禽獣は旅を委ね往く Ⅶ
まず何処から、言えばいい状態だろうか。
「自己紹介します!!私は馬人のユジノー。コクラスティン・ユジノーです。よろしくお願いします!!」
「私は、ミュハーン、ミュハーン・ゼムリャツキ。姉貴じゃなくてミュハって呼んでくれ」
「私は、イデナウアー・コルチャフネン。イデナで良い」
「ミュハさんにイデナさんですね。覚えておきます」
之で何とか名前は解った。だが...
「ユジノーは私達と旅がしたいって言ってるんだが...」
私は少し、小声気味にそうイデナの方に伝える。
ユジノーもその言葉に乗じて。
「私、二人と旅がしたいです。狼に禽に馬、面白い旅に成りそうじゃないですか!?」
「......」
イデナは腕を組み、深く考え込んでいる。私としては、快く承諾するのだが...
イデナは何か引っかかる処でも有るのだろうか。
だが、直ぐに其の考えを裏切る。
「...まぁ、人数が多ければ楽しいしな」
そう言うとイデナはユジノーと握手を交わす。
ユジノーは嬉しさの余り、勢いつけて私とも握手をした。
「私嬉しいです!!」
そう言って大はしゃぎしている。何か凄く元気な人だなぁ...
しかし、今私達は何をするか。
此処を抜け、残る二国へ行くか、その道中で街へ行くのも良し...
「さぁ...次は何処へ行くか...ユジノーは何かお薦めの場所とか無いのか?」
「う~ん、そうですねぇ。此処から少し南へ行ったらクラスノコプって言う町が有るんですけど、本格的な騎兵民族の食文化が味わえますよ」
「食文化、何か面白そう」
イデナも興味が有るそうだし...
「じゃあ。其処に行こう!」
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ロスヴォフヴォルクを抜け、広大で壮大な草原、奥には山々が見える、のどかな景色。
だが...
「速い!!速い!!」
「息出来ないんだけど...」
低酸素運動にはピッタリの乗車だ。其れをすれば...何の利点も得ないな。
ユジノーは相当な...卓越した脚力の持ち主だ。私のイデナで100㎏以上に有る人力車を軽々所か、何とも平気な顔で持ち上げる。之が馬人なのか...いや、ユジノーがかなりの格の在る人物かもしれない。
あっという間に風景と陽は進み、夜が出て来る。
大自然に佇む道の途中、馬車は止まる。そして、ユジノーは言った。
「今日は野宿です」
その言葉より、やっと馬車が止まった事に、心が喜んだ。
「やっ..と.馬...車..止まっ..た...」バタッ
「イデナ!?」
「イデナさん!?」
イデナはもう真っ青な顔で元気が無い。かなり危機的な状態だ。
「ユジノー、イデナを仰向けにしろ!」
「はい!!」
座席から二人掛りでそっと優しく担いで降ろし、地面に仰向けに寝かす。
「スーハースーハースーハー」
寝かした瞬間、激しい呼吸音が聞こえる。
かなり危ない状態だったが、何とか最悪な事態にはならなかった、良かった良かった。
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夜が天を占める中、広い平原の絨毯の上、山型の焚火に、酒に馬車。
焚火の上には薄く平たいフライパン。厚切りベーコンに目玉焼き三つに胡椒掛かりの角着いた芋、五切れ程度。フライパンを持つのは、ユジノー。
ジッとユジノーは、フライパンで焼かれ踊る食材を見つめ、イデナは仰向けの状態で星空を眺めている、かなり体調は良くなって居る。そんな二人を横目にウォッカを飲み干す。
昨日飲んだクバニエールとは違い、今日はヴォルカと言うウォッカを飲んでいる。銘柄によって、風味や後味、容量に値段が違う。基本的に、全部旨い、私所謂違いの分からない物だから、高級とかはっきり言うと解らない、何処にこだわっているのだろうか...値段にこだわって安く旨いして欲しい。
やっぱり、税の制度とか独自にできる自治度の高い騎兵民族国家は酒税は低いから、酒も安いし旨い、当たりだね。
「そろそろ、じゃないですかぁ...」
「いや、まだベーコンが焼けきれてない」
「早く...食べたいです...」
「落ち着けユジノー、別に盗って喰われるなんて事無いんだから...」
「いや、普通にこの体勢疲れます...」
「...まぁ...あと少しだから、もう少しの辛抱だよ」
「もう少しの辛抱...頑張ります..」
今、食材を焼いている此のフライパン、元々馬車に付いていた装備品の一つなのだが、ちょっと泥と土が先端について居た、一応、拭いて取ったが、何か泥と土の味が含んでそうだな...
