其の五十八「時代の闇に消えた本物のオカルトグッズ」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
みなさんは、昔の雑誌に載っていた
“怪しげなオカルト商品の広告”を覚えているでしょうか。
睡眠学習枕、開運ブレスレット、謎の健康器具……
どれも一歩引いて見れば、嘘科学の塊のような商品ばかり。
でも、その怪しさを楽しむのも、オカルト広告の魅力でした。
……なのですが。
先日、ネットで調べ物をしていたとき、私は妙な一文を見つけました。
「1980年代に売られていたオカルト商品の中に、本当に効果のあるものが1つだけあった」
正直、最初は冗談だと思いました。
しかし、その噂の内容を読んでいくうちに、
私はそれに強く興味を引かれていることに気付きました。
その内容がこれです。
◇◆◇
1980年代、日本中がオカルトに熱狂していた時代。
その頃、一部のオカルトマニアの中でひっそりと囁かれていた噂がある。
“ある市販のオカルト商品だけは、本当に効いた”
その商品は比較的安価なものらしいのだが、
残念ながらその形状や用途の記録は残っていない。
ただ――
「何かわからないが、確かに効いた」
それだけは、皆が口を揃えて言うのだという。
今となっては実物も残っているとは考えられず、
どんな商品だったのかもわからない。
ただ、あの時代を知る者の間では、“1980年代唯一の本物”
として、今も語り継がれているという。
◇◆◇
……本当に?私は思わずそう呟きました。
オカルト商品に“本物”があったなんて、到底信じられません。
でも、単純に完全に否定するのもどうかという気がして、
これについて私はさらに調べてみることにしました。
何か新しいことがわかり次第、追ってここでお話しようと思います。
◇◆◇
そして、もう一つ気になったことがあります。
「2020年代のオカルト商品で、本物と言われているものはないのか?」
調べてみると、こんな言葉が目に入りました。
「信じている人にとっては効果がある」
……それはつまり、“本物かどうかは、あなた次第”ということなのかもしれません。
1980年代の“本物”については、真偽不明。ただ、噂だけが静かに残り続けている。
そして私は思うのです。
本当に効果があったのは、商品そのものではなく――
それを信じた人の“何か”だったのではないか、と。
この話、本当なんです。




