禽に狼に馬の旅 Ⅲ
評価please...
朝、其れは何とも楽しい時なのだろうか。
「ふぅあ~、朝かぁ...」
私、ユジノーの朝は早い。いつも、何時ぐらいに起きるだろうか、5時?4時?ぐらいだろうか。
早朝からやる事は一つ、この豊かで広大な原野に向かって、走る事!!走る事は、私にとって掛け替えのない事だ。この広い原野、走り回ってみたいではないか、絶対、楽しいではないか。私達、馬人にとって、走る事は誇りであり、快足と俊敏は、更なる誇り。
遅ければ、馬人としての地位が崩れてしまうからね。私は自分が言うのも難だがかなりの足の速さの持ち主だ。...自称ぐらい別に良いだろうしねぇ...
平野を駆ける。心地よい風が私をなぞり、地を踏み、硬い土を僅かに掘り起こす程の脚の動き、凄まじい脚の筋力、私の大きな取り柄。昔、50mを測定時、早すぎて計測者が反応出来なくて、何十回も走らされて、唯一測れた記録は、1.4秒。ただ、この時は前述した何十回も測られた影響で怠くなって、意図して遅くした結果なんだよね。だからね、本来はもっと速い。後、こんな速さで跳ぶと、凄く高く飛べるから、天馬なんて言われてたなぁ、懐かしいなぁ...
あの頃は、何もかも多彩で鮮やかで楽しい日常生活だったなぁ...毎日、友達と遊んでは飯を食べ、スクスクと寝る日々、でも齢が上がる度、楽しいより現実と言う暗雲が身も心を埋めて来るんだよね。昔の様に子供も大人も陽気に話す、あの日々は何処に行ったんだろうか。早く楽にならないかなぁ...
デモにストライキ、何なら新聞に載らないが、片田舎の農村では餓死する者も居るし、騎国議会に宗主国の国民議会も腐ってるし、情けない金の駄才者、無産者にして災い、国王。皆、そう蔑む...いや称えるの間違いか、そんな感じで日々、此の国では、荒れが増してる。叛乱にデモにストライキに馬賊の増加、終わってる色々と。之が現実、慾と金が支配して、挙句の果てには物資巡って殺し合い、もう皆可笑しくなってる。
そう思うと私は凄いと思う。今日まで餓死も自決もせず、懸命に生きてる。其れだけでこの平野の様に広大な価値があるんじゃないか。まだ、その価値は増える、明日、明後日、来週、来月、来年。まだまだ、この価値を増幅させる収入源はあるじゃないか、だから、これからも頑張って行こう。そんな事は当たり前だけどねぇ...
原野を駆けた私は、あの場所に戻る、今の私には仲間が要るんだ。
ミュハさんにイデナさん、あの人達は優しくて面白くて愉しい、ずっと旅したい...
流石に、人生の伴侶は...ちょっと...かな...?
「おっ、ユジノー、おはよう」
「あっ、ミュハさん、おはようございます!!」
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あぁぁ、腹が何か変な感覚だよ。昨日の夜は、ユジノーに腹枕されたからかな...
「あの、昨日は...枕になってもらって...良かったです..」
「ぉぉおお...そ、そうかい...」
「柔らかったし、包容力がありましたし、何というかタプタプしてました!!」
「言わんではいいわ!!..(ちょっと気にしてるんだよぉ...)」
あぁ...此奴も...って危ない、また、手に掛ける所だった。流石に、未だに平期なんだ。乱暴で残虐な事をしたら、亦、乱期が舞い降りてしまうじゃないか、此処は抑えて耐えよう。ふぅ...
これ以上の殺人はこいつ等にも迷惑掛けるし、何なら、隠蔽で燻り殺すかもしれないしな、感情抑えて抑えて...心で殺意を抑えるんだ。
いや、待てよ...馬の血...美味そうじゃないか、馬肉抉り貪るのも、良きかな...
落ち着け私。焦るな、殺意は消す。幸い裏方の攻撃も無い、穏便に済ませれる...
(ふぅぅ.....)
「許してくださいよぉ...」
「はいはい、次言ったら、其の尻尾引き千切って、毛皮商に売るよ~」
「ひぃ~!!其れだけは勘弁して下さい!!」
「しないよ」
本当にしようかな?いや、肉体じゃないと美味しくないからな...
まぁ、そんな事は無いけど...
う~ん、今日もこの馬車兼拷問走行させられるのか...早いのは物事を早期に終わらせれるけど、
その分の犠牲が酷過ぎる。なぜ、移動で身体を傷つかないといけないのか、意味が分からない。
そして、旅は再開する。馬車の座席に私とイデナは座り、ユジノーが馬車を牽こうと馬車から出るハンドルを持つ。
「ちゃんと速度調整してくれ...」
「私が気絶したら、お前を殺す」
「許して...ちゃんと速度落としますからぁ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続




