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剛腕JK  作者: ロキ
70/92

残り時間は0.5秒……

今日は2話投稿です

12時

18時

に予約入れてます


 朝ご飯のあと、すぐに出かけるのかと思っていたんだけど、今日は違った。

現状の認識を確かめ、どう対応するか?

話し合いをするらしい。

雷様かみなりさまは、スケッチブックを片手に説明を開始した。


「状況としては、交差点内で心神喪失状態におちいった運転手が、横断歩道で

信号待ちしている小学生達の列に突っ込んできている所じゃ。」


交差点の図を描いて、指で指しながらだったので分かりやすかった。


「場所的には、四角よつかどの交差点、つまり十字路じゃな。

沙有珠さうす達が信号待ちをしているのは、右下で、車は右へ直進して交差点に入ったが

意識を失い、信号待ちしている小学生達の列へと向かっている。

左へ直進している車は無く、さえぎるものがない。

今ここじゃ。」


「この車が時速40キロで進んでいたとすると、1秒で約11メートル進むが、

残りの距離はすでに10メートルもない。

何かするなら、1秒以内になんとかしないとだめなんじゃ。」


なんと!?

1秒はあると思ったのに、ないのか……

絶体絶命じゃない……


雷様かみなりさまは、呆然としてるあたしに軽く返事をして、話しを続けた。


「まぁそうじゃな。

一応、出来る事を考えていくぞ。」


1.心神喪失状態にある運転手を正気づかせ、アクセルから足を離させて、ブレーキを踏ませる。


「まぁ普通に考えてブレーキを踏めば止まると思うんじゃが、

ブレーキが効き始めるまで1.5秒くらいかかるらしいんじゃ。

頭が手足に命令を出すまで、0.6秒くらい、ブレーキを踏んで車が止まり

始めるまで0.9秒くらい? 人によって違うからなんとも言えんが、

10メートル以上進んでしまうから、今の状況でブレーキを踏んでも

間に合わないって事になるの。」


ブレーキはだめかぁ……

ブレーキを踏めば絶対止まると思ってたけど、これだと、踏む前にぶつかってるって事だよね……

今更だけど、自分がおかれている状況って、かなりやばいのでは?

ここ最近、これ以上怖いものはないって思える様な体験をしてきた沙有珠さうす

だったが、死が間近に迫っている事を認識して、恐くなった。


雷様かみなりさまは、話しを続ける。


「で、次じゃ。」


2.車を正面から受け止める。


「突っ込んでくる車の前に立ち、受け止めてしまうんじゃが……」


「軽く計算すると


約1トンの重さの軽自動車が、時速40キロで走ってる時の衝撃力は

大体、3階の高さから落ちた時と同じくらいじゃ。

この車を止めるのに必要な力は、止まるまでの時間で変わってくるんじゃが

1秒で止まる時と、0.1秒で止まる時がこれじゃ。」


運動エネルギーK=mv²/2=1000kg×(11.1m/s)²/2=61604J=61KJ


停止させる力Fは

F=⊿mv/t=1000kg×40(km/h)/t=1000kg×11.1(m/s)/t [N]

1秒で停止

F=11100N=11100/9.8 [kgw]≒1110kgw

0.1秒で停止

F=111000N=111000/9.8 [kgw]≒11100kgw


雷様かみなりさまは、スケッチブックに計算式をさらさらと書いて

見せてくるんだけど、何がなんだか? まるでわからない。


「ぴたっと受け止めるとなると、0.1秒のパターンだから、111kN。

人間が耐えられる衝撃力が大体 12kNだったとして、うーむ……」


「スイッチが不完全な今の沙有珠さうすだと、ちと無理かのぉ……」


がーん……

スイッチかぁ……まだ入ってないんだよなぁ……


「で、じゃ。

受け止めるのが無理でも、車の向きを変えるくらいは出来るかもしれん。」


「3じゃ。」


3.車に衝撃を与えて向きを変えさせる。


「真正面から力を受けると、そのまま力を受ける事になるが

ななめに受けて、力を別の方向へそらす。

盾で受け流すとかそんな感じじゃ。」


「今の状況じゃと、車の右タイヤの上あたりをぶん殴って

ガードレールにぶつけるのがいいんじゃなかろうか。」


雷様かみなりさまは、スケッチブックに図を描きながら

説明してくれた。


「横断歩道の両脇には、ガードレールがあるんじゃ。

左側には、信号機の支柱もあるが、ここにぶつけるには角度的に

難しいじゃろう。

じゃが、右側のガードレールなら、少しそらしてやればいいから

今の沙有珠さうすでも、頑張れば出来るはずじゃ。」


「うん!

なんか出来そうな気がしてきた!」


「ただ、車も動いてきておる。

残りが10メートルあったとして、残り5メートルの位置で、車の

進んでくる向きを変えないと、ガードレールにぶつける事は出来んじゃろう。」


「つまり……」


雷様かみなりさまは、そこで一旦話しを止めた。

あたしは、ごくりとつばを飲み込んだ。


「迫ってきている車に向かって、沙有珠さうすも走らないとダメなんじゃ。」


「え?」

「0.45秒後には、残り5メートルの位置まで来てるからの。」


雷様かみなりさまは、スケッチブックを指しながら説明してくれる。


「0.45秒でここまで移動し、すれ違いざま、車に衝撃を与えて向きを変えさせる。

出来るかの?」


「無理だよー」


あたしは即答した。


「0.45秒で5メートルも動けない? やってみないと分からないけど、たぶん無理。

それにすれ違いざまにぶん殴るとか……

やぶさめだっけ?

出来っこないよー

無理ー」


「そうか……」


雷様かみなりさまは、寂しそうにぽつりと言った。


「まぁ、人間の大人でも出来んじゃろうからな。」


うんうん。

あたしは、力強く頷いた。


そしてあたしは、はっと気づいた!


『戻ったら、ここでの事、全部忘れちゃうんだった。

何か対策を練ってやろうと思っても、やろうと思った事、忘れちゃうんじゃないかな?』


こう思ったとたん、返事がきた。


「そうじゃな、あっちの時間の沙有珠さうすに戻れば、全て忘れてしまう。

じゃが、今回は、少しばかり違っておってな。」


雷神養成らいじんようせいギブスが、怪異に反応したんじゃ。

はらえと。」


そういえば、雷様かみなりさまが、怪異をはらうとか、言っていた気がする。

車の事ばかり気にして、忘れてた。


「残り1秒以内に車にかれるという状況で、怪異をはらわなければならん。

なんで、ここでの記憶を持ったまま、あっちの時間へと戻る事になっておるんじゃ。

時間制限はあるがな。」


「時間制限?」


「うむ。

60秒じゃな。

それを過ぎたら、再びここに来ない限り、全て忘れてしまうがの。」


「60秒だけ……」


「じゃから、ここでの対策も全部覚えている状況で戻るから、やれる事を考えておくのは

無駄ではないぞ。」


なるほど。

ここでの事を全部覚えてる状態で戻れるのはいいんだけど、1秒以内になんとかしないと

いけないってのは変わらないんだ。

んーーー


詰んでる気が……

それに、怪異なんてどこにいるのか? 分からないし……


お読み頂き有難うございます!

よろしければ、ブックマークと評価の方も宜しくお願いいたします。

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