第66話【衝動】
前回のあらすじ
怪人になった小波
『・・・・・』
怪人となった自分の姿に困惑しながらも拳の破壊力を確かめる小波。
『これならば、アイツを殺せる・・・』
しかも今、自分は怪人、疑いがかかる事は無い、完全犯罪である。
『今から行って殺してやる・・・』
そう言うと玄関のドアを殴り壊して家から出た。
人が居なくなった夜の住宅街が走り、街中に出た。
路地裏や裏通りなどの人通りの少ない場所を選んでバッティングセンターに向かった。
今もここに夢宮が居るかは分からないが、そんな事を考慮しなかった。
バッティングセンターまでの道中には幸い、人と出くわす事は無かった。
『・・・ドアが開けられない』
ノリで玄関のドアを壊した時は気にならなかったが、怪人の姿になった小波は
手が丸まっていて物が持てない、その分パンチ力は凄まじい。
『まぁ良いか、今の状態なら何をしてもセーフでしょう』
そう口にしてバッティングセンターのドアを殴って破壊した。
それと同時に警報が鳴り響いた。
『!?』
如何やら警備会社と契約している様だった。
『不味い!!』
大抵の警備会社は怪人が現れた場合、真っ先に警察に通報する。
そうすれば対怪人部隊が展開され自分は蜂の巣にされてしまう!!
今の自分でも対怪人用の銃弾に撃たれ続ければ命は無いと確信している。
ここは一旦逃げるべき!!小波はそう判断し夜の街に逃げた。
「ん?何だ?ってうわ!!怪人!?」
チンピラに姿を見られた、小波は無視して逃げた。
路地裏や裏通りを駆使して今は使われて居ない廃ビルの一つに入り込む小波。
廃ビルは暴走族の集会場にも使われている所だった、今日は集会の日では無い事は知っていた。
『・・・この姿から戻れるのかな?』
怪人になった自分の腕を見ながらそう思う小波。
『まぁ・・・元に戻れるでしょ』
楽観的に呟く小波であった。
翌朝、眠っていた小波がビルの中で目を覚ました。
「ん・・・」
小波は自分の腕を見る、如何やら人間の腕に戻っている様だった。
「戻っている・・・良かったぁ・・・」
ほっとする小波、だがほっとしたのも束の間。
「あ!!そうだ警察署に行かなきゃ・・・」
仕事を思い出す小波、夢宮を殺すのは後で良いと頭の中で整理し
一旦仕事場に顔を出さなきゃいけないと理知的に判断した。
次回【鉄拳】




