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ロヴァノリヤ禽獣旅紀  作者: 南部 八十一朗
第Ⅰ章 禽獣は騎兵民族国家への旅を致す
8/11

禽獣は旅を委ね往く Ⅲ

街中に佇む宿を見つける。石造りの立派な建物。壁には細かい模様が刻まれており、如何にも色々と高そうな宿に観える。入口も言葉には表し難しいが、かなり立派である。

「とりあえず、此処で取れるか、入ろう、イデナ」

「そうだね」


扉を開け、中に入る。其処は、御伽噺の様な天井型灯籠照明(シャンデリア)に幾何学模様の絨毯、光で輝く革製のソファ、高級感が臭い漂っている。

「高そうだな...」

「やめとくか?...」

「一応、空室状況でも確認しよう」


そうして、フロントへ行く、従業員も身形は高そうな服に、上質な化粧に肌、我らとは違う所がまた良い、文化的にもな...上質を零落させて、堕落させたいと感じる、既にもうしたが。

「二部屋空いてる?」

「ちょっと待ってくださいね..今確認します」

「なぁ、ミュハ、こんなところに泊まる金は在るのか?」

「有るに決まってる」

「...え?」

「舐めるなよ、こう見えて、財政力は有るんだぞ」

「そう..なのか...?」


ブルジョワから頂いた(奪い殺した)金品が有る。決して悪の金では無い、労働者から搾取した汚ない金なんだから、奪ってもいいし、序に其処らのブルジョア数人くらいやっても大丈夫だろう。

どうせ、みんな死ぬんだから、多少早く死んだって仮定すれば大したことじゃない。

「二部屋空いてますよ」

「じゃあ、其れで...」

「解りました、其れでは部屋に案内しますね」


・・・・・・・・・・・・・・


ガチャと開く宿泊部屋の扉、曜々と光る照明。

「之で一人部屋!?」


とイデナが驚く、其れも其の筈、扉の先には、上質上級の素材で出来た寝具(ベッド)に花柄の幾何学模様の絨毯にフカフカそうなソファ、まるで貴族や王族の宮殿の一部屋の様に魅える。

私の方も同様、まるで貴族な部屋だ。

「では、ごゆっくり...」


従業員は去り、私とイデナは部屋に割かれ、独りで過ごす。

夕食は宿に有る食堂でも行こうかな。毛皮の羽織をベッドに放り投げる。

「はぁああ~疲れた」


そう言って、机に座り、煙草取り火点け、一服する。右手に煙草を持ち、口から溢れる白煙を出し、左手に載せる、その時、煙は灰皿に換わる、煙に換えて収納していた。

「はぁ~」


煙草から垂れる燃え灰を灰皿に落とし、天井を見上げる。

最近は、だいぶ”本心”が落ち着いてきた、順調だ。だが、又、可笑しくならない様にしないとな...

「また死人を出すことになるからなぁ...」


既に、私の掌は氷塊の様に巨大で多量の血が流れている、其れは私の血では無く、他者の血だ。

決して正義とは言い切れない物だが、全て自己防衛と言えば難なく済むことだ。

大丈夫、まだばれていない(露呈していない)、屍は煙の中、そのまま煙の様に有耶無耶にすればいい

だけの話だ。だが、裏に潜む本心はかなり暴れようとしている。裏の本心は言わば、私の血の中に在る獣の血だ。表が人間で裏が獣、其の獣の血が生命の血(虐殺の血)を求めている。多重人格では無い、双方私の精神だ。

餓狼か、将又、神話や逸話にでも出て来る多殺の獣の様に感じる。父方の北方の神話にでも出て来るヴァナルガント(悪凶の神殺しの狼)の様だ。だが、あれはあくまでも架空の話(御伽噺)だ。存在する筈がない。

存在したとしても...私なんかとは違う物だろう。


だが...もし、私の血にヴァナルガント(悪凶の神殺しの狼)の血が流れるならば...其れは其れで、命有る物達に恐れられる者として覇せる事も良いだろう...御伽噺に出る串刺し公や大悪魔(サタン)の様に正義の役では無く、悪の役でも良いでは無いか、何なら、私は悪の方がいいと感じる。正義なんて全員悪と同じで価値観や思想で変わる。要は馬鹿と天才は紙一重の様な物と同じ意味な感じだ。


