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まだ知らなかった距離  作者: 遠井エイト
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第1章 パート2 — いつもの道のり

いつもの道のり — ユキ



大通りは、二人が着くころにはもう目を覚ましていた。


配送トラックが縁石のそばで停まり、ハザードランプを灰色の朝に点滅させていた。ランドセルに黄色いカバーをつけた小学生が二人、横断歩道に着く前にゆっくりしなさいと母親に声をかけられながら、急ぎ足で通り過ぎていく。どこか前方で自転車のベルが二度鳴り、そのあとに、湿った舗道をタイヤが走る柔らかな音が続いた。


まだ雨は降っていなかった。けれど空気は、いつ降ってもおかしくない感じがした。


ユキは折りたたみ傘を鞄の中に入れて歩いていた。カイトは右手に長い傘を持ち、歩道が狭くなってもユキの足に当たらない角度にしていた。


彼はもう、車道側にいた。


ユキがそれに気づいたのは、車が一台、角を少し近く曲がってきて、タイヤが側溝のそばの浅いくぼみをかすめるように通ったからだった。カイトは大きく動かなかった。ただ、車が通り過ぎるまで半歩だけ内側にずれ、それから元の場所へ戻った。


彼の横の空間がまた開いた。


ユキは何も考えずに、彼の歩調に合わせた。


次の角にコンビニが見えてきた。くすんだ通りの中で、窓だけが明るい。自動ドアが開き、片手に缶コーヒー、もう片方にビニール袋を下げた会社員が出てきた。温かい空気が一緒に流れ出し、揚げ物の匂いと、入口近くのパン棚から来る甘い匂いを運んできた。


店内では、同じ学校の制服を着た誰かがレジのそばに立ち、おにぎりを持ったまま、まだ半分眠っているような顔をしていた。


ユキは陳列棚の方をちらっと見た。


「何かいる?」カイトが聞いた。


「いらない」


「見てた」


「見るのと止まるのは違う」


「歩くの遅くなった」


「ほんの少し」


カイトは前方の歩行者用信号を見た。まだ青だったが、横の数字はもうカウントダウンを始めていた。


ユキはほんの少しだけ足を速めた。


彼も続いた。


信号が変わる前に、二人は横断歩道に着いた。反対側から、ベビーカーを押した女性が渡ってくる。雨はまだ降っていないのに、片手には透明な傘を持っていた。その後ろで、別の学校の男子二人がスマホの画面を見ながら何か言い合っていて、声は朝に必要な分より少し大きかった。


ユキは二人を通すために、少し内側へ動いた。


同時にカイトは外側へ動いた。


一瞬、二人は同じ隙間を選んだ。ユキは縁石の盛り上がったところを踏む前に足を止めた。カイトも止まり、それから先にずれて、ユキに内側の道を空けた。


男子二人はまだ言い合いながら、二人と車道のあいだを通り過ぎていった。


ユキはまた前へ進んだ。


「そっちの方がひどかったよ」


「平気だった」


「水たまりに入りかけてた」


「水たまりじゃない」


「地面に水があった」


「それだけじゃ足りない」


「じゃあ条件は何?」


向こう側に着くと、カイトは下をちらっと見た。「深さ」


ユキは少しだけカイトを見た。


「水たまりを分類してるの?」


「ユキが始めた」


その答えを特に得意に思っているようではなかった。カイトはただ歩き続け、傘を肩に預けるようにして、もうその会話を忘れたみたいだった。


横断歩道を過ぎると、道は少し広くなった。学校の近くの店がシャッターを上げ始めていて、通り過ぎる車の音に混じって、金属の揺れる音が柔らかく響いていた。パン屋の店員が看板を直しに外へ出て、それから空を見上げ、看板を縁石のそばではなく軒下へ運んだ。


誰もが、雨が降るものとして動いているようだった。


カイトはそれについて何も言わなかった。


次の道の先に、学校の門が見えてきた。生徒たちがばらばらの集まりで登校している。天気に急かされるように早足で歩く者もいれば、中に入らないでいればホームルームが遅れるとでもいうように、入口の近くに残っている者もいた。塀沿いの木々は、葉を動かさずに立っている。まだ風はない。ただ重い空と、濡れたコンクリートの匂いがあった。


