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剛腕JK  作者: ロキ
82/92

夜夢の修行

今日は2話投稿です

12時

18時

に予約入れてます


「あちらの時間ではここでの記憶は忘れてしまう。

今、言った事も忘れてしまうから、忘れずに行動出来る者が必要じゃ」


「え? そんな人いるんですか?」


あたしがそう聞いたら、雷様かみなりさまは、あたしのちょい上を指さした。


「まゆしー?」


「うむ」


繭糸まゆしは、沙有珠さうすが、お願いしておけば、あちらの時間でも

実行してくれるはずじゃからな」


「そっか!」


あたしは、まゆしーを見ながら、拳を握った。


「ヤムちゃん、守れるかもしれない!」

「そ、そうなの?」


あたしは、無意識に、ヤムちゃんの手をとっていた。


「まゆしーにお願いしとけば、むしをやっつけてくれるよ!」

「う、うん」

ヤムちゃんの顔が赤くなってるけど、どうしたのかな?


「そうじゃな。ただ、スイッチが切れなければじゃが。」

「あーそっか……時間が経つと、まゆしー、腕に巻き付いて消えちゃうんだよね……」


「それじゃ、それをなんとかしないといかんの。

お願いの仕方を工夫してみたらどうじゃ?」


「お願いの仕方……わかった! やってみる!」

「まぁ、今すぐでなくてもよいぞ。ここにいる7日で検証してみよう。

他にもやる事を決めんといかんし」


「そっか……わかりました」


「それと、まゆしーの射程距離なんじゃが、イノシシと戦った時を覚えておるか?」

「はい」

と言った所で、ヤムちゃんがびっくりした顔で聞いてきた。


「さうすちゃん、イノシシと戦ったの!?」

「うん、すっごくでっかいイノシシだった! 軽自動車くらいかな?

もっとあったかも」

「マジ?」

「マジ」


ヤムちゃんは、ひょえーみたいな顔をした。


「そんなのが、いるんだ……」

「大丈夫だよ、まゆしーが守ってくれるから!」

「そ、そうなの?」

「うん、この間の時も、まゆしーが、バン! ってやってくれて

追い払ったんだよ!」


ヤムちゃんは絶句という感じで、声が出ていない。

想像を超えてしまったのかもしれない。


雷様かみなりさまは、辛抱強くあたし達の話しが終わるのを待ってくれていた。


「いいかの?」

「あっ! すいません、大丈夫です」

そう言うと、雷様かみなりさまは、話しだした。


「あの時、イノシシに繭糸まゆしが届かなかった時があったじゃろ?」

「はい、ありました。ギリギリで届かなくて、悔しかったです!」

「という事は、あれが、最大射程になるのか……

ふむ、それも検証だな。

あれが最大だとすると、30メートルくらいじゃから、その範囲にいないと

守れないという事になる」


「あー……結構近いなぁ。家に帰っちゃったら、守れないのか……」


ヤムちゃんが不安そうな顔をして、あたしを見ている。


「射程を伸ばす修行もせんとダメかもしれんのぉ」

「はい、がんばります!」


あたしがそう言ったら、ヤムちゃんがほっとした顔をした。


「ここまでは、沙有珠さうすの修行の話しじゃ。

今回は、夜夢やむが狙われておるという事で、守らなければならんのだが、

沙有珠さうすのそばに常にいられる訳ではないし、

あちらの時間に戻ったら、狙われているという事さえ忘れてしまう。

警戒心のない子供なんて、簡単にさらわれてしまうかもしれん」


ヤムちゃんは、ひしっとあたしに抱きついてきた。


「すまん、恐がらせるつもりはなかったんじゃが……

まぁ、そういう訳で、夜夢やむも、修行が必要じゃ」


ヤムちゃんはごくりとつばを飲み込んだ。


「大人の力に、対抗出来るくらいの身体能力は身につけるべきじゃな」

「は、はい。でも、そんな事出来るの?」


「出来る、出来ないの話しではなく、やる覚悟はあるかの?」


雷様かみなりさまにそう言われて、ヤムちゃんは、ゴクリと

つばを飲み込んだけど、すぐに返事をした。


「はい! やります! がんばります!」


「そうか、よく言った。

では、へそを取るとしよう」


「「は!?」」


声がハモった。


「ちょーっと待って、雷様かみなりさま

なんで、おへそ取っちゃうの?

