初めての?
「ゆーちゃんかわいいねぇ」
「あはは、ありがと」
「どうしたの?元気ない?」
「ううん大丈夫。ただ、久しぶりの学校だから少し疲れがね」
「まあなんかあったらうちらにいいなね。助けてあげるから」
「うん、ありがと」
俺は遠目から女子と結月の会話を眺めていた。俺は完全に空気だった。なんでかは言うまでもなくあいつのせいなのだろう。このクラスには元カノ側の派閥にいる人間は結構いるので、俺を干そうという魂胆なのだろう。上等だ。別にびくともしねぇよ
「話さないの?」
後ろから遥乃さんが話しかけてくる
「ちょっとまあ…俺も色々あるからな」
「ふーん」
「なんかまた物申したければご自由にどうぞ」
俺は開き直ったような口調でそう言った
「いや何も言うつもりはないよ。朝はセクハラしたんじゃないかって心配で声かけたが」
「俺はそんなことするような趣味ないけどね」
「まあそれもそうか」
そう言って遥乃さんは俺の前から立ち去った
授業が始まる。久しぶりの授業…もちろんついていけるわけがない。もはや異国語をずっと唱えられているような気分だ。
俺がぼーっと授業を受けていると、結月の方からの視線を感じた。俺の方を向き、もじもじしながら左手で右手で抑えてるスカートの方を指差していた
何が言いたいのかよく分からない…
「!?」
俺の頭に電流が走る。まさか、トイレにいきたいのか…
もじもじしていて、尚且つスカートの方を指さしているということは、もうそれ以外ないだろう。俺はジェスチャーで先生に代わりに許可もらって欲しいのかと聞いた。すると左手の親指と人差し指で小さな丸を作ってくれた。いや行きたいなら自分で言えばいいだろ。何で俺に頼むんだ
……
それにしても、どうすればいいのか。なんか、そのまま伝えるのは絶対違う気がした。というか逆に目立つし。ならば俺が先生への許可を恥ずかしくならないように何かふざけたことでもすれば…
そうだよ、それが最適解じゃないか。我ながら天才だ。
よし
ガタッ
俺は席を立った。
「んあ?どうした藤本」
元カノのせいで全て失った俺は無敵だ。今更何言われたって恥ずかしくない
「うわあああああああああああっちから巨大キノコがニョキニョキとおおおおおおおおおお」
……
静まり返る教室。呆れた顔をした先生と俺は見つめあう
数秒経って結月が手を挙げる
「あっ、先生。トイレ行ってもいいですか」
「あ、どうぞどうぞ」
結月は駆け足でトイレに向かった
休み時間、周りの俺に対する冷たい視線を横目に結月は泣きながら俺に
「優〜あじがど〜」
と飛び込んできた。別に大したことした訳では無いけどな(まあ頭イカレフルーツポンチがするようなことをしていたと言われたらぐうの音もでないのだが)
「なんだ、トイレ行きたかったなら普通にいえばいいだろ」
遥乃が横から入ってくる
「いや、なんか、入院してる時は看護師さんに手伝ってもらってたから、一人でするのが初めてで...」
「なるほど、初体験っていうやつか」
「「絶対そういういみじゃないから」」
2人が息を合わせるようにツッコんできた




