其の壱十八「ココココ・キキキキ」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
この物語「これから広まるかもしれない怖い作り話」を書くために、私は毎日のように「怖い話の動画」「怖い話の本」、時には部屋の隅で”えぐえぐ、シクシク”と半泣きになりながら大の苦手な「ホラー映画」を見て、創作怪談のアイデアを探しています。
もともと怖い話を聞くのが大好きな私は、この中で「怖い話の動画」を聞き流しながら、ふと耳に残った短いフレーズをもとに想像を膨らませ、創作怪談のアイデアとしてノートにメモをするという手法を最も多く使っています。
過去には「幽霊ラーメン?何味?」が怪談エピソードの元になった一言ということも。
さて、この回で往路を含め192話目となる当作品。毎日少なくとも1本、多い日は3本の怪談を書く日々が半年を過ぎてくると……ここ最近の執筆中、アイデアを探し中に思わず「ん?」と首をかしげてしまうような、不思議なことに出会うことがあります。(ちなみに私に霊感はありません。)
これは私が創作怪談のアイデア探しとアイデアメモの整理をしているときに、実際に起きたお話です。
◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
これは2026年6月初旬の出来事です。
いつものようにその日の創作怪談の原稿を書き上げた後、私はオカルト系YouTube動画を聞き流しながら、スマートフォンにためておいたアイデアメモを手書きのノートへと書き写していました。
そのときです。
動画の音声が聞こえてくるヘッドフォンから「ココココ」「キキキキ」と、耳障りな音が聞こえてきたのです。
当初は動画内の効果音だろうと気にかけることなく、ペンをノート上に踊らせていた私でしたが――効果音にしても、その音は「ココココ」「キキキキ」と何度も、何度も不定期に聞こえてきます。
そうなるとやはりどこかこの音のことが気になってしまい、アイデアノート上を踊るペンもその足を止めてしまいます。
「これ、何だろう」
私は一度ペンを置き、ノートを閉じてこの「音」が何なのか調べることにしました。
再生している動画を一度止めて、最初から再生する――「ココ……」停止!!
すると、ヘッドフォンから聞こえる動画の音声と共に、耳障りと思っていた「ココココ」という音も「ココ……」と止まりました。
念のためにもう一度再生――「キキ……」停止!!
やはり、ヘッドフォンから聞こえる動画の音声と共に、耳障りと思っていたもう一つの「キキキキ」という音も「キキ……」と止まりました。
このことから「この“ココココ・キキキキ音”は不定期に動画内へ挿入された効果音」と結論づけた私は、これは怪奇現象ではないという安心感からホッと息を吐きました。
そして、「再生を停止したまま」再びノートを開き、ペンを手に持ってそれを再びアイデアのステップでノート上に踊らせました。
――不定期に聞こえる、「ココココ」「キキキキ」という音を聴きながら。
この話、本当なんです――




