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【改稿版】異世界転移した俺は万能スキルでスローライフを謳歌する  作者: みなと劉


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18/49

18 今日の夕飯は揚げ物とパスタとサラダだ!

 タルタルソースは、マヨネーズの応用だ。

 まな板の上にらっきょを取り出して、包丁でみじん切りにしていく。らっきょは丸くて小さいから、転がらないよう指の腹で押さえながら慎重に刻む。細かくなるほど、ソースに混ざったときの食感がよくなる。

 切り終えたらボウルへ。マヨネーズを適量加えて、菜箸でぐるぐると混ぜ合わせる。最後に塩をほんのひとつまみ。味を引き締める程度でいい。

「できた」

「また何か作ったんですか?」

「タルタルソース。マヨネーズを使った調味料だよ」

「また新しいやつ!?食べたいです!!」

 もはや条件反射だ。スプーンに少量取って差し出してやる。

「あむ……すっぱぱぱぁ!でも、このつぶつぶが深みあって……美味あ!!」

 わかる人間にはわかる、あの感覚だ。らっきょの独特の食感と酸味が、マヨネーズのクリーミーさの中にアクセントとして溶け込んでいる。

「このつぶつぶ、なんですか?」

「これだよ」

 らっきょの瓶をメセタの前に出した。

「これがあのつぶつぶの正体!?」

「そう。みじん切りにしてマヨネーズと和えて、塩を少し入れただけ」

「でも塩の味、全然しなかったですよ?」

「酸味が強い味わいだと、少量の塩は前に出てこないんだ。隠し味に近い感じかな。塩があることで全体の味が締まるんだけど、塩そのものは主張しない」

「難しいですね、料理というのは」

「奥が深いんだよ」

 メセタが感心したように何度も頷いた。料理の理屈を話すのは、俺自身も整理になって悪くない。


---


 さて、本格的に夕飯の準備を始めよう。

「フライ用バット」

 ぽんっ。

 テーブルの上に、金属製の長方形のトレーが現れた。中に網がついていて、揚げたものを乗せると余分な油が下に落ちる仕組みだ。これがあるとないとでは、仕上がりの油切れが全然違う。

(よし、まずは鯵から)

 食品トレーのラップを剥がすと、三枚おろしにされた鯵が並んでいた。スーパーで売っているフライ用の鯵とまったく同じ状態だ。骨の処理も済んでいて、このまま衣をつけて揚げるだけでいい。願って出てくる食材は、毎回ちゃんと使いやすい状態になっている。本当に助かる。

「パン粉」

 ぽんっ。

 袋入りの徳用パン粉が現れた。かなりの量が入っている。

(徳用か。まあ、今日は揚げ物をたくさん作るから丁度いいか)

 次に海老のトレーを確認すると、「フライ・天ぷら用」と書いてあった。

(フライと天ぷら、両方作れるな)

 天ぷらには片栗粉が要る。小麦粉だけより、片栗粉を混ぜた衣の方がサクッと軽く仕上がるからだ。

「片栗粉」

 ぽんっ。

 袋入りの片栗粉が加わった。テーブルの上が、だんだん賑やかになってきた。


---


 揚げ物の段取りが見えてきたところで、俺はもう一つ献立を考えていた。

 海老の一部とあさりは、パスタに使おう。ホワイトクリームソースで仕立てれば、揚げ物との組み合わせでボリュームのある夕飯になる。

 ホワイトクリームは、バターと小麦粉と牛乳があれば作れる。バターを溶かして小麦粉を炒め、そこに牛乳を少しずつ加えながら伸ばしていく。塩で味を調えれば完成だ。一見難しそうに見えるが、手順を守れば失敗が少ない。そしてこの作り方をマスターしておくと、クリームシチューにも応用できる。覚えておいて損はない。

(今後も出番がありそうだな)

 まずはホワイトクリームから取り掛かろう。揚げ物は後回しにして、ソースを先に仕上げてしまった方が、仕上げの段取りがスムーズになる。

 バターを念じると、紙に包まれた一箱が現れた。

「我が君、今日の夕飯はどんな感じになるんですか?」

 メセタが待ちきれないように聞いてくる。

「鯵フライに海老の天ぷら、海老とあさりのクリームパスタ、それからさっき作ったサラダにタルタルソース」

 一瞬、静寂が落ちた。

「……全部食べていいですか?」

「一緒に食べるんだから当然だろ」

 尻尾が最高速になった。

 俺はフライパンにバターを落としながら、今夜の夕飯の段取りを頭の中で組み上げていった。


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