だから、この世の中、手を血で染めても合法なんだよ。其れは私にとって”正義”なのだから、不幸は蜜の味、殺しは世の中の甘味料なんだよ。皆どうせ、いつかは死ぬ、老衰か事故か病か他殺か、寿命の変動と考えれば、大したことでは無い、死神(死の管理者)とは違う者だ。其れは其れで良いものだ。

「また、いつかは他者を...殺す(やる)か...」


恐れる事では無い、殺しと言っても、自らの手で血塗る以外にも瀕死からの見殺しでも良い、事故の様に見せれば良い、所詮生命体(人間に亜人)は価値が跳んで消えた紙幣(紙屑)と大差無いのだから。

「はぁ、亦煙草(鎮静剤)の量が増えていく...」


煙草は能力の供給源にして、裏を抑える一品だ。

どうやら、煙草やその紫煙が裏の獣には力を弱める様で、煙草を吸うと落ち着くのだ。決して、中毒では無い筈だが、耐性を持ち始めている気がする、不味い事だ。また、命狩りをする事に成る。

(周りの者には迷惑を掛けたくないのだがなぁ...)


灰皿に煙草を勢い良く押し付ける、皮剥けた果実の様に花開く煙草に朦朧と燃える煙草の火と薄霧な紫煙、灰皿に散る煙草を採ろう"勝手"にする、右手を左手で止める。()が此方に干渉して来たのだ。左手と左腕の感覚が無い。


(暴れるな裏方(獣の血)、その煙草を取るな)


抑える右手を離し、灰皿に乗る、瀕死の煙草を拳の形で潰す、ドンと言う音で葬った。

すると、左側の腕と手の感覚が戻って来た。こいつ(裏側)、自ら煙草を吸おうとしたのか?

全く訳が分からない、複雑怪奇。

(はぁ...私は何者だろう、獣と人間、理性も思考も雪と墨じゃないか、文明を創った人間と自然を蔓延る(生きる)獣、混血とは言え、思考も全てが混合して意味不明になる。困る物だなぁ...)


両足を机上に組む様に乗せ、又、喫煙を始める。コートの(ポケット)から煙草箱を取り、一本採り、別の(ポケット)から火点け機(ライター)を取り、煙草の先端(副流煙)から、溢れんばかりの紫煙が湧き出ている。幼稚的だが、煙が多量に排出されるのを見ると無性に見てしまう、そして、副流煙から出る煙ごと吸い上げるけどね。供給量が上がるし、副流煙の煙って、かなり有害な物質が多く含まれれてるから、攻撃力が上がるし、一石二鳥。

「中毒で殺して、証拠不十分で済むしな、良い物(煙を操る)だ、之は」


今思えば、こんな物騒?な事を考えているが、表の思考だからなぁ...裏は、どんな思考をするのだろうか?無差別殺人でも考えるのだろうか?

(この裏に潜む、獣と一度でも接してみたいな、そいつはどう思うのだろうか)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「いやぁ~、なんて豪華な部屋なんだ、こんな部屋初めてだ...何か逆に落ち着かないな...」


あの獣半人(ミュハーン)って言う奴、中々の金持ちなのだろう、か?

いや、もしかしたらな、意外と何かしらの商売で儲けてる可能性も有るしな、深く考えないで置こう。

騎兵民族(コサック)国家か...この国は大空の様に広大で、私も知らぬ未知の所が大量に有るのだろう。そう思うとワクワクする。しかし、此の国はかなり危ない状態だ。ここ等はかなり平和な方だが、既に、帝都や帝都周辺の都市はデモやストで治安が悪化するばかり...

「あぁ~終わりだよ、此の国...」


絶対革命起きて、内戦とか起きるわ之、其れなら、母の国に亡命するしかない、だが、シャベリン経由...夏場に行くしか無いのか...あんな極寒地、冬季にでも行った凍死するだけだ。鉄道も不十分で、過激的な東方民族しか居ない、いくら私が東方の血が流れていても、必ず何かしら、変な事に巻き込まれそうだなぁ。

「何か、腹減ってきた。何かこう、腹に溜まる物が良いな...芋料理に肉料理、ジョッキに酒注いで、一気飲んで...たまらないなぁ...早く食べたいなぁ...」


翼に生える羽を弄る、退屈の証明現象だ。喫煙したいが、何か豪華すぎて、煙草の匂い付き添うで気が引けるしなぁ...

(何すればいいのだろうか...)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


八十一朗です。名前少し変えました。

見てくれてありがとうございます。


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