滝行2
今日は2話投稿です
12時
18時
に予約入れてます
『えー! 一緒にやってくれるんだとばかり思ってたのに!』
と心のなかで抗議していると、呆れた感じの返事がきた。
『わしは沙有珠を視ていなければならんからな。
一緒に滝行なんかしておっては、沙有珠が気絶しても
気づけんじゃろう?』
『え!? 気絶? 気絶しちゃうの? あたし……』
『するかもしれん……だから、言っておくが、1人で滝行はしてはいかんぞ。
意識が朦朧としてきて止めるタイミングも分からず、
あっという間に身体は冷え、気を失って、水底に落ち、
浮き上がれずに溺死してしまうからの。』
『こわー
滝行って危ない修行だったんだ……』
『そうじゃぞ。意識が保てるのなら、沙有珠の身体能力であれば
大丈夫じゃと思うが、こればっかりはな。』
『わかった。雷様に見ててもらうよ。』
『うむ。
では、そろそろよいか?』
『はい、大丈夫!』
そう言って、3歩前に出て滝に打たれた。
物凄い圧が、頭と肩にのしかかって来た!
あたしは言われた通りに、チョキを閉じて前に突き出すと、えい! と一声。
眉間の間に指を戻すと、そのまま固まる。
ドドドドドドドド!
確かに目を開けてられない。猛烈としか言いようがない感じ。
踏ん張って耐えていないと、押し流されちゃう。
他に何も考えられない。その場に留まっていられる様に
ひたすら耐えていた。
どのくらいそうしていたのか?
分からない……
手足の感覚が無くなって、音も聞こえてるのか聞こえてないのか?
分からなくなってきた。
プールに潜った時に聞こえるあの感じがした。
水の中から空を見上げている様な……
目は瞑っているのに、ゆらゆらとしたものが見えた気がした。
と思った時、滝の音が全てをかき消した。
ドドドドドドドド!
雷様の手があたしの身体を掴んで引き寄せたみたいだ。
『そこまでじゃ。
よう頑張ったな。』
わたしは何がなんだか分からなくて、呆けた顔をしてたと思う。
だんだんと滝に打たれていた事を思い出し、寒くて震えている身体に
気がついた。
雷様が大きなタオルを出してくれて、頭から被せてくれた。
滝の裏の洞窟の中には、焚き火が用意されていた。
火のそばに近寄ると暖かった。
「沙有珠よ、濡れた服を脱いでタオルにくるまるんじゃ。
冷え切っておるからな。火のそばで暖まりなさい。
出来るか?」
「はい。」
まだ、ぼーっとしてたけど、服を脱ぐくらい出来る。
雷様は、洞窟の外で脱ぎ終わるのを待っていてくれるみたいだ。
あー濡れてるレギンスは脱ぎにくいな……
なんて思いながらも全部脱ぎ、タオルにくるまって、火のそばに座った。
ちょっと身体が暖まってきたくらいに、雷様がやってきた。
「どうじゃ? あったまったかの?」
「はい。」
「3分じゃ。」
「え?」
「沙有珠が滝に打たれていた時間じゃ。」
『3分? たったの3分……
1時間以上打たれてた気がしたんだけど。』
「そうか、そう感じておったか。
あと何本かやるつもりなんじゃが、いけるかの?」
あたしは、雷様をじっと見つめ、はいと答えた。
スイッチが入ったかどうかは分からないけど……
なんにも変化がないし、たぶん入ってないと思う。
たったの3分って分かったし、やるしかない。
あたしはやるしかないんだ。
って思いながら、濡れたレギンスを見る。
これを履くのは無理だなぁ。
長袖Tシャツは、パンツも隠れるから、レギンスは履かないでもいいや。
あたしは、雷様に、この格好でやるといって、再び滝の前に立った。
3分滝に打たれて、30分焚き火にあたるを10本やった。
お昼ご飯はおにぎりを雷様が用意してくれていたので
それを食べた。
10本やっても、あたしの中で何かが変わったとかそんなのはちっとも無くて
7日でなんとかなるのかなぁ……
って、心配になってしまった。
そろそろ、夕方になってしまう。
あたし達は、暗くなる前に山小屋に戻る為、火の始末をして滝のある洞窟を後にした。
お読み頂き有難うございます!
よろしければ、ブックマークと評価の方も宜しくお願いいたします。




