其の弐十弐「こっくりさんの本当の怖さ」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
1999年7月。霊感少女風間さん(18歳)からの伝言です。
怖い話を聞くのは大好きなのに、怖い場所に行くのも、怖い映画やドラマを見るのも大の苦手。
オカルトには興味津々で、こっくりさんや降霊術、UFO、宇宙人まで好きという、周りから見ればちょっと変わった女子高生。
それが当時の私で、ニックネームは「霊感少女風間さん」でした。
そんな過去の私が、今の私に伝えたいことがあります。
「降霊術はおすすめしません」
実際には何度かこっくりさんをしたことがあるので、「自分はやっておいて人にはすすめないの?」と思われるかもしれません。でも、経験したからこそ“すすめない理由”があるのです。
なぜか。それは、あまりにも身近で現実的な、知りたくない答えを知ってしまうことがあるからです。
「〇〇さんは〇〇さんが嫌い」「あなたのことが嫌い」
そんな妙に現実に近い言葉が返ってきた時、それを知った瞬間、あるいは“知られてしまった”瞬間、その言葉は呪いのように心に残ります。交友関係がぎくしゃくすることだってある。
こっくりさんは手軽だからこそ、そういう危うさが潜んでいるのです。
そして本当に怖かったのは、こっくりさんではなく、人の心でした。
遊び半分のはずが、参加した人の本音や疑念、嫉妬が浮かび上がることがあります。
一度知ってしまった言葉は、もう元には戻せません。
さらに厄介なのは、自分の弱さや不安、誰にも言っていない秘密を“当てられてしまう”こと。
偶然かもしれない。でも、当事者にとっては「当たっている」という事実だけが重くのしかかる。
あの頃の私には、その重さがあまりにも大きかったことを今も覚えています。
だから私は伝えたいのです。
怖いもの見たさは悪くない。好奇心も悪くない。でも、自分の心を傷つける可能性のある扉は、むやみに開けるものではないと。
そして最後に――この話、本当なんです。




