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創作怪談:これから広まるかもしれない怖い作り話【復路】  作者: 井越歩夢


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其の参重零「ボソボソイ、ボソボソイ」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



最初は空耳、気のせいと思っていました。

ですが、2度確認することで、空耳でも気のせいでもない、

それが「本当に聞こえている声」かもしれないと、背筋がゾゾゾとした私の体験談です。


私は、仕事の合間やウォーキング中、車での移動中など

様々な場面でYouTube動画をラジオ感覚で聞き流しています。


その中に、記事を書きたいと思う時事ネタや、Web小説のアイデア、

創作怪談に繋がる気になる一言がたくさんあり、私にとってYouTubeは宝の眠る大きな島そのものです。


その日の午後、私はいつも通りヘッドフォンを着けYouTube動画を聞きながら仕事をしていたのですが、このとき、ん?と気になることがありました。


聞いているチャンネルの音声とは別の、小さな話し声が「ボソボソ」と聞こえる気がしたのです。


最初は、聞いている動画に入っているものだろうと思っていたのですが、

一度耳につくとやっぱり気になってしまうものです。


私は、周囲の音?と思いヘッドフォンを外したのですが、自宅仕事部屋は静かなものです。

なんだ、気のせいか。そう思った私は、再びヘッドフォンを着けて仕事を再開しようとしましたが、


「ボソボソ、ボソボソ、ボソボソイ」


やはり、YouTubeの音声とは別の小さな声が聞こえます。


私はすぐヘッドフォンを外し、もう一度周囲の音を確認しましたが、やっぱり部屋は静かなものです。

やっぱり気のせいよね。2度確認したことで、私はこれを「気のせい」と決めました。

ヘッドフォンを着けて再び仕事を再開しようとすると、やはり音声とは別の……


「ボソボソイ、ボソボソボソ、ボソイ」


やはりそれは聞こえてきますが、気のせいと決めた私はそれを気のせいと一蹴して仕事に集中します。


それから10分ほど。仕事に区切りがつき、ひと休みとスマートフォンを手に取りYouTube動画を停止した時でした――


「ボソイ」


ほんの一瞬でした。動画の再生を止めた後の一瞬。1秒にも満たないほんの一瞬ですが、

あのボソボソという小さな話し声が確かに聞こえたのです。


ンンンン!?と、私はヘッドフォンを外し、周りを見回しましたが、やはり仕事部屋は静かなもの。

ですがそれに反して、私の心はザワザワと激しくざわついていました。


確かに、再生停止後もほんの一瞬だけ、あの小さな話し声が聞こえた。

私は背筋をゾゾゾとさせながら、とりあえず落ち着こうと準備していた麦茶を一口含み、ホッと息を吐きました。


再生を止めた後、遅れるようにして僅かに聞こえ、すぐに止まったあの小声。

それは、聞いていた動画の中から聞こえてくるものだったのか、それとも何らかの形で私に囁きかけるものだったのか――


静かな部屋の中で、ひとしきり考えましたが、考えれば考えるほど怖くなると思い、1分21秒後、私は考えることを止めました。


これは、仕事中に私が体験した本当の話です。

皆さんはこれ、何だと思いますか。


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