「もういいぞ、ユジノー」
「やっとですか...」
そう言って持ち手をゆっくり地面に置き、座り込む。
ずっと中腰の姿勢で疲れて、腰を摩っている。
「お疲れ様。じゃあ食べるかぁ...」
そう言って、外套の内側に有る嚢からフォーク三本取り出す。
之も煙に換えていた物だ、ちゃんと綺麗に洗っているから大丈夫な筈...
「はいフォーク」
「ありがとうございます」
「ありがと」
三人共、顔を見回す。
「「「(均等に食べような)」」」
数秒の間の後。早速、三人は芋にベーコンにフォークを指し、口へ運ぶ。
口に広がる、ベーコンの肉油に塩の味、酒と共に食べたい。
他二人も満足そうに、食材を食べる。
満天の星空を眺めながら、其れは其れは何とも美しい風景と共に...
(星々が綺麗だなぁ...其れにこう言う食べ方も良い気がする...)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続
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人物解説
コクラスティン・ユジノー
本名 コクラスティン・プハスノスチ・ユジノー
種族 馬人
能力 言葉には表せない程の脚力を持つ事
人種 コサック系ロヴァノ人(自治国や傀儡国には自民族の人種に宗主国の人種を取り入れる事が多い。そのため、ユジノーの正確な人種はコサック系テュルク人)
(スロ:ノルド系ロヴァノ人)
(イデナウアー:東方系カルマーク人 自己証明書上は東方系ロヴァノ人)
騎兵民族国家に棲む馬人。年齢は24でギリ年下、身長は172㎝。
体重は79㎏で筋肉質(脚だけ)。好物は野菜と酒(ウイスキー系)
得意な事は走る事、苦手な事は勉強(頭はそこまで弱くない)。馬に成れる事が有るが使用時期が限定されている。
外観は、馬の様に綺麗で明るい茶髪のショート(僅かに白髪が掛かる)に黄金色の瞳、灰色の比翼コートをボタン閉めずに開けており、白襯衣に幾何学模様なベストを着ている。ズボンは黒の長ズボン、靴は脛あたりまで有る長い革靴。ズボンは靴の中に入れて居る。亦、顎紐付きで円形章の付いたサファリハットみたいなのを被っている。
騎兵民族国家に棲む馬人。家は持たず、その日暮らしをしていた。
仕事は、物の運搬屋をしていた。そんな日々を淡々と送っていた、或る日。夜道の散歩中、人を負ぶっている者を見た、その時、運搬して手伝おうと話しかけてみた。だが、見慣れぬ服装...旅人の筈...
旅人、旅は面白そう...この人、少ししか話していないけど...面白そうな人だなぁ...
この人と旅するなら面白そうだなぁ...そうだ、頼んでみようかな...
精神
騎兵民族の誇り・・・馬術に馬の扱いに慣れ、他の者より移動が速い。
速度の怪物・・・他の馬人よりも”圧倒的”に足が速いし、脚力も凄まじい。
”誰も”追いつけない。
能力 言葉には表せない程の脚力を持つ事
言葉には表せない程の速さを持つ事。彼女の牽く馬車は生命が乗ると、速さの余り、気絶や呼吸は難しくなる。攻撃力は低いが、脚力なので足技も強いので、其れで補える。また跳躍力も異常で3mを超え、5m目前まで跳べる。つまり、フィジカルが化け物。跳躍力・足の筋肉・足の力が特に凄い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続




