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創作怪談:これから広まるかもしれない怖い作り話【復路】  作者: 井越歩夢


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其の五十九「死相之眼」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



これは、看護師をしている友人から聞いた話。


その話を聞いたとき、私はどこか腑に落ちる感覚と、

胸の奥でモヤモヤと渦を巻く感覚が同時に生まれ、とても複雑な気分になりました。


◇◆◇


看護師の友人――Sさんは言いました。


「死期が迫った人の目には、共通した特徴があるの」


このことは看護師の間ではよく知られた話らしく、

患者さんと接する中で、誰もが否応なく“それ”を察してしまうのだそうです。


そして、このことは看護師だけでなく医療に携わる人なら、きっと皆知っているのかもしれない。

Sさんはそう言いました。


では、その特徴とは何なのか。


怪談を創作する私としては、そこに興味が湧いてしまいます。

しかし、Sさんは首を横に振りました。


「これはね……知らない方がいいよ」


彼女はこれを先輩から聞き、知ってしまったのだが、

本来は知らないままでいた方がいいことだと言います。


……けれど、やはり気になる。

私の胸の奥でモヤモヤがくすぶっているのがわかりました。


そんな様子の私を察したのか、

Sさんはぽつりと、ひとことだけ付け加えました。


「人を見るのは、病院の中だけじゃないでしょ。」


その瞬間、その意味を理解した私は、背筋がゾゾゾとするを感じました。


◇◆◇


“死期が迫った人”は、病院の中にだけいるわけではない。


街を歩く人。電車に乗る人。職場の同僚。家族。友人。人は、どこにでもいます。


私はその特徴を知らないから、誰を見ても何も察することはできない。


でも――それを知ってしまったSさんは、どこにいても“それ”がわかってしまう。


知らない方がいい。本当に、その通りだと思いました――



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