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禽に狼に馬の旅 Ⅰ

イデナの能力変えました。

不可解な事を引き起こす事→星天を操る事

詳細は寒地の禽獣Ⅴ

「ちゃんと分け合ってくださいよぉ~」


満天の星空の景色共に御飯を食べていたが...

如何やら、三人均等に食べきれなかったみたいだ。

証拠として、”私”が一杯食べてしまった。足りなかったのだ...しょうがない...

「ミュハでしょ...一番飯喰うし...」

「ミュハさん!!ちゃんと私達の分も考えて、食べてくださいよ...」

「すまんすまん...」


食事を終え、夜も更に老け、星々の輝きの聲が更に響く。

雲に隠れた星も天に踊り(ひか)る星も水の中、光に反射する宝石の様で美しい。

今、青緑の草原の絨毯上に背を合わしている。


「綺麗だな」

「そうだね...」

「...終わった」

「...?どうした?」

「...私のお腹を枕にして、ユジノーが寝てる」

「...お疲れさん...」

「はぁ、もう寝る、おやすみ」

「おぉ、おやすみ」


そうして、私は目を瞑り、だが閉じた瞳の中からも、星々の光を感じる。

薄れる意識、沁みる星光(ほしびかり)、だが、その光も意識と言う暗闇には勝てなかった。

(今日は色々と濃い一日だったなぁ)


そんなことを思いながらも、寝るのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


二人はもう寝た。私だけが起きている。

青黛色の空、無数の多彩な星々が蠢き光合って居る、何とも思えない、そんな感覚に陥っている。

言葉には表せない程に綺麗な星空、風も吹かず、ただ、星達が東へ沈む旅をしている。


立ち上がり、真上を向く、其処には、全く動じない白光を発す一星が佇んでいる。

パルシュカ(不動)と言う名を持つ恒星だ。神話では、民を導くために不動の星に成った、地の神と伝わっている。此処の神話は多神的だ。宗教も多神教、私の母国と同じだ。

外套(コート)(ポケット)から紙数枚を取り出す。


母の一族からの手紙だ。随分前の物だ、八か月前も前に来た物。

何年も手紙での対話をしているが、一つ一つの手紙のやり取りで時間が掛かってしまう。

この手紙、かなり特殊な魔法...妖術が掛かっている、返信する時に、この手紙は消えるのだ。

恐らく、瞬間的に向こうへ送れる業の一種だと思われる。便利な物だな、妖術もとい魔法は...


手紙の内容は、安否確認と向こうの一族の様子くらいだ。ずっと前の手紙の内容で母の事を記していた。

私の母は、向こうの国では旅をする者で、定期的に一族の住む山には帰郷していたが、或る年を境に手紙でのやり取りに変わった、如何やら、他国へ旅をし始めたそうで、帰るにも時間がかかるらしく、手紙にしたそう。その後、年に数回程度の手紙でのやり取りをした後、突然連絡が途絶えたらしく、心配したが、三年後、手紙が返ってきたそう、其処には...子を産んだ。私を産んだ事が記されていたそう。

一族はかなり驚いたと聞いている。その後、十数年後、私が手紙を書くように成る。


最初の手紙は、母が死んだ事、母の子供の事、周辺の状況等を書いた。

帰ってきた、手紙には、悲しみの言葉の連続に、手紙の端には濡れた跡が在った。

その後は、時間が掛かりながらも、互いに平凡な日常や国内状況を書き記している。或る時は、手紙に私の写真を送ったりした。その時は、母に似て、イケてる的な返しが書かれていた。


私は母方の”天狗”と言う血と父方の黒鷲の血を汲んでいる。翼は鷲の様に大きく、羽は鴉の様に綺麗。

一族曰く、私は天狗の中でも、かなりの地位に成れると聞かされている、写真を送った際に。

向こうは山を統治する天狗の棟梁の一族で、かなりの者だ。


手紙の中には、私に会いたいとか、そっちの話が聞きたい等、恐らく、手紙は数人で書かれていると思われる。何せ、母は上に一人の兄に、下に三人の妹・弟の居る五人兄弟の長女らしく、その兄弟や兄弟の子供、叔母・叔父・従兄弟・従姉妹達が書いて居るのだろう。


外套(コート)の別の(ポケット)から(ペン)を取り出し、手紙に返信を書く。

内容はこっちの様子と安否確認への返信を書くぐらいだ。

「返信に時間が掛かってしまい、すみません。今は旅仲間二人と旅をしています。こっちは何とか生きております。」


そんな事を書き記す、よし書けた。紙を折り畳んで、両手で抑える。

その瞬間、手紙が暖色に染まり、消える之で、之でよい筈だ。


昔、母から教えてもらった、妖術の一つ。伝聞紙送(でんぶんしそう)。遠くにいる者に手紙等を渡す際に使う術の一つ。遠すぎると其れなりに時間は掛かってしまうがな。他にも母から幾つか術を教えてもらったな...懐かしい。


今度は左のズボンの(ポケット)から煙草の箱を出し、別(ポケット)から火点け機(ライター)を取り出し、一服する。


何時からかな、此の国は変わったのは...

如何して、種族で序列や階級を創り、蔑み、嘲笑い、虐げる。

結局、私には平等主義が一番馴染む思想なのかもしれない。


此の世には、数多の思想が混在している。其れは宗教から、神話から、労働から、階級社会から、競争社会から等、様々である。平等主義。之は労働と階級社会によって産まれた思想の産物で在り、見た目や力の差、収入の差などは関係なく、互いに強みを讃え合い、互いに協力し合いながら、成長しよう的な思想である。だが、平等主義の支持者は増大で多量、多様な考えがある、その中でも派閥が在る。右派と左派、若しくは、中派。右派は保守で慎重派。左派は革新で軽率的で過激。中派は中道で、左右派とは違う独自の考えを持つ。その中で、私は、右派寄りの左派。こう見えて暴力革命派。言論で意味を成さないなら、暴力で地位を壊すしか無いのだから。革命時は、東方へ逃げるけど...道中の他民族を煽動させる見込み、ただ、脅しとかでは無く、最初は対話で説得させる。拒否されても、私は何とも思わない。過激派、拒むなら、滅ぼすみたいな奴が多いから、右派寄りだと思う。


だが、革命は、もうすぐ産声を上げる。

私は、母の国へ行くが、他の同志達は此処で、活動をするだろう。

其の日が楽しみだ...


・・・・・・・・・・・・・・・・・・



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