↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『肉塊の玉座と理の王国』  作者: ぷっぷくクリーナー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/71

第五十章 峠の村、試される匂い

峠の村は、雪に埋もれそうな小さな集落だった。


家々の煙突からは細い煙が上がり、

住人たちは厳しい寒さの中で静かに暮らしている。


村の唯一の酒場に入ると、暖炉の熱気が二人を包んだ。


「ご主人、北の霊峰に『竜鱗の鍛冶師』ってのがいるって聞いたんだが」


リーネがカウンターの老主人に尋ねた。

老主人はグラスを拭く手を止め、顔をしかめた。


「お前さんたち、あの人を探すのか?

やめとけ。あの方は気難しい。

ここ数十年、誰の依頼も受けてねぇはずだ」


「でも、昔打ってくれたんだ、この剣を」


リーネが大剣をカウンターに置いた。

老主人は大剣を見て、目を見開いた。


「その紋様…そしてこの歪み。

間違いない、

あの方が打った『氷牙(ひょうが)』だ。

爺さんの代から聞いてた伝説の剣が、

こんなにもボロボロに……」


「お願いだ。場所だけでも教えてくれ」


老主人は迷った末に、ため息をついた。


「…霊峰の頂上にある氷の洞窟。

そこがあの方の工房だ。

だが警告しとく、あの方は人間嫌いでな。それに…」


「それに?」


「あの方の工房には、変わった匂いのする奴しか

近づけねぇんだ。お前さんたちは…匂うか?」


太一とリーネは顔を見合わせた。匂いとは何か?

酒場を出た後、太一は自分の匂いを嗅いだ。


「……俺、汗臭いか? 言ってくれれば風呂に入るぞ」


「バカ、そういう匂いじゃねぇだろ。

魔力とか、魂とか、そういうヤバい匂いだよ」


リーネが大剣を背負い直し、霊峰の頂を見上げた。


「ともかく行くしかねぇ。ダメなら押し切る」

彼女の決意は固かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。