42 食後のデザートに梨を剥く
昼食を食べ終えて、後片付けを始める。
食器を洗いながら、冷蔵庫から梨を取り出した。
ついでにデザートにしよう。
まな板の上で、梨の皮を手際よく剥いていく。
剥き方はりんごと同じだ。
螺旋状に切れ目を入れながら、皮を繋げて剥く。
りんごと梨は見た目も似ているし、剥き方も同じだが、食べてみると性質が違う。
りんごは果肉がしっかりしていて繊維を感じる。
梨は繊維もあるが、それ以上に水分が豊富だ。
噛んだ瞬間に果汁がじゅわっと溢れる、あの感じが梨の魅力だ。
この違いで、りんご派と梨派に分かれるらしい。
まあ、俺はどちらも好きなのだが。
派閥なんて関係なく、美味しいものは美味しい。
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くし切りにして芯を落とし、皿に盛り付けていく。
剥き終わる頃には、横でメセタが尻尾を高速で振り回していた。
しかも、よく見ると口の端から涎が垂れている。
「そんなに待ってたのか」
「はい!それ、絶対に美味しいやつですから!」
もはや経験から確信しているらしい。
察しがいいというか、食い意地が育ったというか。
皿をメセタの前に置くと、首を傾けた。
「りんご?」
「いや、これは梨という果物だよ」
「似てる」
「似てるけど違うんだ。食べてみれば分かるよ」
「でも、美味しそう……あむ……しゃく……」
メセタの目が見開かれた。
「美味しすぎるぅ……!りんごより水が多い!!」
「お、よく気づいたな」
りんごより梨の方が水分が多い。
まさにそこに気づくとは、メセタの舌も鋭くなってきたものだ。
「果汁がじゅわっと出てきますね……これはこれで最高であります!」
「だろ?」
俺も自分の分を口に運んだ。
「あむ……しゃくり……」
歯を入れた瞬間、果汁がぶわっと広がった。
りんごのしゃきっとした歯触りとは違う、もっとみずみずしくて柔らかい食感。
甘さの中にほんのりとした酸味があって、口の中がさっぱりする。
「ううん……やっぱり水分が多いな……ぱくぱく」
「「美味あ!!」」
また声が揃った。
ふたりで仲良く梨を平らげた。
昼食後の口直しに、これ以上ないデザートだった。
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さて、今日は洗濯をしよう。
たまっていた洗濯物を片付けるのにちょうどいい。
今回は液体洗剤を使ってみることにした。
洗濯物を洗濯機に入れて、液体洗剤を適量投入し、スイッチを入れる。
ごうんごうんと低い音が響き始めた。
じゃーっと水が注がれていく。
蓋を閉じて、洗濯時間を確認する。
(全行程で47分か。それまではのんびりするか)
俺はリビングのソファに腰を下ろした。
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すると、メセタがすぐに隣にやってきて、身体をぴたりと擦り寄せてきた。
「甘えたい?」
「はい。たまには」
「いいよ。よしよし」
頭と背中を、ゆっくりと撫でていく。
もふもふの毛並みが手のひらに沈んで、撫でているこっちまで落ち着いてくる。
メセタは気持ちよさそうに目を閉じた。
穏やかな表情だ。
前にもしたが、ふとメセタの頭にそっと口を寄せて、軽くキスをした。
「だから!我が君!?なんでそこにキスするんですか!?唇じゃないんですか!?」
メセタがぱっと顔を上げた。
「なんで唇にする必要があるんだ!」
「なんとなく……」
(やはり怒られましたね)
メセタは小さく呟いて、また目を閉じた。
尻尾がゆらゆらと、満足そうに揺れていた。
俺は呆れながらも、その頭を撫で続けた。
洗濯機の音が、リビングに穏やかに響いている。
のんびりとした、平和な午後だった。




