思案する夢宮。
「・・・・・」
「おまちどうさま、カツカレーになります」
喫茶店のマスターがカツカレーを夢宮の前に置く。
「有難うございます」
読んでいた新聞を置いてカツカレーを食べ始める夢宮。
「物騒だよねぇ」
椅子に座って話題を振るマスター。
「・・・ですね、あんまり食事時に聞きたくない話題ですが」
「この前も何処かのニュース番組の取材陣が来たよ」
「そうですか・・・」
彼等が言っているのはこの街で起こっている猟奇殺人事件である。
三日前と昨日に殺人事件が起こった、被害者は両方とも若い女性。
17歳の女子高生と24歳のOL、接点は無し、だが被害者は体に噛み切った後が有った。
つまり犯人は殺した後か前かに被害者の体を喰ったのだ。
「なんだかなぁ何かのスリラー映画みたいだよ」
「本当にねぇ・・・」
夢宮はこの異常な事件が怪人の仕業か判断しかねていた。
怪人と言えども中身は人間なのだからこんな事をするとは思えない。
しかし怪人は大抵まともじゃないんだからやらないとも言えない。
怪人じゃなくとも気が狂っていれば誰だってやるのでは・・・
思考が堂々巡りになる。
「・・・・・」
カツカレーを食べながら思案する夢宮。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございましたー」
喫茶店から出た後、路地裏を回る夢宮。
殺人犯を恐れているのか不良達も見当たらない。
「・・・・・如何するかなぁ・・・」
適当に歩き回って犯人に出くわすのはあまりにも可能性が薄い。
直感の様な物が働く気配もない、一体如何すれば良いのか・・・
「そこの貴方」
「?」
振り返る夢宮。
そこの居たのはやや小さめでベレー帽にルーペを持った女性だった。
「何方様?」
「私は探偵の与謝野晃子っていう奴なんだけど、貴方はここら辺の人?」
「・・・いえ、流れて来たんです」
「ふーん、そうなの・・・所で貴方名前は?」
「へ?」
「私が名乗ったのだから貴方も名乗るべきよ」
「・・・夢宮 徹です」
「徹君ね、うん、分かった」
「???」
次回【探偵】