アイコは門のすぐ内側に立っていた。下駄箱の方へ半分体を向けながら、入口にも目を配っている。髪はゆるく結ばれていて、顔の近くにはもう黒い髪が何本かほつれていた。朝の彼女らしい落ち着いた姿勢で立っていて、表情よりも意識の方が先に目を覚ましているようだった。


「おはよう」


「おはよう」ユキが言った。


カイトはうなずいた。「おはよう」


二年生の一団が急いで通り過ぎると、アイコは横へよけた。「二人とも早いね」


「三分」カイトが言った。


アイコは半秒ほど止まった。「そんなに具体的?」


ユキは彼を見た。「無視して」


「三分って言ったのはユキだろ」


「それは家での話」


アイコがかすかに笑った。「じゃあ、計画的な早めだったんだ」


「信号を避けるための早め」ユキは言った。


「そっちの方がもっとひどい気がする」


カイトは反論しなかった。たぶん同意していたからだった。三人は生徒の流れに乗って、入口の方へ進んだ。下駄箱の近くでは、教師が誰かに、出入口をふさがないよう注意していた。


廊下には、床用ワックスと湿った制服の匂いがかすかにしていた。傘立てにはすでに何本か傘が入っていたが、ほとんどはまだ乾いていた。誰かが自分の傘を斜めに突っ込んだらしく、三つ分の空きスペースを横切るように倒れかけていて、別の生徒が小さく何か言いながらそれをまっすぐに押し戻した。


ユキはローファーを脱ぐためにかがんだ。


アイコが職員室のある廊下の方をちらっと見た。「今日、ホームルームで何かあると思う」


「例の連絡?」ユキが聞いた。


「たぶん。さっき通ったとき、サクライ先生がプリントを束で持ってた」


「用紙?」カイトが聞いた。


「そうだと思う。また進路関係かも」


ユキは上履きに履き替え、ローファーを下駄箱に入れた。「先週も何か配られたよね」


「あれは予定表だけだったよ」アイコが言った。「今日のは、しばらく説明するつもりのやつに見えた」


「一枚見ただけで分かるの?」


「サクライ先生の顔で」


カイトは下駄箱を閉めた。「ありそうだな」


「長く説明する時の顔?」ユキが聞いた。


「本当に分かるよ」アイコは言った。


彼女は開いた入口から空を確認した。「うちのお母さん、ひどくなる前に帰ってきなさいって」


「その前に降るよ」カイトが言った。


「確信ありそうだね」ユキが言った。


「走りに行ったとき、空気が湿ってた」


「それは予報じゃない」


「根拠ではある」


アイコは二人を見比べた。「ホームルーム前に言い合う時間あるの?」


「言い合ってない」ユキは言った。


カイトが彼女を見た。


ユキはもう一度、雲の方をちらっと見た。「賭けにするなら別だけど」


「雨で?」


「学校が終わる前に降ったら兄さんの勝ち。降らなかったら私の勝ち。負けた方が、おやつを買う」


「コンビニ?」カイトが聞いた。


「当然」


アイコの眉が少し上がった。「決まるの早いね」


カイトはまた入口の向こうを見た。校庭の上に低く垂れた雲は、厚く、色がなかった。


「いいよ」


ユキは軽く腕を組んだ。「よし。じゃあ負けても文句言わないでね」


「負けない」


階段へ向かい始めると、アイコが首を振った。「二人って、本当に何でもきっかけになるね」


「ユキのせい」カイトが言った。


ユキは彼を見た。「兄さんも乗ったでしょ」


「ユキが始めたあとで」


「それでも参加してる」


階段は一つ目の踊り場のあたりで混んでいた。教師がフォルダーの束を抱えて下りてきたので、生徒たちは片側に寄り、流れは慎重に少しずつ進む形になった。上の方から誰かが友達を呼んだが、教師が通ると声を落とした。


混雑が届く前に、カイトは足を緩めた。


ユキは彼の隣で止まり、別の生徒が後ろを通れるくらいの距離を空けた。アイコは反対側に来て、何が起きたのか見るために、手すりの横から少し身を乗り出した。


「先生が下りてきてる」アイコが言った。


「あんなにフォルダー持って?」ユキが聞いた。


「ホームルーム、思ったより面倒かも」


カイトは踊り場が空くまで待ち、それからまた動いた。


二階の廊下は外より暖かかった。教室のドアは開いたままで、声が廊下へこぼれている。ロッカーの近くでは誰かが消しゴムを借りていて、少し先では、コンビニの包装から出したパンの最後の一口を持った生徒が急いで通り過ぎたが、教師が角を曲がってくると、その手を下げた。


