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創作怪談:これから広まるかもしれない怖い作り話【復路】  作者: 井越歩夢


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其の八十壱「深夜のノイズ」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



テレビが地上波デジタル放送に移行したのは2011年。(一部地域では2012年)

あれからもう15年も経つのだと思うと、時の流れの速さに何だか驚いてしまいます。


20代の頃、私は毎週土曜の夜更かしが楽しみでした。

CDTVを見てランク王国を見て……

そしてそれらの深夜番組を見終えたあとに映る“砂嵐”と“カラーバー”。

あれは、私にとって週末深夜の終わりを告げる合図のようなものでした。


今の若い世代は、もしかすると砂嵐を知らないかもしれません。

地デジ移行とともに、あのノイズ画面は完全に姿を消したのですから。


……そのはずなのですが。


最近、私はこんな話を耳にしました。


◇◆◇


「深夜、放送終了後のテレビに砂嵐が映ることがある」


本来、地デジでは砂嵐は発生しません。

画面はブルーバックか黒画面、またはエラー表示になるだけです。


それなのに、ある時間帯だけ――

画面が“ザーッ”とノイズに覆われることがあるというのです。


そして、それを見た人は決まってこう言うのだとか。


「砂嵐の向こうから、何かがこっちを見ていた」


◇◆◇


アナログ時代の怪談でよく語られた“砂嵐の向こう側”。

それが、地デジの時代にも現れるというのです。


もし本当なら、砂嵐の向こうには何がいるのでしょう?


……とはいえ、私はそれを目にすることはないと思っています。

なぜなら私は21時に就寝しているから。

深夜の砂嵐とは、縁がありません。


ですが、もし誰かが“地デジに紛れた砂嵐”を見たことがあるなら、

そして“向こうから見られた”経験があるなら――

その話を聞いてみたいと思っています。


◇◆◇


それはそれとして、もし私が何かの偶然で深夜まで起きていて、

テレビに映るはずのない砂嵐を見てしまったら。


そのとき私は、迷わず、そして素早く、

目にも見えない早さでテレビをOFFにするでしょう。


私は怖い話を聞くのは好きですが、“見る”のは本当に苦手なので。


この話、本当らしいですよ。



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