43 洗濯物を干すために外へ出る
しばらくソファでメセタを撫でながらくつろいでいると、洗濯機からぴーぴーと電子音が鳴った。
洗濯が終わった合図だ。
俺はメセタの頭をぽんと撫でてから立ち上がり、洗濯機の前へ向かった。
「洗濯籠」
ぽんっ。
洗い終わった衣類を入れるための籠が現れた。
蓋を開けると、湿った洗濯物がほのかに洗剤の香りを漂わせている。
液体洗剤を使ったせいか、いつもより柔らかな仕上がりに感じた。
濡れた洗濯物を一枚ずつ籠に移していく。
ずっしりと重い。
籠を抱えて、玄関から外へ出た。
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外は気持ちのいい晴天だった。
雲ひとつない空に太陽が高く昇っていて、洗濯物を干すには絶好の日和だ。
風も穏やかで、湿った空気が乾いていく心地よさがある。
玄関の脇の開けたスペースで、俺は念じた。
「洗濯用の干し台と干し棒」
ぽんっ。
洗濯物を掛けるための物干し台と、横に渡す棒が現れた。
「ハンガー」
ぽんっ。
まとめてハンガーが手元に揃う。
ここからは手作業だ。
シャツをハンガーに通して、皺を伸ばしてから棒に掛ける。
ズボンやタオルも、それぞれ形を整えながら、間隔を空けて干していく。
洗濯物同士をくっつけすぎると乾きが悪くなるから、風が通るように適度に離すのがコツだ。
こういう地味な作業も、不思議と嫌いではない。
太陽の下で身体を動かして、洗濯物がきれいに並んでいくのを見るのは、なんとなく気持ちがいい。
「これで終わり……よし」
干し終えた洗濯物が、風に揺れていた。
夕方には、太陽の匂いを吸い込んでふかふかに乾いているだろう。
家に戻り、空になった籠を洗濯機の脇に置いた。
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キッチンで手を洗い、タオルで拭く。
さて、おやつの時間だ。
今日は何を作ろうか。
別に甘い菓子でなくてもいい。
収穫したばかりの果物がたくさんあるのだから、それを活かしたものがいいだろう。
(フルーツとサラダを合わせてみるか)
頭の中で構想がまとまっていく。
果物の甘みと野菜のみずみずしさを一皿にまとめた、フルーツサラダだ。
彩りもよくなるし、食後のデザートにも、軽い間食にもちょうどいい。
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まずはりんごと梨を剥いて、食べやすい大きさに切る。
みかんは皮を剥いて、房ごとに分けておく。
次にレタスを手でちぎって、サラダ用の深皿に敷いていく。
その上に、りんご、梨、みかんの順番で、色のバランスを見ながら形よく盛り付ける。
赤、淡い黄色、鮮やかなオレンジ。
果物の色が重なって、それだけで目に楽しい。
トマトを切って、果物の隙間に差し込むように添える。
赤い色が加わって、彩りがさらに引き締まった。
最後の仕上げに、マヨネーズを全体に和える。
果物にマヨネーズというのは、正直なところ正解かどうか自信がなかった。
甘みと酸味とコクが、果たして調和するのか。
でも、こういうのは食べてみなければ分からない。
料理は実験のようなところもある。
フルーツサラダの完成だ。
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メセタの分も同じように用意して、前に置いてやる。
メセタはさっそく、ぱくぱくと食べ始めた。
「これはこれで旨みがありますね!りんごは酸味があるから、マヨネーズとよく合います」
意外にも好評だった。
「合うか?」
「合います!甘みと酸味とまろやかさが、口の中で混ざって面白いです」
俺も食べてみた。
りんごのしゃきっとした食感に、マヨネーズのコクが絡む。
最初は不思議な組み合わせに感じたが、噛んでいるうちに妙に癖になってくる。
梨のみずみずしさとも合うし、みかんの爽やかな酸味ともぶつからない。
なるほど、悪くない。
そういえば、と俺は思い出した。
元の世界には、りんごを使ったマヨネーズ系のドレッシングがあった気がする。
ソースだったかもしれないが、確かにそういう製品が存在していた。
梨やみかんを使った同じようなソースもあったはずだ。
果物の酸味とマヨネーズのコクは、実は相性のいい組み合わせなのだ。
今後の料理のひと手間にも使えそうだ。
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フルーツサラダを食べながら、いくつか考えが浮かんできた。
まず、果樹は取り払わずに残しておこう。
一部の木はずっと実を生産させ続けるようにしておけば、果物がいつでも手に入る。
料理にもデザートにも、安定して使えるのはありがたい。
そして、もうひとつやってみたいことがある。
果物の種類を増やして、生ジュースを作るのだ。
市販のジュースもいいが、絞りたての生ジュースは格別だ。
果物そのものの香りと甘みが、ぎゅっと詰まっている。
あの美味しさは、一度味わうと忘れられない。
そのためには電動ジューサーが必要だ。
今度、願ってみよう。
(メセタに絞りたてのジュースを飲ませたら、どんな顔をするだろう)
高速で揺れる尻尾が、容易に想像できた。
俺は少し笑いながら、フルーツサラダの最後のひと切れを口に運んだ。
穏やかで、満ち足りた午後だった。
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