其の弐十八「予言写真」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
これは、ある男性から聞いた話。
部屋の片づけをしていたAさんは、高校生の頃、3人の友人と共に出かけた先で撮った集合写真を見つけた。現在20代の彼は、写真を見て当時を懐かしみながらも、ある違和感に気が付く。
それは、写真に写る自分の姿。Aさんの足が明らかに「消えている」のだ。
この写真を撮った当時、この事には気付いていなかった――いや、足は消えていなかったはずだ。
これほど鮮明に足が消えていれば、誰もが気付くはず。
Aさんは怪訝に思いながらも、その写真はそのままアルバムに挟んで棚に片づけた。
それから数日後、久しぶりに会ったその時の友人B君にこの話をすると、
まさか心霊写真だったりして、という会話で軽く盛り上がったのだが――
Aさんはその日の帰宅後、自宅の階段を登っているとき足を踏み外し階段から転落。
足の骨を折るという怪我をした。
入院中、見舞いに来たB君は思ったより元気そうな姿を見てホッと息を吐き、Aさんに一枚の写真を見せた。
その写真は、彼の片づけた写真と同じもの。だが違うのは、Aさんの足が「消えていない」代わりに、B君の手が消えていたのである。
「この写真、怪我を予言しているなら、今度は俺が手を怪我するのかもしれないな。」
そんな話をしたB君は、数日後、階段から落ちたときの手のつきどころが悪く、手首を骨折する怪我を負った。
その写真は、彼らの中で「怪我の予言写真」と認識され、今も写真の変化を注意深く見守っているらしい。
はたしてこの写真、「怪我を予言しているのか」「怪我を誘っているのか」。
後日、当時の友人たちと久しぶりに会ったAさん。
彼らが車で出かけたとき、Aさんの部屋にしまってあるその写真に写った彼の姿は「全身が消えていた」という――
この話、本当なんです。