あたしは、取られちゃったけど、ヤムちゃんのまで必要なの?」


「え? さうすちゃん、おへそとられちゃったの?」

「あっ……」


あまり聞かれたくなかったんだけどなぁ……

こうなっては仕方ないか。


「うん。あたし、今、おへそ無いんだ。雷様かみなりさまが持ってる」

「うむ。これが沙有珠さうすのへそじゃ」


雷様かみなりさまはそう言うと、ふところからおへそを取り出して

見せてくれた。


「うわー」


やむちゃんはそう言ったまま、あたしのおへそをじっと見続けている。


あたしのおへそは、勾玉まがたまの様な形をしていて、ちょっと

光を放っていた。


「凄い、キレイ……」


ヤムちゃんは、服をめくって、自分のおへそと見比べている。


穴が開いてるだけで、あんな形していない。


雷様かみなりさま、わたしのおへそもあんな風になるの?」

「修行次第じゃな」


そう言われて、ヤムちゃんは、拳を握った。


「わかりました。がんばります! おへそ取ってください!」


ヤムちゃんはそう言うと、服をめくったままの格好で、お腹を

雷様かみなりさまにつき出した。


「よく言った。では、取るとしよう」


どうやったのか、わからないけど、雷様かみなりさまの手の平に、

ヤムちゃんのおへそが乗っていた。


あたしのおへそより小さいし、光も放っていない。


「あれ? あたしってデベソ?」


思わず口に出てしまっていた。


「いや、そんな事はないぞ。この大きさの違いは、修行の成果の違いじゃ。

元の身体に戻せば、普通のへそに見える」


「そっかーよかったー」


猛烈にほっとしていたんだけど、ヤムちゃんが自分の身体と、雷様かみなりさま

手の平に乗っているおへそを見比べている。


おへそが無くなっちゃったから、どうやって隠そうとか思ってるんだろうな。


「ヤムちゃん、大丈夫だよ。あたしには、ヤムちゃんのおへそ、付いてる様に見えるから」

「え? どういう事?」


あたしも、服をめくって、おへそが見える様にした。


「どう? あたしのおへそ見える?」

「うん。触ってもいい?」

「いいよ」


ヤムちゃんはあたしのおへそを触っている。


「触ってもある様に感じるけど、さうすちゃんのおへそは、雷様かみなりさま

所にあるんだよね?」

「うん、さっき見たでしょ? あれがあたしのおへそ。

なんかね、おへそが無いってわかるのは、本人だけなんだって」


「え? どういう事?」

「あたしも、自分の身体のおへそが見えないし、触っても無い様に感じるんだけど

他の人から見ると、ある様に見えるし、触ってもあるって感じるらしいんだよ」


「へー、そうなんだ。だから、わたしも?」

「うん、そういう事だよ。もういい?」


ヤムちゃんは、ずっと、あたしのおへそを触ってたから、そう言うと触るのをやめてくれた。


「ごめんね……」

顔が赤いけど、恥ずかしいのはこっちなんだけど……


雷様かみなりさまは、あたし達のやりとりを辛抱強く待っていてくれた。



沙有珠さうす程、強化は出来んが、それでもある程度は身体強化出来るはずじゃ。」

「はい!」


「まずは、山歩きからじゃ。別ルートで行く。渡れない、登れない場所は

わしが背負って行く。まずは、沙有珠さうすと同じ道を体験してもらう」


「はい! がんばります!」

「うむ。では、行くとしよう」


「「はい!」」


わたし達は、雷様かみなりさまの後をついて歩いた。


お読み頂き有難うございます!

よろしければ、ブックマークと評価の方も宜しくお願いいたします。

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