其の五十弐「参加者が知りえない質問」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
これから広まるかもしれない怖い作り話「往路」の中で、
私はこっくりさんの話題をいくつか書かせていただいています。
年代的にもちょっとしたブームを経験し
この話についてはとても興味をもっているため、
何度も話題に上げてしまい、「またですか?」と言われそうですが……
なににしても今日は、復路では初めてとなる「こっくりさん」についてのお話です。
今回のこれは、私がこっくりさんの話を聞く中で思ったこと、
私なりのこっくりさんに対する
いわば 「風間咲良のこっくりさん考察」 という側面が強く、
創作怪談とは少し違った形になりますが、よろしければ最後までお付き合いください。
◇◆◇
これを書こうと思ったのは、
「こっくりさんは参加メンバーが知っていることにしか答えられない」
という話を先日聞いたことがきっかけでした。
このとき私が聞いたのは、
「小学4年生がこっくりさんをしたときは、小学4年生の知識範囲の質問にしか答えられない」
という話です。
確かに、こっくりさんを“科学目線”で見ると、なるほどと思う話です。
科学的には、こっくりさんが動くのは霊的な力ではなく、
人の“無意識の動き”が重なって起きる現象だと考えられています。
緊張や期待によって、指先は自分でも気づかないほどわずかに動くことがあり、
その小さな動きが硬貨に伝わって、まるで勝手に動いているように見える。
心理学ではこれを イデオモーター効果 と呼び、
占いやこっくりさんのような“動く不思議”の多くは、
この仕組みで説明できると言われています。
ということは――
小学4年生では知りえない「大学生レベルの数式の答え」を求めても、
参加者は誰も答えられないため、硬貨は止まるか迷走するだけ、ということになります。
◇◆◇
ではもし、小学4年生が自分たちでは知りえない「大学生レベルの数式の答え」を
こっくりさんに聞いて、みごと正解したら?
その瞬間、この科学的説明は崩れてしまい、
そしてこの時その場を支配しているのは、「大学生レベルの数式の答えがわかる“何か”」
ということになるでしょう。
つまり――
こっくりさんをしているとき、
それがオカルト的に“本物の霊”がその場を支配し硬貨を動かしているのか、
それとも科学的に“無意識の動き”がその場の硬貨を動かしているのかは、
「参加者が知りえない質問」をすればわかるのでは?というのが私の考えです。
◇◆◇
もし、その質問に対し硬貨が正確な答えを導き出したときは――
くれぐれも、その場に降り立ち、その場を支配している「見えない何か」の存在にご注意を。
あなたはこの話、どう考え、どう思いますか。