二人組の生徒が前を横切ったところで、アイコはユキの隣で足を緩めた。


「昨日のワークシート、終わった?」彼女が聞いた。


「現代文の?」


「うん」


「だいたい終わった」


「それは終わってないってことだね」


「最後の問題が面倒だったってこと」


アイコは軽くため息をついた。「よかった。私だけかと思った」


カイトが振り返った。「作者の意図のやつ?」


ユキは彼を見た。「終わったの?」


「短かった」


「そういう質問じゃない」


「必要なだけは書いた」


アイコが少しだけ裏切られたような顔をした。「二人とも宿題にまじめすぎる」


「ユキは文句言ってた」カイトが言った。


「だいたい終わらせたあとでね」


「それでも文句は文句」


ユキは反論しようとして彼の後ろ姿を見たが、答える価値があるか決める前に、彼は廊下を進んでいった。


ユキはカイトの鞄の方をちらっと見た。


「数学の小テスト、二時間目なの覚えてる?」


「覚えてる」


「最後の練習問題」


「確認した」


ユキはもう少し彼を見ていた。


カイトが振り返った。「何?」


「二問目」


彼女が言い終わる前に、彼は分かったようだった。


「最後のページのやつ?」


「始める前に仮定を確認して。最初の立て方をすぐ使わないこと」


「分かってる」


「昨日もそう言って、間違えた」


「昨日直した」


アイコが面白そうに見た。「思ったより励ましじゃなかった」


「励ましだよ」ユキは言った。


カイトは鞄を肩に掛け直した。「それで間違えずに済むなら助かる」


「じゃあ励ましで合ってる」


ベルの少し前に教室へ着いた。教室はもう半分ほど埋まっていて、灰色の光が机の上に薄く広がっていた。友達の方へ椅子を向ける音がする。窓際の生徒が、曲がったワークシートを教科書の下に挟んで伸ばそうとしていた。後ろの方で誰かが大きすぎる声で笑い、サクライ先生が入口を通りかかって中をちらっと見ると、声を落とした。


ユキはアイコの後ろから教室に入った。


机の上にはプリントが置かれていた。


まだ全員が気づいているわけではなかった。何人かは、その紙の端に鞄を載せていた。もう身を乗り出して題名を読んでいる者もいる。前の方では、今日中に書かなきゃいけないのかと聞いている生徒が何人かいた。


カイトは長い傘を下駄箱のそばの傘立てに置いてきていたので、そのまま一番右の前列の席へ行き、机の横に鞄を置いた。サトシはまだちゃんと落ち着いていなかった。椅子を斜め後ろに向けたまま、まだ開けていない鞄に片手を置いて、通路の向こうの誰かと話していた。


ユキは自分の席へ向かった。左寄りの真ん中あたりだった。


アイコは後ろへ行く前に、ユキの机のそばで足を止めた。「見た目よりまずそうだったら教えて」


「後ろの方が近いでしょ。文句はそっちの方が先に聞こえるよ」


「それもそうだね」


アイコは、誰かが出しすぎた椅子をよけながら、自分の席へ向かった。ユキは自分の机の横に鞄を置き、席についた。


筆箱を出すあいだ、紙は机の上でしばらく待っていた。


進路希望調査。


教師が、それをどうして真剣に扱わなければならないのか説明する前に配る、そういう用紙に見えた。


ユキはシャープペンを取り出した。


周りでは、教室が朝の小さな音で埋まり続けていた。椅子の脚が床を引きずる音。筆箱がかちりと開く音。「未定」って書いていいのかと誰かが聞き、近くの机からいくつか違う答えが返ってくる。前の方では、サトシがカイトに何か言おうとして椅子の上で振り返ったが、言い終わる前にベルが鳴り始め、後ろの自分の席に戻らなければならなかった。


ユキはまず日付を書いた。


それから名前。


カゲツ・ユキ。


題名の下にある最初の欄へ視線を落としたところで、ベルの音がはっきり鳴り渡った。


教室は、ばらばらに静かになり始めた。会話はそれぞれ違う速さで終わっていく。窓際で、椅子が最後に一度こすれた。誰かが「あとで」と小さく言って、ノートを開いた。


右前の席で、カイトが背筋を伸ばし、前を向いた。


ユキは紙の上で、シャープペンを止めた。


窓の外では、雲は変わらないままだった。


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