余命宣告
2話投稿になります。
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「1発目の雷。
覚えているか?」
そんな事を聞かれたんだけど、あたしはあの時の事あんまり覚えてないんだよね。
気づいたら病院で、お母さんがいて、あたしが雷に打たれたんだって
聞いた。
だから、あんまり覚えていないって答えたら、
そうじゃろうな。と返ってきた。
なんで? って思ったけど、なんで? は無しって言われたから言わなかった。
「実はあの時、お前はほぼ死んでいた」
ほぼ? 死んでいたっていうのは衝撃だったけど、ほぼっていうのが気になって
つい、口に出ちゃった。
「あの雷に打たれたら人間は即死なんじゃ。
じゃが、お前はミリ残しで、生き残った。
普通ならありえない事なんじゃが、1000年に1度くらいは
そんな事もある」
「上から見ていたんじゃが、今にも死にそうだったのでな。
降りて、へそを取って死なん様にしてきたんじゃ」
「え?
おへそを取って死なない様にしてきた?
どういう事?」
「そのへそがこれじゃ」
「返して!」
雷様に手を伸ばして、おへそを取ろうとしたんだけど、
さっと、隠されちゃった。
「だめじゃ。これは、お前の雷神核となるものじゃ。
まだ、渡すわけにはいかん。
雷人にもなっておらんから、どうこうなる訳でもないがの。
このへそとお前の身体は繋がっておってな、これがここにあれば、雷に
打たれたくらいでは死なないんじゃ」
「不死身ってこと?」
「違う。車にぶつかったりすれば、簡単に死ぬし、病気でも死ぬ。
刃物に刺されても死ぬな」
「えー!」
「雷というか、電気じゃな。感電死はしなくなるってだけじゃ」
「そう、なんだ。
んー
2発目から気絶しなくなったのは、そのせい?」
「そうじゃ」
「で、高い耐性を持つお前の身体なんじゃが、弊害があってな。
人間としての寿命が……もってあと8年」
「へっ?
なんて?」
「じゃから、雷神へと神成りする為、雷に打たれてもらう事に
した訳じゃ。
その為の雷神養成ギブスじゃ。
わかったかの?」
雷様が何か言ってるけど、あたしは何を言ってるのか?
よくわからなかった。
上の空で聞いているんだけど、聞いてなかった……
そんな事より、寿命があと8年……
うそ。
そんな事あるはずが……
「あたしが、あと8年しか生きられないって、ほんとなの!?」
こくりと頷く雷様。
どどどどどうしよう!?
あと8年って事は、今が9才だから、17才!
高校生か。
うーん、突然そんな事を言われても、現実味がないっていうか
信じられない気持ちで一杯だ。
神さま? 雷様は神さまよね?
神さまのいう事だから、本当の事なのかもしれないけど……
やっぱり信じられない。
「あと8年。今から塗り始めればなんとか間に合うじゃろう。
その為に、今日はデザインを決めんとのぉ!
ほれ、どれにする?」
雷様は、スケッチブックを出して、ページをめくって
進めてくるんだけど、正直うざい。
今、そんな事考えられなくて……
もう、色んな事がありすぎて、いっぱいいっぱいなんだけど!
寿命の事で、ボディペインティングとか、ふっとんじゃったよ!
でも、ちょっとだけ思った。
あたしが死んじゃうから、雷神? 雷人? にさせようって事なのかな?
もう思い切って聞いてみたら、
「うむ。そういう事じゃ」
って、返ってきた。
そっかぁ。そういう事なんだ……
雷様は、親切であたしを雷人にしてくれようとしてたのか……
という事は、死ぬのは確定? って事……
「もう、勉強とかしなくてもいいんだ……」
何気なく思った事をつぶやいたら、声に出ていたみたいで、
雷様に聞かれていた。
「これだから子供は……
8年も先じゃぞ。高校はテストに受からないと入れないじゃろ?」
「そうだけど……
死んだら、学校にも行けないし……
お母さんにもお父さんにも会えなくなる……」
なんだか、言ってて悲しくなってきた。
8年先だけど、死にたくない……
涙が出てきた。
雷様が困った顔をして、頭を撫でてくれた。
「たぶん勘違いしていると思うが……
人間として死んでも、雷人として学校に通えばいいと思うんじゃが」
「へっ?
どういう事?」
「お前にわかりやすく言うとだな。
コイ◯ングが進化して、ギャ◯ドスになったとしても生活は続くんじゃ」
いきなりポ◯モンの話しになった。
あたしが知ってると思ってるのか?
知ってるけども!
コイ◯ングはいなくなっちゃうけど、それはギャ◯ドスになったからで……
はっ!?
もしかして、進化!?
「あたし死ぬんじゃなくて、雷人に進化するって事なの?」
声に出して叫んでた。
「死ぬは死ぬんじゃがな。まぁ、そういう解釈でいいじゃろ」
「うそー! 進化なの! マジすげー!」
「なにをはしゃいでおる! 高校入試とかあるからな、勉強せぇよ」
「はーい」
思わず返事をしてた。
死ぬんだけど、そのまま生活が続くってわかって、嬉しいやら悲しいやら
よくわかんないのに、涙が出た。
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