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生首だけでコンニチハ 〜 邪神の悪ノリで、首だけ異世界転移!?不遇の勇者は訳ありヒロインたちと出会い、最強へと成り上がる~  作者: 佐倉コージ
第3章 『腹ペコドラゴンと異世界セレブ』 part.2 ファンタジー異世界カルチャーショック
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3.31.93 ぶらり異世界街歩き

 ショックのあまりに意味不明なセリフを口走る真一。

 判明したドラゴン少女の驚愕の生態に、混乱しきっていた。

 そんななか、エピーが突然動き出す。


「ミュイっ!分かった。こうやるんでしょ!」


 そう言ったエピーは、勢いよく便器の上にまたがる。

 U字の凹んだところに足を通す座り方で、まさに真一が考えていた通りの体勢だ。

 トイレの何たるかも知らないのに、お利口エピーは真一の話から便器の使い方を正しく予想したのだ。

 すると何かのセンサー機能が仕込まれていたのか、床から生えている便器がウィ〜ンっ!とせり上がってきた。

 エピーの身体が軽く持ち上がったところで止まる。

 椅子に座ったように体重を預けられるので、これなら楽に用を足すことができそうだ。


「ミュミュミュぃっ。なんかサッパリした気がする!」


「これちょっと気持ちいいニャミュ〜」


 しかも中の黒ミストに下腹部が触れたおかげで、自動的にキレイになったようだ。

 地球のシャワートイレよりもずっと高性能である。


「だけど尻尾のトコがぶつかるのがダメだね。乗り方が違うのかな?」


「いや、人間には尻尾とかないから」


「ミュイ〜そっかぁ。シン、『といれ』って、お尻をキレイにする場所なんだねっ♪」


「うん、そんな感じ、、、」


 そうとしか答えられない真一であった。

 ドラ・ウンなエピーたちには、トイレにそれ以上の意味などないのである。


 けれども真一は今さらの話ではあるが、もっと別のことが気になり始めていた。

 エピーは今までの格好のままで、便器にまたがっている、ということに。

 そしてそれで何の不都合もなくトイレを使えているのだっ!

 それの何が問題かというと、、、


 そういえば今さらだけど、、、

 この子、はいてないんだよなぁ、、、


 いまエピーたちが身にまとっているのは、ミコミちゃんからもらったミーニャのワンピースだけである。

 当然ながらアンダーウェアなどは一切つけていない。

 見た目は中高生くらいの美少女が、パンツもはかずに街を練り歩き、飯屋で暴食していたのだ。

 しかもこの姿で空を飛んだりもするのである。

 これはさすがにマズいだろう。


「エピー、ドリー、まだ明るいし、服を買いに行こっか!」


 とりあえず真一はノーパンドラゴン娘にパンツを用意してあげることにした。


 宿の外に出ると、かなり日が傾き始めていた。

 といってもここは昼間でも空がピンク色の異世界である。

 夕暮れの時間になっても空の色はあまり変わらない。

 ピンク色がより赤みががったくらいで、そのまま暗くなってくる感じだ。

 ただしそれは今までいた森の中でのこと。

 バンリャガの街の中は、この時間でもかなり明るかった。


 その理由はもちろん街明かりのおかげだ。

 といっても街の中には地球にある街灯のようなものはない。

 その代わりに、、、


 道路が床一面、全て光っていた。


 この街の路面は例のツルツルな謎石で出来ている。

 その大理石チックな謎石が、ほんのりと輝いているのだ。

 今はまだ日の光も残っているのであまり目立たないが、空が暗くなったらかなり明るそうだ。


 光っている謎石の地面だが、どうも照明のようなものが埋め込まれているわけではない。

 床全面が均一にうっすら薄緑色に光っているのだ。

 この感じは地球でも見覚えがある。

 夜光塗料とか蓄光テープみたいなアレだ。

 これは思わずなるほど!と感心させられる異世界文明であった。


 最初は魔法で光らせているのかと思ったが、それだと魔法を使う人の労力が凄まじい。

 魔導具にしても、きっと何かの魔力源が必要になる。

 毎晩そんなものを用意するのは難しいだろう。

 だけど夜光塗料なら昼間に勝手に光を蓄え、暗くなったら数時間は光りっぱなし。

 メンテナンスフリーである。

 問題になるとすれば夜光塗料の材料だが、この異世界にはそれが豊富にあるのかもしれない。


 宿を出た真一たちは、適当に街の中をぶらぶら歩いてみることにした。

 服屋がどこにあるかなんて分からないし、ついでに街を散策しながら良さそうな店を探せばいい。


「シン!アレは何なの?」


「アレは食べられるやつニャミュ?」


 全てが目新しいのかアレコレ聞いてくるエピーとドリー。

 とはいえ真一にも分からないものだらけだ。

 夕暮れの街は昼間とはまた印象が違って、とにかく新鮮である。

 立ち並ぶ店の店頭に浮かぶ、魔法のサインの明かりがさらに色鮮やかに映る。

 中には地面と同じように、壁が夜光塗料で輝いている建物もあるようだ。

 2人の恋人たちとそんな異世界の街を見て回るのは、真一にとってもめちゃくちゃ楽しかった。


 そんななか真一が気になったのは、魔導具の専門店らしきお店である。

 エピーに立ち止まってもらって、店先に並ぶ意味不明な魔導具を観察してみる。

 すると奥から店員が出てきて、試しても大丈夫だと勧めてきてくれた。

 さっそくエピーに頼んで触ってみるが、これがまた面白い。


 ホテルやメシ屋にあった、例のキレイになるクリームミスト製品がバリエーション豊富に並んでいる。

 他には日光を遮り、冷風を吹き出す、日傘代わりの帽子型の魔導具。

 電動キックボードならぬ、魔動キックボード。

 危険なモンスターの接近を警告するアラーム、などなど。

 見た目からは予想できないものばかりだ。

 店員から使い方を教えてもらったときの、『なるほど〜』となるギャップが異世界の醍醐味であった。


 ちなみに魔導具をつまみ食いしようとしたドリーは全力で阻止した。

 そんななか真一は、気になるものを見つけた。


「お客さん、また変わったもんに目をつけたなぁ」


 真一が興味津々に見ているのは、手のひらサイズの正方形の板状の魔導具だ。

 表面はディスプレイっぽくなっており、4✕4で16個の正方形ブロックに分かれている。 

 それぞれのブロックは、赤、オレンジ、緑といった様々な色に点灯している。


「お兄さん、これってもしかして?」


「あぁ、時間を表示する魔導具だ」


 真一が見つけたアイテムは、やはり『時計』のようであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 人間都市のあまりのハイテクぶりに驚くばかりです。きっとあれですね、この国の王は「生活魔法で成り上がり!」と言うやつですね。
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