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噛み合わない俺たち
"お願い、考え直して"
あの一瞬の間に何が起きたのか、俺には理解出来なかった。あとめちゃくちゃ周りの視線が気になる
「あいつ振ったってまじかよ」
「でもキスされてたよね?」
「じゃあなんであの子逃げてたのかしら」
「やべー」
「女の敵じゃん」
ノイジーな噂が鳴り止まない。早く虹咲さん連れて帰ろう
「帰ろっか虹咲さん」
俺が声かけたが、俺の声に動じることなく手に持った紙切れを持っていた
「虹咲さん?」
「あ、う、ごめん。うん、帰ろうか」
2度目の声掛けでようやく気づき慌てながら俺に歩み寄った。一体何があったのだろうか
その日の夜、夕食中虹咲さんは俺に対して一言も発することもなかった




