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【改稿版】異世界転移した俺は万能スキルでスローライフを謳歌する  作者: みなと劉


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45 風呂の後の夜のおつまみが2人の楽しみです

 夕飯の後片付けを済ませて、風呂が沸くのを待つ。

 しばらくすると、お決まりのコール音が響いた。

『お風呂が沸きました』

 今日も二人で一緒に風呂に入る。

 メセタの身体を専用のシャンプーで丁寧に洗ってやってから、自分の髪と身体も洗う。

 すっかり慣れた手順だ。

 最初は戸惑っていたメセタも、今では風呂を心待ちにするようになっていた。

 温かい湯に浸かって、一日の疲れがゆっくりとほどけていく。


---


 風呂から上がった後は、二人の楽しみの時間だ。

 夜のおつまみ。

 実は今日、事前に仕込んでおいたものがある。

 冷蔵庫を開けて、それを取り出した。

 卵と牛乳で作ったプリンだ。

 プリン作りは、コツさえ掴めば意外と簡単だということに最近気づいた。

 卵を卵黄と白身に分ける工程と、牛乳を入れるタイミング。

 この二つさえ押さえれば、あとは難しくない。

 ポイントは、白身を泡立てすぎないこと。

 泡立ててしまうと、焼いたときに気泡が残ってなめらかさが損なわれる。

 そして、白身と牛乳を先に混ぜ合わせてから、最後に卵黄を加えて混ぜる。

 この順番で作ると、舌触りのいいプリン液ができる。

 料理は手順を知っているかどうかで、仕上がりが大きく変わるものだ。


---


 さらに最近、もうひとつ発見があった。

 プリンはオーブントースターでも焼けるということだ。

 専用のオーブンがなくても作れる。

 というわけで、今回願ったのはオーブントースターである。

「オーブントースター」

 ぽんっ。

 少し大ぶりのオーブントースターが現れた。

 耐熱容器に注いだプリン液をセットして、焼き始める。

 焼き時間は15分ほど。

 ただし、トースターによって火力に差があるから、途中で焼き加減を確認する必要がある。

 表面が固まりすぎていないか、まだ緩すぎないか。

 様子を見ながら仕上げるのが大事だ。


---


 オーブントースターの中で、プリン液が少しずつ固まっていく。

 甘い香りがキッチンに漂い始めた。

「我が君?それはなんですか?」

 メセタが鼻をひくひくさせながら近づいてきた。

「プリンっていう食べ物だよ。夜のおつまみ用に、事前に仕込んでおいたんだ」

「さすが我が君!抜け目ないですね!」

「抜け目があってたまるか」

 俺は笑いながら、トースターの中を確認した。

 表面がつやつやと固まって、ちょうどいい焼き加減になっている。

「よし、できた。メセタ、一緒に食べようか」

「はーい!」

 尻尾が早速揺れ始めた。


---


 俺は耐熱容器のまま食べることにした。

 メセタの分は、皿に盛り付けて前に置いてやる。

 まだほんのり温かいプリンが、ふるふると揺れている。

「「いただきます」」

 声が揃った。

 スプーンですくって、ひと口。

 んふぉっ。

 口の中で、卵と牛乳の濃厚な味わいが広がった。

 なめらかな舌触りに、ほのかな甘み。

 卵のコクと牛乳のやさしさが溶け合って、するりと喉を通っていく。

 冷やしてもいいが、焼きたての温かいプリンも格別だ。

 ふわっとした口当たりに、思わず頬が緩む。

「これ、美味いよ我が君!最高だよ!」

 メセタが目を輝かせながら、スプーンを使ってちまちまと食べている。

「だろ?卵と牛乳だけでこの味だからな」

「卵と牛乳だけ!? 信じられません!」

「アイスクリームの時も言ってたな、それ」

「だって本当に信じられないのですから仕方ないであります」

 メセタが大事そうにプリンを味わっている姿を見ていると、作った甲斐があったと思う。


---


 プリンを食べ終えてから、二人でソファに並んでテレビを観た。

 他愛のない番組を眺めながら、たまに言葉を交わす。

 それだけのことが、なんとも心地いい。

 夜のおつまみとテレビ。

 この時間が、すっかり二人の日課になっていた。


---


 番組が終わると、リビングの電気を消して寝室へ向かった。

 ベッドに入って、メセタと並んで横になる。

 今日も穏やかな一日だった。

 風呂に入って、プリンを食べて、テレビを観た。

 特別なことは何もないのに、確かな満足感がある。

 こういう日々が積み重なっていくのが、スローライフというものなのかもしれない。

「じゃあ」

「「おやすみ」」

 声が揃った。

 窓の外には、静かな夜が広がっていた。


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