1回表 西国分寺 昴(すばる)視点3
1回表 田早稲実業 2ー0 田無第一
2アウト、ランナー1塁、2塁。バッターは7番。
左打者。
ようやく、2アウトまできた。あとアウトひとつだ。
守備のおかげで、まだ長打は許していない。
みんな早打ちしてくれるので、球数自体は少ないし、消耗していない。
何か仕掛けてくるかもしれないけど、バッター勝負しかない。
内野ゴロを打たせれば、バックがなんとかしてくれる。
打たせる球は低めの変化球。ストレートは全部ボールにするが、
高めには投げない。
少しぐらい外れてても、力で持っていかれちゃうだろうから。
丁寧に低めをついても、さすが、甲子園優勝校の選手だ。
技で持っていかれた。
センター前ヒット!
2塁ランナーが3塁ベースをけり、ホームへ!
クロスプレーにもならずに、1点追加。打ったランナーは2塁まで進塁している。
3点目が入り、2アウト、2塁、3塁。バッターは8番。
右打者だ。
くそ! 人のいる所に転がればいいのに!
「2アウトー! 2アウトー!」
「打たせていこう! 大丈夫大丈夫!」
みんなが声をかけてくれる。
なんとしても、ここでアウトを取ろう!
そうすれば、次の回、9番からだ。
だけど、どこに投げても、打たれる気がしてきた。
いやいやいや、打たせてるんだ。
飛んだ場所が良かっただけ!
ははは、そう思ったら気が楽になった。
7割はピッチャーの勝ちなんだから!
進塁打を打たせない為にも、この右打者には、内角攻めだ。
打ち損じろ!
そう思って投げたスライダーを、バッターは打ち返した!
カキーン!
やった! 内野ゴロ!
ショートに飛んだゴロを、下連雀さんが難なく捌き、ファーストへ送球!
3アウト! チェンジ!
やったー! アウト3つ取れた!
3点取られたというのに、達成感が半端ない!
「ナイス、ショート!」
みんなが声を掛け合い、ベンチへと戻っていく。
ベンチへ戻ると、監督がみんなとハイタッチして喜んでる。
「凄いじゃない! ファインプレー連発してたよ!」
「まさか、あんなに上手いとは知らなかったわ。
守備練習してないのにね。ふふふ」
みんなが笑い合う。
そこに助っ人の男子がきて、ほんとに練習してないんすか? とか聞いてきた。
「してないわよねぇ。」
うんうんと頷いている、お嫁さん達。
「それより、1番バッターは、打席に。2番は、ネクストバッターズサークルへ行って」
「はい!」
レビンさんと、トレノさんが、ヘルメットをかぶり、向かっていく。
「砂川くんは、1塁のコーチャーズボックスへ。
仙川くんは、3塁のコーチャーズボックスへ行って」
「うっす!」
ベンチ入りしてる選手が9人ギリギリだから、こんな感じになっちゃう。
打順が近づいてきたら、コーチも交代だ。
「さぁ、みんな声出していくよー!」
「はい!」
「3点、取り返すよ!」
「おう!」
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