第3話 森の罠に囚われたクロサギ
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明日の18:00に更新しますので、スカッとしたい方はぜひまた見に来てください!
あの息が詰まりそうなほど陰険な城に耐えかねて、私は日中、一人で裏の森へ逃げ込むようになっていた。
あんな針のむしろのような場所にいたら、私の頭の方がおかしくなってしまう。
ある朝、森の奥からバタバタと激しい羽音と、苦しげな鳴き声が聞こえてきた。
普通なら怖くて近づかないところだけれど、なぜだか、どうしても放っておけない気がした。
まるで、誰にも助けてもらえない私の心が叫んでいるように思えたからだ。
勇気を出して草むらをかき分けると、そこには、一羽の大きな黒いサギ――クロサギが、無骨な網の罠に絡まり、もがき苦しんでいた。
「……ひどい。こんなにボロボロになるまで暴れたのね」
クロサギはもう体力を使い果たしたのか、ぐったりと動かなくなっていた。
その諦めきった虚ろな瞳を見た瞬間、胸がズキリと痛む。
(ああ、私と同じだ)
自分の力ではどうしようもない理不尽な檻に閉じ込められて、絶望している姿が、今の自分にそっくりだった。
「お前も、一人で辛かったわね。でも、もう大丈夫よ。私がここから出してあげるから」
私は持っていた小さなナイフで、きつく絡まった縄を必死に切り裂き、クロサギを網から解き放った。
自由になったクロサギは、驚いたように大きな翼を広げると、何度も、何度も私の方を振り返りながら、名残惜しそうに空へと飛び立っていった。
「ふふ、元気でね。お前だけでも、自由になれてよかった」
小さくなっていく黒い影を見送りながら、私は少しだけ、心が軽くなるのを感じていた。
◇
その夜のことだった。
夕食の席で、私は目の前に出された真っ赤なトマトスープを、憎々しげに見つめていた。
(これ……トマトなんかじゃない。ただの凶器よ……!)
ほんの少し口をつけただけで、すべてを察した。
唇に火が付いたような激痛が走り、舌がジンジンと痺れ上がっている。
私のスープにだけ、これでもかと大量のタバスコがブチ込まれているのだ。
「どうした? テーブルマナーすら忘れたのか? これだから育ちの悪い下品な女は嫌なんだ」
長いテーブルの向こうから、アルフレット陛下が心底うんざりしたようにため息をついた。
その冷淡な声に、私の頭の中で何かがブチ切れる。




