邪気祓い
今日は2話投稿です
12時
18時
に予約入れてます
鬼は様子見してるのか、わさわさを振り回してたのが
よかったのか? わからないけど、襲いかかられる事無く、ちょっとの時間が過ぎた。
ん? かったるいのが無くなった。
そういえば、雷様が言ってたな。少しすれば元に戻るって。
これの事か……
怖いけど、やるしかない……
暗闇の中、あたしの居場所はLEDライトの位置で把握されている。
消せば隠れられるかもしれないと思ったけど、雷様が
夜目が利くって言ってたし、鬼だって、夜目が使えるかもしれない。
ていうか絶対に使えるよね。
消したりしたら、あたしが何も見えない状態になるだけ。
迎え撃つしかない!
幸いにも、このわさわさは当たりさえすれば、一撃で鬼を黒い煤へと
変える事が出来る。
ライトの当たる範囲にいないって事は……
見えない場所から、来る!
あたしは、振り返りつつ、わさわさを振り回した!
ビンゴ!
ぶわっさ!
鬼の身体にわさわさがヒット!
黒い煤へと変わっていく鬼を見ながら、足の方へも注意を向ける。
さっきは、もう一匹に足を掴まれたんだ。
鬼の手が伸びてきてる!?
あたしは、その場でジャンプして躱すと、滞空時間の間に
LEDライトの向きを変えて下を照らした。
いた!
地面に這いつくばって、足を掴もうとしている鬼が!
あたしは、鬼の頭上からわさわさを叩きつけた!
鬼は黒い煤へと変わっていく。
同じ手にかかるもんか! と思っていたのもつかの間、後ろに鬼の気配が!?
素早く前に移動しつつ、わさわさを振る!
ぶわっさ!
鬼はしゃがんで避けた!
くそ!
あたしは右にステップを踏みつつ、空振ったわさわさを引き戻し鬼へと叩きつける!
ぶわっさ!
ヒット!
鬼は黒い煤へと変わった。
次は足元!
いない!? と思ったら、左右から挟まれる感じで、鬼が迫っていた!
前方に軽くジャンプして躱し、わさわさを振る。
2匹同時に黒い煤に変える。
息をつく暇もなく、襲いかかってくる鬼達。
あたしは、無我夢中でわさわさを振った。
LEDライトの限られた視界の中で、全神経を集中して、鬼の気配を探る。
見える所に鬼がいる事はあまりない。
3匹同時に来られると、さすがに躱しきれない。
あたしの身体に黒い煤がついて、直後、猛烈な疲労感がやってくる。
くそ! 動いてないと触られちゃうのに!
かったるい!
素早く動けなくなっちゃったけど、それでも動く。
鬼はいた場所に手を伸ばしてくるから。
体感2分くらい我慢すれば、元に戻る。
その間は必死で動いて、わさわさを振る。
他の事は何も考えられない。
鬼をわさわさで消す事だけにひたすら集中した。
真っ暗闇の中、限られたLEDライトの視界、暗闇の中から迫る鬼。
鬼の気配を探るあたしの感覚は、研ぎ澄まされていった。
60匹の鬼を黒い煤へと変えた頃、眉間にスパークが走った!
右ななめ後ろに鬼!
なんとなくそう感じた所に、わさわさを振る!
ぶわっさ!
鬼の顔面にわさわさがヒットし、鬼を黒い煤に変えた。
また、眉間にスパークが走る!
左下後ろに鬼!
あたしは、わさわさを振る!
ぶわっさ!
またしても、鬼にヒットし、黒い煤に変えた。
あたしは、眉間にスパークが走るたび、わさわさを振った。
右真横! 左後方下! 右前方上!
目に見えなくても、鬼がどこにいるか、なんとなく分かる。
鬼の嫌な気配がする場所が分かる。
眉間のスパークがそれを教えてくれる!
そこからのあたしは、鬼に触れられる事なく、鬼を黒い煤へと変えた。
常に動き回り、的確にわさわさを振り回す。
あたしは、視覚に頼ること無く、感覚を信じてわさわさを振るった。
肩で息をしながら、どのくらい経ったのか?
あたしは鬼がいなくなっているのに気づかず、全神経を集中させていた。
眉間にスパークが走った!
あたしは、気配のする方へと振り返った。
すると、先程までとは比べようもないほど強力な鬼の気配がしている!?
気配は、幽世の門と言っていた門からしてくる。
あたしは、わさわさを手に身構えていたのだが、身体の震えが止まらなかった。
そして、門から何かが現れた!
と同時に、強力な鬼の気配が消えた!
消えた?
と思った時に声が聞こえてきた。
「沙有珠も終わったようじゃの。」
雷様だった。
『え? 雷様? 鬼は? いない……?』
「何を言っておるのじゃ?
鬼は沙有珠が、祓ったのじゃろう?」
「う、うん。そうなんだけど……
そっちの方から鬼の気配がしたから……」
「ふむ。そうか。鬼はもういないぞ。
それより、だいぶ触られたようじゃな。」
沙有珠の身体は黒い煤で、真っ黒になっている。
最後の方こそ、うまく動けたが、そこに至るまでに、20回以上触られてしまっていた。
「どれ、沙有珠よ、少し頭を下げるのじゃ。」
はいと言って頭を下げると、雷様は、リュックの中からわさわさを取り出して
あたしの頭の上をぶわさっぶわさっと振るった。
更に、あたしの身体にもぶわさっぶわさっと、わさわさを振るっていく。
前からと後ろから振るわれ、あたしの身体についていた黒い煤は、
綺麗さっぱり消えてなくなってしまった。
「うむ。いいようじゃ。」
あたしは、自分の身体を見ながら、ありがとうござますと言った。
「うむ。
あまり触られると、鬼になってしまうからの。
気をつけんとな。」
「えーーーー!
鬼になるとか聞いてない!
先に言ってよー!」
今日一番の驚きだった。
雷様に文句を言ったけど、そうじゃったかの? とか
すっとぼけてるし……
あたしは、その場にへたり込んでしまった。
『鬼にならなくてよかった……』
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